第11話 異世界ファーストフード

バラッドくんが魔法学園でいろいろやらかして今この町ロンマで謹慎中。

貴族の子息はいずれ跡を継ぐために領地の町を運営することを任される

バラッドくんも謹慎しながらロンマの町を運営しなければいけないのだが

ミダクド商会のメイドに丸投げしてサボっていたため いろいろ問題が起きている

この定食屋のように働き手がいなくなって困っている場合は補助金がでるのだが

その補助金は孤児院と同様、着服されていた

今は俺が事務処理をやっているので来月からはちゃんと補助金がでるはずなのだが

この店は間に合わなかったようだ

ちょっと責任を感じたので少しだけ協力することにした

オグロ食堂と書いてある看板をくぐって

店の中に入り作りかけの料理があったので試食してみた

「まずい・・・ ミケ・ポメお前たちここの料理は好きか?」

二人共首を横に振った 

女店長は困った顔で

「料理はもともと主人が作っていて わたしは料理がにがてで」

女店長を鑑定で見た。

 

オグロ(獣人族キツネ・女・25歳)

HP200

MP200

魔法:生活魔法

スキル:掃除

称号:料理音痴


なるほど 称号に料理音痴か

難しい料理はむりだから簡単な料理をさせるか

「女将 店はつづけろ 俺が資金をだす

だから明日からは この店はハンバーガーショップになる」

「もしかして あなたはバラッド様ですか」

警戒しながら女将オグロが訪ねてきた

異世界に転生しておよそ2週間ほどになるが

日本の食生活にくらべると残念ながら満足できないので

異世界にも日本のような食文化を作ることにした公爵家ならそれもできるはず

てはじめにハンバーガーショップをつくる

「そう 俺がバラッド様だ さっき言ったようにお金の心配はない

そして今からこの店で出す料理を作ってやるからよく見てろ 台所をかりるぞ」

こういう時悪役貴族って便利だな さからうことを許さずに自分のしたいことができるから とりあえず肉をミンチにしてハンバーグをつくる 丸パンを2つに切って

バンズにする レタスとマヨネーズで味をととのえて完成

スキル料理があるので上手にできた

ミケとポメとこの店の主人オグロに試食させる

「どうだ 味は」

「お・おいしいワフッ」

「おいしいにゃー」

「おいしいです」

半信半疑だったオグロもハンバーガーの美味しさをみとめて

ハンバーガーだけのお店にすることに納得した

いままでは30種類の料理を出していたらしいが女店長オグロ一人で出来るわけもなく ミケとポメも皿洗いぐらいしかできないので店が回るわけがなかった

なのでハンバーガーだけならオグロ一人でできるし パンに具を挟むだけなら

ミケとポメにも出来るのでなんとかなるはずだ

ハンバーグとマヨネーズの作り方をおしえた 2つだけなので何とか覚えてもらった

さてお店の名前も「オグロ食堂」から変えることにした

オグロ・ミケ・ポメ従業員が全員獣人なのでモフモフのつくるハンバーガーで

「モフバーガー!」に店名を決めた

次の日 モフバーガーは大人気となり

のちに「ロンマと言えばモフバーガー」と呼ばれるまでになるのは

もっと先の話である


死亡予定日まであと 1067日



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