第27話 緊急臨時ニュース
目が覚めると......隣には裸のサクラがスヤスヤと眠っていた。
「.......ん?」
もう一度目を擦って、隣のサクラを二度見する。
「んん!?」
そして気が付く......私も服を着ていないという事に!!
待って待って待って!?何があったの!!昨日の記憶が全然ない!!
映画を見て......クレープ食べて、ケーキバイキングで盛り上がって......あれ???
てかここ......ラブホテルじゃん!?
なんか......都市伝説でしか聞いたことのないゴ、ゴムらしきものが......
こうなったら『異能』で昨日の記憶を蘇らせるしかない!!!
「......サクラに限ってまさかね?『異能・完全鑑定by私!記憶抽出!!』」
そして昨日の記憶を見た私は......心の中で発狂した。
な、なんか見たこともない凄いキスされてる!?
これってその......そういう事の前以外ダメなキスじゃないの!? ※月乃はピュアです。
するとサクラが目を覚ます。
「......あ、月乃ちゃんおはよ!!」
「お、おはよ......」
ちょっとサクラ!? 寝起き良すぎるにもほどがあるでしょう!!
一秒でパッと目覚めれるなら、どうして寝坊で単位落すの!?意味わかんない!
「あー!良く寝た!今日の授業は......うん!休んでも大丈夫なのだよ!」
「え?私も休む前提?......あと休んで良い授業なんてないから!」
「え?単位は落とさないから大丈夫だよ!」
「それは最低基準なの!どういう思考回路で学生やってんの!?」
そうだここ最近......『朔月のムーノ』視点のサクラばかり見て忘れていた。
基本的にサクラはこんな感じの、ポンコツな女の子だ。←こいつにだけは言われたくない。
「とりあえず電話したよ。」
「はや!?てか私まで巻き込まれてない!?」
私が一人で突っ込みを入れているうちに内に......
驚くべき事に、サクラは学校への電話を終えていた。......しかも二人分。
「うん。今日もデート続行だよ?」
「......ぐ。サボりへの罪悪感が。」
「ようこそ~。こっち側へ!」
「勝手に連れてかれただけ!むしろこれ誘拐だから!!」
しかし......その日のデートはすぐに終わることとなった。
―――ホテル近くの流行りのカフェにて―――
「このカフェのモーニング……思っていたより微妙かも。」
「そう? 全然食べられると思うけど……」
「私がこのベーコンを使うんだったら、もっとパン生地を重くして……」
「ンフフ……」
サクラは、父親がシェフということもあって、料理に関しては少しうるさい。
もちろん、彼女がシェフ並みに料理ができるわけではないけれど、幼い頃から培った感性と、料理への情熱がある。
私はそんな料理について、真剣に語る彼女を見るのが好きだ。
サクラが夢中になっているその姿は、どこか安心感を与えてくれる。
「うーん……」
「じゃあ、今度サクラが作ったの食べてみたいな。」
「うん! 任せて!」
「やったー!」
その瞬間、カフェテリアのテレビが突如臨時ニュースを流し始めた。
【臨時ニュースをお伝えします。北太平洋沿岸にて、公爵級の大怪異が複数体確認されたとの情報が入りました。近隣住民の皆さまは、ただちに地下シェルターへ避難してください。】
「サク……」
「ハァ……ハァ……」
「サクラ!ちょっと、トイレ行ってくるから避難先で待ってて!」
「ちょっ ダメ! 月乃ちゃん!私から離れないで!」
公爵級の怪異が複数確認されるなんて……
しかも、北太平洋……これは多分、ゼルおじぃが担当している任務!
でもどうして?報告だと子爵級複数体だったような......
とにかくおじぃが危ない!私は焦りのあまり、サクラの前で自分を隠すことすらできなかった。
私はサクラから素早く離れ、ムーノとしての行動を始めた。
【サクラ、ムーノよ?ニュースは見たわ。最速で向かうから、あなたは避難してなさい。】
【ムーノ様! 月乃ちゃんとはぐれちゃって!】
【月乃は私がなんとかするから、心配しないで。とにかくラナと連携を!早く!】
【ッ……分かりました。信じますよ!ラナちゃんへの指示は任せてください!!】
焦りで頭がいっぱいだった私は、嘘を考える余裕もなかった。
家族同然のゼルおじいちゃんが危機に陥っていると思うと、動転してしまう。
私は、一刻の猶予もないと判断し、格納庫に戻る時間すら惜しんで現場に急いだ。
異能『創造』と『運動エネルギー操作』を駆使して、国土から一定の距離を取る。
「『異能・創造』小型原子力爆弾……圧力プレートも追加。」
オリオン計画――その詳細は省くが、核爆発のエネルギーを推進力として進む技術だ。
これは、今の私が使える最速の移動手段であり、地球を破壊しない範囲で実行できる限界だ。
「お願い……間に合って!」
核爆発のエネルギーで推進力を得た私は、瞬く間に広大な海を超えていく。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★
どうもこんにちわ。G.なぎさです!
ここまで読んでくださりありがとうございます!
ちなみに月乃はファーストキスでした。まさかの初めてが○ィープキス!
そして迫る月乃の運命とは? 怪異の神は再び降臨してしまうのか!?
もし面白い、続きが気になる!と思った方は【応援】や【レビュー】をしてくれると.....超嬉しいです!!
何かあればお気軽にコメントを!
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