第5話 全てから見捨てられ

その後は弟が電話をとり話を聞き


僕の背中をさすってくれたそうで


数分たった頃に警察が滑り込んできて


僕たちを連れて病院に向かってくれたそうだ


正直これも何一つ覚えてない


ほんとに


なにも


覚えてない


病院に着くと応急処置を行っている母と父を目の当たりにする


父だけ死んで母さんが生きてくれればなんて思っていたが


この世の中そんな甘くなかった


父は死んだ


応急処置の頃にはもう息がなかったらしい


でも母さんも死んだ


まだ息をしていたらしいでも


医療の発達が遅いせいで母さんは死んだ


あんなやつのために


その後僕たちは施設に引き取られることなく


野宿をすることになった


普通ならおかしな話だ


でもどこの施設も環境が悪く暖かく迎えてくれるはずもなく


どこも


「うちは人数が多いから他をあたって」


とばかり


笑える


結局どこにも引き取られることなく弟と2人で雨を凌げる橋の下で過ごした


雪が降る寒い冬だ


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