第4話

 ……ふぅ。深呼吸、深呼吸。

 さすがに3回も死ねば慣れる。気持ち悪さは合っても、落ち着けられる。

 全身を揺さぶって、確かに生きていることを確認した。


「……どう動こう」


 これは、恐ろしい状況だ。取り敢えず現状を整理しよう。

 今日は6月11日。天気は快晴。今は午前7時30分で、俺は御剣みつるぎ学園の一年生で、着替えて朝飯を片付け終わって歯磨きに行こうとした時に自称大天使が出て来て変な呪いをかけた。

 ……なんでこうなったんだ。


 とりあえず、面白いことをしなければならないらしい。

 であるならば、先ほどのように家で時間を潰すのは悪手と言えるだろう。俺は、歯磨き顔洗いを省略して靴を履き、玄関から一歩踏み出す。


「……清々しい青空だな」


 俺は一歩を踏み出す。このアパート、【徒然荘つれづれそう】の204号室から出て、ゆっくりと歩みを進める。


「あ、斜森さん」


 すると、201号室から、茶髪ポニーテールのくりくりした黒目が特徴的な少女が、ベージュ色の制服を着て現れた。


「どうも」


「今から学園ですか? でしたら、是非ご一緒に」


「構いませんよ」


 彼女の通う学園もまた御剣学園である。御剣学園は、中高大一貫校であるからして、こうして歳も性別も違うお隣さんとも――

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