第18話

「それで」

「ん?」

「なに?」

「あの人ですけど、天童先輩の叔父さん」

「武さんが、どうかしたの?」

「いえ、その。なんだか二人とも……いや、何でもないです」

「なに? 別に怒ったりしないから、聞いて貰って構わないよ?」

「そうそう、そんな風に中途半端に言うくらいなら、こう、ずばっと言って貰った方がこちらとしてはありがたいよ~」

「……えっと。別に些細な疑問なんです。別にどうでも良い事なんですけど、あの人。武さんって言うんですよね。あの人とお二人、結構自然に付き合っているんですね?」

「……ん?」

「えっと」

「ああ、その。なんて言うか普通はもっと距離があっても良いような気がしたので。言っては何ですけど、割と他人に近い人じゃないですか」

「他人って表現は、ちょっと違うけどね。叔父な訳だし」

「優しい人だよ、武さんは」

「はぁ……」

「いろいろとやって貰っているし、そんな人に対して警戒するのはちょっと失礼だと思うしね」

「そういうもの、ですかね?」

「うん」

「そうそう」

「何て言うか、意外です」

「意外?」

「お二人って、大人に対してもっと距離を取って接すると思ってました」

「そう、かな?」

「私は別にそうじゃないと思うけど」

「もしくは――いえ」


(あの人が特別だなんて聞くのは、流石に踏み込み過ぎか)

(それにしても、どんな人なんだろう、天童武と言う人は)

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