第41話 生命外の超理法則
巨大な液状ガラスのような存在が、数キロ先に姿を現す。
全長40メートルにも達するその怪物は、薄い青色の輝きを放ちながら絶えず形を変えている。
怪異の神には及ばないものの、ほとんどのナンバーズを上回る圧倒的な力を感じる。
「先生!!中心が光ってます!!あれは何ですか!!」
「高エネルギー反応……全員、伏せるのです!!スーツのシールド機能をオンにしなさい!!」
「ル、ルーク!!」
「ダメだ......動くなルシア。」
その光線はエネルギー量からして、一撃で数キロを灰にするほどの威力がある。
そんな威力の光線を地下で許してしまえば、想像を絶する被害をもたらすだろう。
でも大丈夫だ、運よくここには私がいる!人類最強、朔月ムーノの名に懸けて、誰一人として死なせない。
今は正体がどうこう言っている場合ではない。私の使命はただ一つ、人命を守ることだ。
「月乃ちゃん?」
「ごめん……サクラ。実は私が……」
だが、私が告白しかけたその瞬間......サクラは突如気絶してその場に倒れ込んだ。
「よし、とりあえず気絶させた。他の人へのフォローも僕に任せて。」
「お願い……私たち今、大きな力を使えない事情があるのよ……」
「謝らないでください……充分です!ここは地球です......地球は私が守ります。」
私は6つの異能をフル稼働させて防御態勢を整えた。
創造、護光結界、条理超越、模倣・吸収、運動エネルギー操作、最悪の場合に備えて回生と融合も発現させる。
転移で敵の目の前に飛び出すと、私の姿を見た周囲の人々が歓声を上げた。
「ムーノ様だ……みんな、ムーノ様が来たぞ!!」
「助かった……」
「生ムーノ様初めて見る!なんて凛々しいお姿!」
余裕のない状況で、彼らの無邪気な声が耳に響く。だが、今はそれどころではない。
敵のエネルギー量は次第に増していき、私は急いで四層の光壁を展開した。
この結界はエネルギーを吸収するよう改造を施してある。
――そして、ついに赤い閃光が敵から放たれる。
「四層護光障壁!!」
しかし、結界と光線が接触した瞬間、私は異変を感じた。少しづつではあるが、光線は結界をすり抜けてこちらに侵入してくるのだ。
異能をどれほど強化してもまるで意味を成さない……。まるで、存在しているベクトルが違うような.......そんな違和感。
「何これ!!どういう事!?威力は大したことないのに……」
「キュィィィィィィィン。」
「このままじゃ……不味い!」
これは未知の力......強弱の問題ではなく、私たち人類の知らない新たな何か。
これほど弱い攻撃を防げないなんて……そもそもこの『アンダーシブヤ』が見つかった時点で気付くべきだった......
明らかに地球と違う法則の上に生きている!!すると通信機から聞き慣れた声が響いた。
「朔月!?もう現場に来てたの?折角ローマからすっ飛んできたってのに!」
「ラナ!!話はあと!!光線を射出している回転部を破壊して!!」
「……任せなさい!新技の実験台にしてあげようじゃない!!」
「お願い、よろっ!!」
ラナの到着で少しだけ安心する。正直、他のナンバーズが駆けつけても、お荷物が増えるだけだ。
しかし、ラナなら戦える。そして彼女の異能が前方に集束するのを感じた瞬間、無数の見えない刃が生まれた。
「空間断絶・万煉斬!!」
超高速で射出された刃が、光線の発射部分を容易に破壊した。
その刹那、光線は既に放たれていた四つの球体もも不可解に消失した……。
地球の光線とは異なり、まるでその移動経路が消え去ったかのようだ。
この攻撃は、完全ではないにせよ、通常の移動の概念を一部無視している。
「こんなこと、言いたくないけど……正直助かった!」
「ぅっ……当然よ!あたしを誰だと思ってんのかしら?」
「悪いけどあと、もう少し協力して!」
「共闘ね......いいわ!特別に協力してあげるんだから!」
退怪術士序列1位と2位......最強ダッグでの共闘が始まった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★
どうもこんにちわ。G.なぎさです!
ここまで読んでくださりありがとうございます!
現れた未知の脅威......実力事態は月乃の方が上だが、
その不可解な法則に月乃は驚きを隠せない。
そして遂に始まる、ムーノとラナのタッグ共闘!決着の行方はいかに??
面白い、続きが気になる!と思った方は【応援】や【レビュー】をくれると超嬉しいです!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます