第3話 理想と現実

鏡の前に立って バラッドの姿を見る

金髪に青い瞳で

ポッチャリというかデブ

おなかがかなり出ている

たしか学園でのあだ名が

ブタ貴族・オークの出来損ないなどと

陰でいわれていた


いまさら 運動や魔法を特訓して痩せようと思っても

3年後には死ぬのだから無駄だと思っていたが

アイリスとの一夜を共にしたが

あまりにも早く終わってしまった

体力が無いせいなのか早漏だったのだ

俺の描いていた同人誌のバラッドくんは

無限のスタミナもつスケベの達人だったのだが

現実はきびしい


公爵家という地位にあぐらをかいて

ろくに勉強や運動をしてこなかった

つけがここに出てきていた


しょうがないスタミナをつけるためにも

すこしは運動をしよう

まずは基本のランニングをしてみるか

公爵家別邸の屋敷は一周2キロぐらいだったので

とりあえず走ってみますか


しかし、半周もしないうちに汗だくで息切れがして

心臓がとびだしそうに激しく鼓動して走るのはやめて

その場にうずくまっていた

「ゼエゼエ 走るのは無理だ・・とりあえず毎日歩くことにしよう」

理想と現実の厳しさを知った


「ウォーキングだけじゃ 運動不足かな・・・

どうもバラッドの体力じゃ剣術や体術はまだ無理だろうし

もともと前世の俺も運動得意じゃなかったからな

前世の俺もできた運動ってなんだろう」

学生時代は漫研でオタクな生活を満喫してたし

体育の授業でしか運動しなかったしな

「あっ そうだ夏休み皆勤賞でラジオ体操で

鉛筆とノートをもらったことがあった

ラジオ体操ならバラッドでも出来そうだ」

ウォーキングとラジオ体操が毎日の日課に決まった


ちょっと離れた場所からメイドのローズが見ていた

「なんか走ったと思ったら 歩き出して

歩き終わったかと思ったら

へんな踊りを始めやがった

バカのやることは わからんな」


まだ転生2日目 死亡予定日まであと1079日


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