第10話 髪型をマンバンにした。

髪が長え。と思い、思いきってマンバンにした。


引きこもりは男女関係なくセルフカットしてる人が多いんじゃないかと思う。俺は美容院そのものが苦手なのでいつも自分で切る。あと、他人に髪を触られるのが苦手で、手が近付いてくるとめっちゃくすぐったく感じる。


サイドと後ろの一部を風呂場でバリカンで刈って、マンバンにした。髪を上げて後ろにやってゴムで結っている。サムライみたいで良い。肩に髪が付くくらい長いから余計サムライに近い。ろくにセットしなくて良いから楽だ。進撃の巨人の物語終盤のエレンみたいな髪型でいいわ。


「マンバン」で調べると、今の俺の髪型が出てくる。今までの無造作な髪型を辞めた事により俺の威圧感が増した。サムライのスピリットを俺は忘れないように生きたいと思っていた。久し振りにサムライの心を思い出したわ。


俺は気分的には既に僧侶であり、なおかつサムライである。お香を焚いて坐禅を組んで瞑想している。もし大切な人が襲われそうになったら、部屋にあるエレキギターを刀の代わりにして倒しに行く。「勝負の世界は生きるか死ぬか」だ。俺は幼少期からそのように父親から任侠道を教えられてきた。(俺は任侠の世界に生きた経験はない。でも幼い頃、殴られたら殴り返せと言われた。小学生の低学年の時、軽いいじめに遭っていた。殴られたから同級生を殴り返した。そしたら解決した)


よく野球について書いているが、俺が野球を始めたのは小学3年の時だ。友達に誘われて少年野球を始めた。D君という人とは親友のような関係になった。彼は高校生になると工業高校の野球部に入ってヤンキーみたいになった。俺も地元の高校の野球部に入って、駅のホームでたまたま会った時はよく喋って、そのまま近くの定食屋のラーメンや焼肉を2人で食いに行った。


高校生になるとD君はヤンキーになり、俺はかなり大人しくなったが、昔から幼馴染で、ずっと仲は良かった。


ちなみにD君は今は結婚して子供もいる。かなり若い時に結婚してた。おめでとうと短いLINEを送った記憶がある。


今年で28歳になるから、おれの色んな同級生が結婚してる。


俺はもう地元からも遠く離れて、1人で生きてる。死ぬまで1人で生きてく覚悟は決まってる。


俺が昔の思い出ばかり書くのは、今を生きてる事が辛いからだ。



何年も前から、引きこもり支援を個人でやっている人のお世話になっている。その人が紹介してくれたNPO法人と俺は繋がりを持つかもしれない。政府のなんとか省? に認可された組織らしい。代表や構成員含め、みんなASDを持っているそうだ。本来支援を受ける側の立場だが、このNPO法人はむしろ逆で支援する立場だ。貧困の家庭の人に食べ物をあげたり、着なくなった古着をあげたり。他にも色々してるそうだが、俺も詳しいことはよく分からん。こども食堂みたいな活動もしてるっぽい。見学に来ないかと言われたので、今度行ってみようかなと思う。一軒家に3人で住んでるASDの人たちが運営してるらしい。ルームシェアしてるそうだ。


ちなみに何度も書いてるが、俺もASD当事者です。


俺は引きこもり支援を個人でやってるその人(仮に名前をAさんとする)をかなり信用している。Aさんは俺の最後の砦のような存在だ。仮に俺がいつか天涯孤独の身になっても、そのAさんさえいたら何とかなると確信している。何があってもAさんは俺を絶対に見捨てない。



今日は頭がめちゃくちゃぼーっとしていてずっと横になっていた。目を閉じていたが全く寝れなかった。めまいも酷かった。薬は効かない。前から持ってた、めまいに効く漢方も飲んでみたが何も効かない。


こうなるとしばらく何もできないかもしれない。酒を飲むのもだるい。タバコ吸っても味がない。大好きな音楽も今は耳障りだ。カーテンは閉め切って真っ暗にして、何も音が鳴らないイヤホンで耳を塞ぎ、屍のように横たわっている。はっきり言って文を書くのも面倒だが、こうでもしていないと、俺は本当に死んでいるのと何も変わらない。だから文は書きたいと思っている。ネット越しとは言え誰かと繋がりたい。これはリアルでほとんど誰とも繋がれない俺のわがままだ。


今日は、昨日スーパーで買ったアジフライと、冷凍保存してた米だけ食べた。保温を切った炊飯器にずっと米を入れてると腐るだろうから、できるだけ今の時期は早めにラップに包んで冷凍庫に入れるべきである。


日課の早朝ランニングも今日はできなかった。風呂と歯磨きくらいはちゃんとしようと思って、風呂に入りながら同時に歯磨きしていた。体を洗い、風呂から出るのに2時間もかかってしまった。めちゃくちゃ指がふやけた。


服や下着やタオルはとりあえず洗濯機の中に放り込んでおいて、元気がある時にまとめて回す。


生きる気力の残高が底をついた時、音楽や文章なんてクソの役にも立たないと10代の頃は思っていた。でも社会の底辺に落ちた俺は音楽に救われて、色んな文章に救われた。


独りの世界には仲間がたくさんいる。同じような人ばかり。


生きるのが面倒で、何も嫌な事は起こってないのにメンタルが落ちてきて悩んでいる。、


何もしたくない、誰とも会いたくない気持ちが強い。死にたいまではいかないけど、無の境地に陥っている。冷蔵庫の中身がほとんど無い。納豆とたまごと出来合いのサラダがあるくらいだが、買い出しに行くのがめんどくさい。


でもそれをこうやって文に書き起こす事で俺自身は発散になってる。読んでる方がどう思うかは分からないが、少なくとも俺は良い効果がある。


エミール・シオランという思想家がいる。彼の厭世観が極まった思想にかなり共感する面もあるのだが、個人的に俺はそこから一歩前に踏み出した思想を持って生きたいと思う。死ぬまでずっと暗いだけの人生は、単純につまらないからな。俺は9割の絶望と1割の希望を持ちながら生きようと思う。





次回に続く

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