第2話
彼女と相談した結果、恩返しはありきたりであるがお礼の品を渡す事にした。
私たちは早速、お礼の品を買うために街へと繰り出す。
街を歩きながらお礼の品ならギフトショップで揃えられるんじゃ無いかと考え
「お礼の品ならあそこのお店にある物はいかがでしょうか?」
そのお店を指差した。
するとベレットは少し考え、首を振り
「それも良いと思います。ですが、私の我儘で悪いのですが出来れば、自分自身で良い物を見つけたいですね」
申し訳なさそうに断られる。
確かに帰れば一生会えないからなぁ、そうなると自分で選んだ物にしたいと思うのは自然か
「それはそうですね。では今日は色んなお店を回ってみましょうか」
「はい、よろしくお願いします」
私たちは街を散策する事にした。
街を歩いて回っているとベレットが酒屋の前に立ち止まる。
そう言えば彼女の居候先の家族は皆んな酒呑って言っていたなぁ
「ベレットさん。入ってみましょうか」
「はい」
店へと入る。
彼女と共に商品を見ていると
「あっ、これ」
ベレットが突然大きな声を出した。
私はそれに驚き彼女の顔を見る。
すると彼女は恥ずかしそうに視線を逸らし
「すみません、すみません。驚きましたよね」
恥ずかしさのせいか少し小声で謝ってくる。
その姿を見て、女の私でも惚れそうなくらい可愛いなぁと思いつつも笑顔で
「大丈夫ですよ。それよりもどうしたんですか」
理由を尋ねる事にした。
彼女は視線を逸らしたまま
「じつは、佐藤さんの居候になった日に出してくれたお酒なんです。それを見て思わず声が出てしまいました」
「そうでしたか。それは、それは」
ベレットの会話を頷きながら聞き、私は思いついた事を提案する事にした
「それなら、佐藤さんにお酒をプレゼントしてみるのは如何でしょうか」
「それは良いですね。はい、そうします」
彼女は少し寂しそうな表情を浮かべた後、会計へと向かって行った。
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