第26話 高校生の自殺のニュースを見て俺が思った事
普段俺はセンティアの「ICY BLACK」というメンソールのタバコを愛煙してるが、テリアの緑のメンソールも超うまいぞ。個人的にアイコスはメンソールに限る。天変地異が起きない限り俺はタバコをやめる気はない。
もっぱら紙タバコは吸わなくなった。ゴロゴロしながら吸えたり、パソコンの目の前や店でも吸える加熱式タバコの利便性に目覚めてからは、紙はほとんど吸ってない。
ほんとに、たまに吸うだけ。昔はロングピースっていうめちゃくちゃタールとニコチンの高いタバコを吸ってたんだが、今吸うと吐き気を催す。
◆
早朝から、俺はかなり重いニュースを見た。神奈川の女子高校生が商業施設の屋上から飛び降りて亡くなった。それに巻き込まれた無関係の会社員の女性(32歳)も亡くなった。
背景を何も知らないので、俺は何も書かない。
数年前にも全く同じような事故をニュースで見た。大阪の梅田だったと思う。男子大学生が高所から飛び降りて、それに巻き込まれた10代くらいの女性も亡くなった。
こういう事故に関して思う事はかなり色々あるが、あえて何も書かない。
そういえば今日が「9月1日」である事に気付いた。学校の夏休みが終わる8月下旬から9月1日にかけて、子供の自殺が最も増えるというデータがある。
成人になって逃げ道をたくさん知ってる大人が子供に「逃げろ」と言うのは簡単だけど、具体的な逃げ場なんて誰も提示してくれないし、逃げた先の人生の保証も大人はしてくれない。問題が家族にある場合は尚更逃げ場が無いし、未成年の学生が逃げ場を見つけるのはとても難しいと思う。俺も高校に行けなくなって不登校になった時は、毎日父親から何時間も怒られていた。出席日数がヤバくなった時は、引きずられるような形で無理矢理高校に連れて行かれたこともある。俺は泣きまくって抵抗していた。でも結局は屈して、親父に引っ張られて涙目のまま遅刻して登校した。
生きづらさを感じる若い子が集まるのが、いわゆる今の新宿・歌舞伎町なんだろう。「トー横キッズ」と呼ばれる存在が社会問題になっているが、俺は彼ら彼女らに対して同情的な視点を持っている。10代でも酒とか薬に溺れないとやってられない気持ちは正直よくわかる。そこに集まる子供たちの家庭環境は劣悪である場合が多く、また発達障害や精神疾患を持っていて生きづらさを根源的に抱えている子供が多い。
俺が今の時代の高校生で、生きづらさを感じていたら、同じ仲間を求めてトー横に行ってた可能性も少しはある。でも俺の場合は内向的だからネットで自分の居場所や共同体を見つける事は出来た。
ちなみに、高校を中退したくらいでは全く人生は終わらない。進学したいなら高卒認定の資格を取って大学や専門に行ける。何歳からでも遅くない。毎日学校に通うのが難しい人には通信制高校や通信専門学校や通信大学という選択肢もある。
どん底に落ちたり、先が見えなくなったりすると、今この地点が自分の限界地点のように錯覚してしまうが、実は全くそんな事はない。
でも俺から見たら「いくらでもやり直しが効く」と思うような悩み・状況でも、本人からしたらリアルに死を選択肢に入れてしまうような深刻な悩みだったりする。
「本当に自殺するしかないのか」とめちゃくちゃ真剣に考えると、実は全く自殺する必要なんてなかったりする。でも本人の辛さは周りには見えないから、難しい。
今朝、俺が見たニュースの高校生のような全く面識がない人の自殺は俺には防げないが、俺と少しでも面識がある人の自殺なら俺が防げる可能性がある。死をどうしても避けられないとしても、死ぬ前に一回だけでいい。俺にリアルの世界で直接会ってくれ。酒やメシを奢る金はあるし、悩みや愚痴を聞くくらいなら俺にだって出来る。死ぬにしても、最期に俺に会ってくれ。どうせ死ぬならもうお互いの姿や形なんてクソどうでもいいだろう。人間は血が詰まった袋に過ぎないのである。そもそも全人類が元々は親父の金玉を泳いでいた精子だ。自分の姿や形や声や心に誇りを持て。胸の奥で熱く滾る想いを全て出し切れ。託された想いを全て解き放て。魂と魂でぶつかりたい。
俺も23歳の時に死のうと思って、その前にどうしても会いたい人がいたからリアルで会ってもらった。今でもその人の顔や声や背丈や服装を覚えてる。当時は緊張しすぎて全然話せなかったが、色んな経験を積んだ今ならどんな人とでも普通に話せる自信がある。
