第11話

 ……顔面蒼白、というのは今の俺の事だろう。なんだこの街は。一体何がどうなってこうなってるんだ?!

 取り敢えず状況を整理しよう。現状分かっているのは、お隣さんの動木ゆるぎちゃんが悪魔らしいこと、大天使がエンドリシェアという名前らしいことと、名前も知らないあのボーイミーツガールした少女が人外っぽいこと。

 ……もうやだ。おうちにかえりたい。って言ってもここが俺の家なんだが。何回も不法侵入されてるけど。


 そうやって状況を整理しているうちに、俺は首を傾げる。前述の三人…人?がおとなしい。取り敢えず動木ちゃんに接触してみよう。


 そうしてドアを開けて、動木ちゃんの201号室に行くと、中からうめき声が聞こえた。


「おい! 動木ちゃん!? 大丈夫か!!!」


「ん~! んむ~!!」


 うめき声でしか返ってこない。何が起こっているのか分からないが、これは管理人さんを呼ぶべきだろう。そして、俺は1階へすぐに駆け下り、見てしまった。


「管理人…さん…?」


 101号室、管理人さんの住まい、その扉の前に。

 赤黒く染まった美形の顔立ち。血が染み付いているだぼだぼの白いTシャツ、黒いパンツ。管理人さんがそこにあった。


「嘘だ……嘘だ嘘だ嘘――」

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