第13話
……これが、俺の運命なのだろうか。見慣れた自室、見慣れた超常現象、そして、見慣れた俺の手。
全てが馬鹿馬鹿しく思えて来た。この状況は一体何なのか、もはや探求する事すら億劫だ。こうなったら、最終手段を使おう。
「…………」
俺は学生鞄の中から携帯電話を取り出し、とある連絡先に電話を掛けた。
こんな状況をすんなりと飲み込んで、俺の為に尽力してくれるであろう人。そうそう居ないであろう存在が、幸いにも身内に居るのだ。
『ういうい~、どったんお兄』
我が妹である。
「かくかくしかじか」
『把握』
なぜわかるのかはあえて聞かないが、彼女は大体のことをこの8字で把握してくれる。以心伝心というやつである。
『まずお兄は今その悪魔とか天使と同様に記憶を持った状態でループしていると思われるのよね。ってことはお兄は多分今人外なんだよね。だから妹としてはまず病院で検査を受けることを勧めるよ』
こんな時に身体の心配をされても困るのだが、とは思ったが、確かに。もし俺が精神異常を原因とした幻覚を見ているとしたら、まずするべきは専門家への診察依頼である。
そうと決まれば即行動である。
結論から言えば、身体に異状は見られなかった。
次こそ妹に――
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