第3話

…件のニュースは、大方のマスコミからは黙殺される感じだったが、「未知の古代文字」というところに興味を持った言語学者がいた。かの”ロゼッタストーン”を、解読した学者の直系の子孫の、アレキサンダー・シャンポリオン博士だった。


 「マヤ・アステカの文明には未知の要素が多い。ナスカの地上絵もだれが何のために描いたかは全くの謎で、世界の七不思議。バミューダトライアングルも、海底に未知のピラミッドが存在することを暗示しているのではないかとうわさされておる。

 アトランティス文明、ムー大陸の話も言ってみれば神話だか現実だかの境界線をさまよっているような古代史上のミステリーだ。未知の古代文字があっても不思議でないが、具体的にどういう系統の、どういう分類や形式に該当する文字なのか?非常に興味をそそられる。古代史という沃野に踏み込むための貴重な道標石となる発見かもしれん…ちょうどナポレオンが発見して、ご先祖様が解読したあのロゼッタストーンみたいにな!」


 偉人の血を引く駿馬サラブレッド、稀代の天才的碩学は、さっそくほうぼうに手を尽くして、伝手を辿り、件の古代文字の全文のコピーと、概略、解読のプロセスのレポートを入手した。

 

 「    文書」と名付けられているらしい、解読された全文は次の通りだった。


<続く> 

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