第3話

酒屋で買い物を終えた後、ベレットさんが正志さんとそのご両親に個別でプレゼントがしたいという事なので街を歩く。


街を見て周り正志さんの父親に扇子を母親には健康グッズと順調にプレゼントを決めてきたが正志さんのプレゼントを探す時になると彼女が悩み始めた。


「うーん、うーん、うーーーん」


「中々悩んでますね」


「ああ、すみません。早くして欲しいですよね」


「いえいえ、今日の仕事はこれしか無いので大丈夫ですよ」


「ありがとうございます」


彼女がまた悩み始めた。


ここまで悩んでるって事は相当大切な人なのかなとそう思い彼女に


「正志さんってどんな人なんですか?」


「優しくて、格好良い人です」


彼女は照れた様に笑う。


この照れ方は正志さんとなんかあるのかなぁと思い


「プレゼント探し参考に出来ると思うので、出来れば、出来ればで良いんですが、正志さんとの思い出を教えてくれませんか」


そう彼女に頼むと彼女は照れた様な表情した後遠い目をしながら語り出した。


「こっちに来る前はギルドで働いていたんです。ですが色々あって首になり、やけになり酒を呑んで街を歩いていたら、世界がグニャってなって焦っていたらこの世界にいました。私はここは何処と焦りに焦り散らかして騒いでいたら正志さんが『大丈夫ですか』と優しく話しかけてくれました」


そこまで言うと彼女は目を瞑り、少しニヤける。


「あの時は私は焦りとギルで色々あったせいででこいつはやばい奴かと思い、思いっきり股間を蹴り上げてしまいました。すると正志は悶絶しながらも『急に話しかけてすみませんでした。大丈夫かなってかけてしまいましたがこんな男に話しかけられるのは嫌ですよね。申し訳ありませんでした』と謝ってきたんですよ。その時私は股間を蹴られたのに謝れるんだろうと不覚にも笑ってしまいました。すると正志さんが私の方を見て『落ち着いたんですね。良かったです』と痛がりながらも声を掛けてくれたんです。この人は絶対良い人だと思い、謝罪をして正志さんを介抱する事にしました。正志さんを介抱している時にお互いの事を色々話していると正志さんが『だったら家に来てくださいよ、ああ大丈夫ですよ、両親がいますので変な事はしません、絶対しません。もし危険を感じたらもう一度思いっきり蹴り上げてください』と笑いながら答えてくれました。私は良いのかなと思いながらも行く当てが無かったのでお世話になる事を決めました」


そう言うと彼女はハッとした顔をして頭を下げる。


「申し訳ありません。こんなに長く喋ってしまって」


「いえいえ、大丈夫ですよ。頼んだのは私ですし、それに素敵な思い出ですから聞いていて飽きないですよ、もっと聞かせてください」


そう優しく言うと彼女は照れた様に笑い更に語り出した。













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