第8話 年々、専業主夫力が上がってる

 深夜の1時半くらいに寝て、5時半くらいに起きた。今日は悪夢を見なかったから良い目覚めだったが、既に湿度が高くてジメジメしてて、体が汗をかいていたのでシャワーを浴びて着替えた。


 鬱になってから俺はできないことがかなり増えた。ブレインフォグが何ヶ月も続いて、何も出来なくなった。でも今の俺は回復していて、基本は何でもできる。薬を飲めば眠れるし、本も読めるし音楽が聴けるしゲームができるし外に出て買い物もできる。ギターも弾ける。カラオケに行ける。そんな小さな幸せに感謝する。ちょっとずつ、ポジティブになってきた。


 最悪な状態や状況は永遠に続くわけではない。


 俺自身そうだが、精神疾患がある。完治はせずとも寛解はする。再発する確率も高いけど。人生は波の連続だ。


 俺は発達障害もある。これは死ぬまで治らないが、失敗体験を繰り返すうちに学習して改善できるようになった。たとえば、こんな時にこんな事を言ったら相手は傷つくんだな、みたいな経験をして学んだ。(俺に傷つけられた人はたまったもんじゃないと思う。申し訳ない)


「足るを知る」ことも大事だ。俺は諸々諦めた。たしか足るを知るのも仏教の教えだったような。なんだかんだ俺の思想の根っこに仏教は根付いてる。


 お香、坐禅、瞑想は毎日やってる。


 叶う恋より叶わない恋の方が圧倒的に多い。少なくとも俺の体感では。


 記憶の中にいるあなたがだんだん薄れていっている。


 syrup16gの「生きているよりマシさ」って曲を聞いてると、昔の失恋を思い出してしまい、たまに泣く。あと「センチメンタル」を聴いても泣く。syrup16gはマジで俺の人生に必要であり、死ぬまで聴くと確信がある。


「俺が思ってる事をここまで一言一句たがわずに言語化してくれるアーティストがいるのか!!!!」と衝撃を受けた最初で最後のアーティストがsyrup16gの五十嵐隆だ。死にたい俺を生きたくさせてくれた。


 そういう人がこの世で死を選ばずに今も生きてるというだけで嬉しくて、俺は生きる活力が静かに湧いてくる。


 syrup16gとの出会いは高校時代だ。学校帰りに何となくTSUTAYAでベストアルバムを借りたのがきっかけだが、当時はそこまで俺にはハマらなかった。


 でも専門学校を中退したり会社を辞めて、引きこもりになったりニートになってから、久しぶりにsyrup16gを聴いてみたら、俺はボロボロ涙を流した。


 一歩も外に出る事が出来なかった俺が、ライブを観に行きたいと思って遂に外に出た。死ぬまでにどうしても生でsyrup16gを聴きたかった。初めて観た時、俺は泣いてしまった。


 結果的に、通算でもう15回から20回くらいシロップ16gのライブに足を運んでいる。


 シロップの曲は全て歌詞を見ずに歌えるから、もし頼まれたら俺がステージに立って歌っても良い。ファンからは非難轟々だと思うが、少なくとも俺はステージに立ってシロップの曲が歌えたら幸せです。ちなみにギャラは1円も要りませんし、交通費も要りません。


 ◆


 俺が昔の会社を辞める時、常務からの俺に対する人格否定がめちゃくちゃ酷くて、当時はその場で泣きまくったが、今思えばしっかり録音しておいて労基に提出して常務の人生を潰しておけば良かったとも思う。俺の常務に対する怨恨は半端ない。めっちゃボロクソに言われた。


「病んでる奴はみんな手首切るんだよ、でもお前は手首切ってないだろ?」

「お前なんてこの会社を辞めたら他じゃ犬・猫の扱いしか受けないよ」


 みたいなことを言われまくった。常務のクソエピソードは他にもあるが、思い出したくもない。一度くらい、ぶん殴りたかった。


 でも当時は19とか20歳で、そんなことを考える余裕さえなかった。俺は職場でよく手首を切っていた。


 まあ、あの常務は大企業を左遷されて小さいうちの会社に来た奴だから、元の会社でもみんなに嫌われてたんだろうな。


 過去の事を考えても仕方ない。でも今もたまに夢にあいつが出てくる。うざくて仕方ない。


 キリストが「汝の隣人を愛せよ」と言ったが、どうしても愛せない人もいる。パワハラだのモラハラだのしてくる上司は愛せない。


 ◆


 最近はアパートの更新の手続きや書類のことで忙しい。金も64000円くらい吹っ飛ぶ。それに加えて通常の家賃も払う。


 あと毎日お香を焚いて坐禅を組んで瞑想してるので忙しい。


 あと朝はランニングや散歩で忙しい。


 あと東京タワーの先端に立ってジャンボリミッキーを踊りたくて忙しい。まずジャンボリミッキーの振り付けを覚える為にキャストのお姉さんの動画を見る必要があって忙しい。東京に行く必要もあって忙しい。


