スタッフは忙しいってさ、知ってるよね

この作品はフィクションです。似たようなコンクールとかありますが、偶然の一致です。ホントですよ。

だから一切関係ありません。


*


えーなになに。1日9時間くらいの拘束でー音楽に触れ合えるボランティア・・・?

うわぁーやりたく無い。


「そんな触れ込みだったのか」


「何も考えるな。強豪校に進学した宿命よ。それに暗転のたびに高校の名前入りのシャツが良い宣伝にもなるわよ」


・・・宣伝効果ね いやうちらの場合、もういらないでしょ。


「ぶつくさ言わないでとっとと運べ!」


「はーい!」


*


(えーと、今の学校が40人。

次は20人だから・・・)


「20脚減らせばいいって思ってる?」

へ、違うの?


「知らないだろうけど、フルートの人はピッコロと兼務が多くて道具置きの椅子とか必要なの」


へー知らなかった。


「でも学校によってはフルートを立てる道具持参の所もあるの。だからこれが必要なの」


と言って、図面を見せる。

配置図か

そうやって私達の慌ただしいコンクール(裏方スタッフ)が始まった。


*


「疲れたよー」


「ならあたしと変わって?」


「えー注意書き持って歩くの恥ずかしいよ」


「何だと、私なら恥ずかしくないと?」


「君ならできる!」


「いや・・・無理っす」


「でも直接声掛けで注意はトラブルになるからに。そこはやんわりと」


「私にはレベルが高すぎる」


「ほら、早く食べないとお昼休みが終わっちゃうよ」


「はーい」


「返事は短く!」


「はい!」


「ほら、1年これあげるから頑張って」


「うおー」

エナジードリンクだ!お高いやつだ!


何だか先輩達に上手く使われてる気もするけど。


「楽しいからいいか」


「うん、楽しい!」


*


こうして、初めての強豪校に入った私の夏は長時間労働で始まった。


「いや、ボランティアだよ。そこ重要だよ」


労基的になにか引っかかるとまずいし。


「ハイハイ、頑張るぞー」


「おー」


とりあえず、お昼開けの舞台セット頑張ろー

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