第10話 ミケとポメ

「いつから後ろの座席にいたんだ」

「ポメが豚汁くれた人の匂いがするっていったニャ それで見たら変な馬車に乗ってるバラッド様がいたニャ そして飛び乗ったニャ」

孤児院の子たちは普段は町の商店街などでお手伝いをして仕事を覚えたりしている

ミケともう一人の獣人ポメが町にお手伝いをしに行く途中でこの魔導カーを見て

商店街の入り口の門から飛び降りて後部座席にのったらしい

しかし、こいつら悪役貴族のバラットくんを全然怖がってない

どうしてだろう とりあえず鑑定してみた


ミケ(獣人族ネコ・女・5歳)

HP300

MP10

魔法:身体強化

スキル:スピード

称号:好奇心の塊


ポメ(獣人族イヌ・女・3歳)

HP150

MP10

魔法:身体強化

スキル:嗅覚強化

称号:追跡王


なるほど猫と犬の獣人で好奇心旺盛なせいで この魔導カーに興味深々で思わず飛び乗って歌まで一緒に歌いだした こいつら怖いもの知らずだな

「貴族の乗り物にかってに乗ったりしたら無礼討ちで殺されるぞ」

一応注意してみた

「ぶ・豚さんは優しいからだいじょうぶ ワフッ」

ポメがそう言ってほほ笑んだが

「俺はブタの獣人じゃない人族だ!」

思いっきりポメのほっぺをつねってやった。

「ごめんなさいニャ! 無礼討ちはゆるしてニャ!」

ミケが必死であやまったのでゆるしてやることにした

「とりあえず商店街で下ろしてやるから そのまま乗ってろ」

魔導カーを発進させた

「や・やっぱり豚汁の人は優しい ワフッ」

そのハムの人みたいな言い方はやめてほしいんだが

『魔導ゴーゴーゴー♪』

一回歌っただけなのにしっかり覚えているなこいつら

商店街の中に入るとみんな波が引くように建物の中に隠れてしまう

そうだよな これが正しい悪役貴族にたいしての反応だよそう思いながらミケとポメをみたら

『魔導ゴーゴーゴー ブラックボディー魔導ゴー♪』

「あ・そこを右に曲がってニャ 曲がって三件目の青い建物でおろしてニャ」

俺を運転手がわりにつかってやがる そういえばメイドのローズも獣人で俺に対してほぼため口だったな 獣人ってみんなこんな感じなのか?

青い建物の前に着いた どうやらここでミケとポメはお手伝いをしているらしい

中から美人の大人の女性が出てきた

「ミケ・ポメ来てくれたのね でも御免なさい ここで働いてもらうことはもうできないの」

ここは定食屋で夫婦仲良く経営していたが半年ほど前旦那さんがはやり病で亡くなっておかみさん一人で頑張っていたが売り上げは半分以下に落ちて もう店を閉めるしかなくなったと涙ながらにミケとポメに説明していた。


死亡予定日まであと 1068日

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る