 あと寝るので忙しい。


 料理も忙しい。


 何もしない、をする事にも忙しい。


 スカイツリーの先端に立ってジャンボリミッキー踊るのも悪くないんだが、スカイツリーの先端は平面だからロマンが無い。東京タワーの先っぽは針のように鋭利なので、踊り甲斐があるわな。


 ◆


 昨日、亀の水槽を洗って水を交換した。定期的に小石を全て洗って水を交換する。水道水は亀にとって毒なのでカルキ抜きも入れる。あと甲羅干しも1日に30分くらいする。かめの甲羅もよく洗う。


 うちのクサガメは5歳だ。年々デカくなっている。


 スケボーに乗るクサガメの動画がしばらく前にバズっていた。俺も小さいおもちゃのスケボー買ってみたい。亀のおもちゃって中々ないからな。


 よく風呂場で亀を遊ばせている。


 天気が悪くて甲羅干しや日光浴が出来ない日は、水槽に取り付けてあるライトを点けて太陽代わりにする。当時カメを買った店の店員によると、ライトは大切らしい。


 亀も俺の大事な家族だ。俺が死んだら亀の面倒、誰が見るんだ。


 ◆


 ダイソーに燻製を作る道具が売ってるらしい。あと燻製を作るためのチップも100均にある。俺は燻製たまご作ってみたい。燻製カレーも作る。というか燻製カレーの付け合わせに燻製たまごがめっちゃ合いそう。


 煮卵を燻製にしたらうまいんじゃないかと思うわ。カクヨムのコメントの方で「私は燻製たまごをよく食べてました」って言ってた方がいたので、俺も興味が湧いた。コンビニで買ってみたら美味かったから、自分でも燻製を始めたいと思った。


 あと、らっきょの燻製もうまそう。マッシュポテトを燻製して燻製コロッケにするのも良さげ。


 とりあえず、燻製カレーと燻製たまごを作ってみる。


 アルミのボウル×2とふるいとアルミホイルと燻製チップくらいしか用意する道具はない。千円以下の初期費用で燻製は作れる。


 面倒だが手料理は楽しいので、趣味としておすすめ。


 最近、酒を飲んでるから食事は一日一回にしてる。今日は6本入りの短いちくわと塩えんどうと4個入りの春巻き、あと白米。ちくわは酒のつまみになるし安い。春巻きはスーパーで税込194円のやつだ。


 野菜はパックに色々入ったやつしか基本的に買わない。野菜も高いんだもん。今年は梅雨が短かった上に歴史的酷暑だから来年以降もっと野菜は高騰すると思う。米も高騰する。


 海温も上昇し続けていて、日本で獲れる魚が年々変化している。さんまは昔かなり安くて食卓にもよく出たけど、今となっては高級魚で、身も小さくて買う気にならない。さんまが日本の海を通らなくなったらしい。


 俺はよく余ったもので炊き込みご飯を作る。サバの味噌煮の汁とか、捨てるのが面倒だから炊飯器に米と共にぶち込んで炊き込む。少々下品かもしれないが、1人暮らしだからセーフ。


 ケンタッキーフライドチキンの炊き込みご飯が美味しいらしいが、もったいなくてやった事ない。ケンタッキーは普通に食いたい。


 ちなみに普段は親戚が米をくれるのだが、今はスーパーで購入した新潟のコシヒカリを使ってる。


 俺の主夫スキルは年々上昇してる。俺を家政婦として雇ってもいいぜ。仕事なので金はしっかり受け取るが、なんでも家事をやる。必要ならいつでも俺をデリバリーしてくれ。


 カレーだけでも俺は色々レパートリーがある。そば屋によくある和風カレー、今なら夏野菜カレー、あとカツカレー。あと燻製カレーも作る。トマトを入れまくった無水カレー、あと水の代わりにリンゴジュースを入れた超甘口のカレー。あとキーマカレーも作った事ある。


 バーモントカレーみたいな市販のルーが1番楽だが、スパイスとか調味料を全部揃えて自分でルーを作るのも楽しかった。


 あと中華料理にハマった。激辛の麻婆豆腐やジャージャー麺、あと台湾ラーメンも作った。調味料を揃えまくった。


 今の時期は冷やし中華とか作るといいかもしれない。スーパーとかコンビニで弁当買った方が美味いかもしれないが、自分で作ると暇潰しになるから良い。錦糸たまごを作るのは簡単。薄く伸ばして薄く切るだけ。冷やし中華に手作りのチャーシュー入れるのもうまいけど、わざわざチャーシュー作るのは面倒だから、ハムの千切りでも良い。





 次回に続く

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