第4話 頬を撫でるは汗か涙か

家電だ


時刻は午前2:00を回っていた


こんな夜遅くになんのようだろうか


それもうちなんかに


借金取りかそれとも大家か


そんなことを考えながら受話器を手に取り


応答を待つ


「もしもし?」


低い声


大人の男性だ


聞いたことない声で少し戸惑い黙り込んでしまう


少し緊張していたせいで息が荒かった


それがきっと電話越しでも聞こえて誰かいるとはわかっていたのだろう


電話の相手は僕の応答を待たずに話を続ける


「落ち着いて聞いてください。

阿明さんのお宅ですね。

たった今君のお母さんとお父さんが

車の衝突事故に遭ったんだ。

それで____」


そこからは何も覚えていない


衝撃で脱力し手から受話器が落ち倒れるように座り込む


「か、ぁ、さん、、、、?」


受話器から微かに声が聞こえてくるが聞き取れない


母さんは死んだのか、?

帰ってこないのか、?

じゃあこれから俺らはどうすればいい、?

わからない

どうすればいいか

わからない


わからない





わからない










わからない

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