第20話 俺はいつ死んでもいい
こないだ日雇いの単発バイトをやった。疲れた。散財した分の金はペイできたぜ。俺は龍が如くの春日一番のフィギュア買っちまった。萌えキャラのフィギュアとかじゃなくて、ヤクザのおっさんのフィギュア。出来が良くて感動している。このフィギュアは右腕のパーツを変える事ができる。有刺鉄線が巻かれた金属バットを持ってる腕に変えた。春日一番は「龍が如く7」の主人公の、赤のスーツと超ツイストヘアーの顔が濃い40代のおっさん。超かっこいい。人間性がめちゃくちゃ好き。7の春日は桐生一馬より好きかもしれん。
俺は障害年金をもらって生きてるが、それだけじゃ生きられないから、たまに単発の日雇いバイトをする。恥ずかしい話、毎月、母親から数万もらってる。これからどうしたらいいのか、はっきり言ってわからん。今まで俺はずっと「行き詰まったら自殺すりゃいい」と思ってきたけど、何度も自殺に失敗する中で「俺は絶対自殺できない」と思ってしまった。遠い将来、俺はアパートの家賃も払えなくてホームレスになるかもしれない。そしたら、頑張って探して、住み込みで、住所が無くても働ける仕事を見つけたいと思う。
俺は、いつ死んでもいいと思っている。背負うものが何もない。
酒を飲みまくって腹が痛いし、気分が悪い。
正直言って、俺は書きたいことも何も無い。だけど何ヶ月も俺が何も書かなかったら、俺の存在そのものがみんなに忘れられてしまいそうで、それが怖いので空っぽの心から何かを絞って、文にしてネットの海に放流する。俺はカラカラの雑巾をなんとか絞って、まだ水滴が出てくるんじゃないかと思っている。が、特に何も出てこない。
世の中の何もかもが、くだらなく思えて仕方ない。心理学や哲学を学んだり思想家の本をたくさん読んだけど、結局なにもかもめんどくさくてどうでもいい。結局は俺が直面する物事を本能でどういうふうに捉えるかだ。どんだけ理論武装しても本能には勝てない。酒で酩酊してタバコで気持ちよくなって精神薬を飲んで眠剤を飲んでいる。お前が考えていることはすでに俺も考えている。俺が考えていることは既にお前が考えている。年齢や時代は関係ない。俺が考えてる事を既にお前が考えていて、お前が考えてる事は、既に俺が考えていた。すでに太古の昔から。
◆
全部どうでもよくなってきてしまった。
◆
早く死ぬことが悲しいとは思わない。ずっと死にたいと言い続けて、本人がずっと苦しみ続けて、そいつは自殺した。俺はそれは不幸だとは思わないです。もう生きたくない、もう生まれたくないっていう祈りが天に届いて死ねたんだと思います。だから俺がそいつに送る言葉は「お疲れ様」意外にありません。富山県の墓まで墓参りに行って、墓をタオルで拭いて、ビールを供えたりしました。俺が心の中で彼女を忘れない限り、彼女は俺の心の中で死ぬ事はありません。今年は俺のおじいちゃんが死んじゃって、その関係でちょっと忙しくて、富山の友達の墓参りには行けなかったけど、秋になったらまたビール持って墓まで会いに行きたいと思ってる。
いつか俺が死んで宇宙の果てに導かれたら、宇宙のヒモ理論で俺は出会いたい人みんなに会えると思う。無根拠だが、そう信じてる。死んだ奴にまた会えるって俺は信じてる。
◆
今、俺は米を炊いてるぞ。
適当に酒を飲みながらキムチと一緒に米を食べたい。キムチはめっちゃ好き。
、
次回へ続く
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