第6話 ミダクド商会


「とりあえず 中で話を聞こう」

孤児院の中に入ると

中もボロボロで 今すぐにでも修理が必要なことが

見てわかる状態だった

応接室の椅子に腰掛けると

セントポーリアが話し始めた

「孤児院の経費を元通りにしてください

このままでは みんな飢え死にしてしまいます」

「どういうことだ 孤児院の経費はでているはずだが

俺は止めた覚えはないが」

「1年ほど前から徐々に経費がへっていき

3か月前からは経費はなくなり理由をきいたら

領主様の指示だと言われて」

セントポーリアの必死な顔を見る限り嘘はついていないだろう

「アイリス孤児院の経費の処理はだれがやっていた」

バラッドくんは面倒な事務仕事は全部メイドに丸投げしていた

「クロッカスとダリアです

2人はミダクド商会からの紹介で1年前にメイドとして雇われています

商会にいたので経理が出来るということで坊ちゃまが

事務処理全般を彼女達にまかせたのです」

ミダクド商会! 

この名前には聞き覚えがある

マジバルの攻略本に載っていたこの世界の悪の組織の一つだ

主人公に敵対するのはバラッド君以外にももちろんいて

最終的には魔族の魔王と戦うのだが

それ以外にも

ミダクド商会・ブンダー侯爵・キレル司教などがいる

その一つミダクド商会から来たメイドか

しかも経費が減りだしたのも一年前となると偶然じゃないな


「分かった これは今月とそれ以前の分の経費だ」

アイテムボックスから金貨5枚をとりだして

セントポーリアに渡した

「それと これで食料を買って来てくれ」

銀貨3枚をカトレアにメモと一緒にわたした

これでセントポーリアが奴隷になることはないはず

ミダクド商会は表向きは健全な商売をしているように見せかけて

裏で違法奴隷をあつかっている

バラッドくんはミダクド商会にいいように利用されていたんだ

さてミダクド商会をどうすべきかなと考えていると

カトレアが帰ってきた

「メモに書いてあるもの買ってきましたわ」

「よし、いまから料理をするぞ 

セントポーリア調理場はどこだ」

「ぼっちゃまが 料理を?大丈夫ですか」

「安心しろ料理のスキルを持っている」

俺が作ったのは 前世の記憶で炊き出しといえば

豚汁!

味噌があるのは確認済みだったので

また孤児たちの栄養バランスを考えて作ることにした


「おいちーにゃ!」

ミケやほかの孤児たちも嬉しそうに豚汁をたべている

「とりあえず ローズ 屋敷に戻ったら

クロッカスとダリアを拘束しろ」

ローズはだまって うなずいた


死亡予定日まであと 1078日

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