第39話 垣間見る「神の力」






 ――――最後の授業になっちゃった(´;ω;`)――――



 最後の授業中、ふと私はある違和感に気づいた。



「あれ?サクラは?」



 さっきまで隣にいたはずのサクラの姿が、突然消えている。

 トイレにさえ私を連れて行っていたサクラがいないなんて、明らかに異常だ。


 そして私の両端には『神』である二人──ルシアとルークが座っており、私はその二人に板挟みにされている。

 そして何より、この状況にに気付いたのが今だという事実が、事態の異様さを物語っている。



「さて、話をしようか、希守月乃。いや……特異点、朔月ムーノ」


「もう気づいているでしょう?私たちが何者なのか。」


「サクラは……どこですか?」



 周りの時間が止まっている。まさか......というの?

 でもなんで?サクラを人質にでも取るつもりなの?

 私を相手に人質を取るなんて普通は考えられないけど……この二人ならそれも可能だ。



「人質?まさか。一撃で地球を木っ端微塵にできるのに、わざわざ人質をとる意味ないだろ?」


「で、では……何が目的なんでしょう?」


「聞きたいことは一つだけ。怪異の神との戦い……あれが本気だったのか、ムーノ?」


「え……?」



 私は生まれてこの方、味わったことがないほど絶望を感じた。

 まるで自分の存在意義が一瞬で失われたかのような、言い知れぬ恐怖が胸を締めつける。

 それでも今は、サクラに危害が加わらないよう、冷静を装って立ち回るしかない。



「……一応、限りなく本気に近いです」


「はっきり答えろ。この状況で発言を選べる立場だと?」


「……うちのルークがごめんなさい。でも私たち、今は時間に余裕がないの......」


「……全力です」


「そうか……正直がっかりだ。」


「……!?」



 血の気が引き、胸が締め付けられる。消えてしまいたい。そんな感情が湧き上がる。

 どうしてそんな風に感じてしまうのかは分からない。ただ、どうしてもこの人に失望されるのが恐ろしい。

 でも......犠牲者を一人も出さずに勝った私の何がいけなかったの……?



「ルーク、まだ決めつけるのは早計よ。彼女の異能には、が関与している可能性がある。」


「確かに一理あるよ。でも、このまま地球に滞在し続けるのはリスクが高すぎる。それは分かってるだろ?」


「そのリスクを取る価値が、この子にはあるの。それは私が事前に提示したデータで分かってるでしょう?ここは私の職場なのよ?」


「分かったよ。君を信じて、しばらく様子を見る。」



 一体、何の話をしているの?何がどうなっているの?

 そういえば、怪異の神も言っていた……ルシアさんが干渉してこなかったと……

 もしかして神々の国に、何か大きな事があって事情が変わったのかもしれない。



「……私は」


「気にしないで。私たちの期待に応えられなかったからといって、あなたの価値が変わるわけじゃない。あなたは既に人類の救世主であり、希望なのだから」


「……はい」



 その言葉を受け止める間もなく、学校中に非常事態警報が鳴り響いた。



【緊急事態発生!緊急事態発生! 渋谷要塞都市に、の上位怪異を確認!学生の方々は至急応援出動をしてください……】



「上位怪異……隠語です。これは伯爵級以上.......。でも未確認なんて初めて聞きました。」


「どこ!月乃ちゃん!!......ごめん!!私どうしてか一人でトイレに......」


「サクラ……良かった......」


「まさか……よし、とりあえず行こう!」


「そうね……これは、もしかすると怪異じゃないかも……」



 私たちはすぐに現場へ向かった。しかしこれまでとはどこか違う、不穏な空気が漂っている。

 ふと隣を見ると、サクラの顔には冷や汗が滲み、息も激しく乱れていた。


 怪異と相対してまだ数日......私は知ることになる。

 怪異とは別の新たなる未知の脅威を―――







 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★


 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 ここまで読んでくださりありがとうございます!


 不穏な質問と朔月の不自然な情操の乱れ......

 なんとあれだけ『人間』を超越した力を見せたのに、ルークは失望してしまった?


 そして現れる怪異以外の脅威とは??

 

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