結局俺は23歳では死なずに今月の下旬にはもう28歳になる。俺には若さしか取り柄がないと思っていたが、もう大して若くも無い。でもまだ行けるという謎の自信がある。人生と野球は9回裏ツーアウトからだ。どれだけ点差が離れていても俺が負けを認めない限り俺の人生は誰にも負けていない。俺が終わりだと判断しない限り、俺の人生は1ミリも終わっていない。伝説の幕が今上がる。俺は実はまだ1ミリも人生を諦めていない。能ある鷹は爪を隠す。だが能ある俺は爪を隠し過ぎたせいで、今はもう爪の所在が分からない。でも俺はまだ全く諦めていない。
著名人が自殺で亡くなった報道がニュース番組で流れると、必ず「いのちの電話」の番号が表示される。
いのちの電話の相談員は完全なるボランティアで、報酬などは全くない。相談員になるための講習も何度も金を払い受講する必要がある。
俺は高校生の時に「いのちの電話」にかけた事がある。3回かけて、3回とも繋がらなかったから、諦めた。俺のこと何も知らない人に誰にも言えない悩みを打ち明けたって、どうせ当たり障りのない言葉しか返ってこない。
人間いつか絶対死ぬ。死ぬ時、「今まで生きてて本当に良かった」と心から思える夜が一度でも人生の中にあったなら、それで幸せだ。
底辺を知る者は、何気ない幸せの本当の価値を最大限に実感することができる。
とりあえず、本当にマジで心の底から死にたくなった時は、俺になんでも言って欲しい。何も出来ないかもしれないが、何でもやる。会社の上司を殺したいなら、俺が逮捕覚悟で会社に乗り込んで上司ぶん殴りに行くし、家庭に問題があるなら親御さんを直接ぶん殴りに行く。
っていう事は実際には出来ないかもしれないし、あなたも暴力での解決は望まないかもしれないが、だが俺はそのくらいの気持ちで、「死にたい」というあなたの気持ちに寄り添いたいと思っている。
俺にできる事はそれくらいしかない。綺麗事でも何でもない。俺はやる時は本当にやる。
◆
朝、風呂に入って髪が超さらさらになった。今の俺は過去最強に髪が長い。肩には余裕で着く。いつも後ろをゴムで束ねて縛っている。もはやマンバンっていうかポニーテールだ。縛った髪を手でひょいひょい触るのにハマっている。
ここまで来ると、逆にどこまで伸ばせるかの勝負だと思っている。清潔感のカケラも無い。泥に塗れて培った力、今ここに全部出す。テリー・ボガードくらい髪が長くなる可能性もある。
早朝に洗濯機を回したら近所迷惑になるから、朝の10時とかにいつも回す。他人に配慮できてあまりにも偉い。今日はシーツや枕カバーも洗った。
曇ってるけどベランダにシーツは干した。雨が降ったら知らん。
髪が長いから二度寝した。すると、とんでもない悪夢を見た。だが夢の話は不毛なのでしない。
Googleマップのストリートビューで思い出の地を巡るのが楽しい。帯広、名古屋、群馬などの俺にゆかりがある街をパソコンで巡っている。高校の通学路とか見てると苦しくなるが。
高校の帰り道に本屋があった。その本屋には地域猫が3匹くらい出入りしていて、店の中に普通に猫が溶け込んでいた。普通に店内を猫たちが歩いていた。暖かい雰囲気の良い店だったから、よく通っていた。田舎だからこそ猫が自由に出入りできるような緩い店だったんだと思う。店員も優しい雰囲気の人しかいなかった。今もその本屋は存続してるようだ。
バンドのライブに行く時なんかは知らない場所まで遠出するから、これからはGoogleマップのストリートビューで会場までの道を予習する。
◆
酒とタバコと精神薬に溺れて、俺はゴミ同然の男になった。俺自身がそうだからか、発達障害や精神疾患にはかなり詳しくなった。全ての発達障害や精神病について俺が勝手に勉強しまくった。
早く死にたい気持ちがよくわかる。消えたくなっても生きているのだろう。惰性もあるかもしれないが、真面目で他人の気持ちが理解できるから、まだ死なずにいるのだろう。
俺を置いて日々は巡っていく。でも実際には、日々は俺だけではなく、あなたも置いて巡っているのかもしれない。
金だけあっても意味が無い。人間は社会性の動物なので、心が孤独だと金だけあっても意味が無い。
俺は今日、だるかったけど洗濯物を干したから、この1日に満足した。やれることはやった。
次回に続く
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