7月23日(土)


朝起きてリビングに降りると母がおはようと挨拶してくれたので俺はおはようと返し洗面台に向かった。

顔を洗い歯を磨き終え部屋に戻ろうとした時に


「今日はどこかに出かけるの?」


と母が聞いてきたので友達と出掛ける約束をしているからと答えた

母にはまだ栞奈と付き合っている事は言ってない、言うとからかってくるのが嫌だからだ。


部屋に戻った俺は着替えを済ませて待ち合わせ時間までまだ余裕があったので夏休みの課題をやることにした。

1時間ほど集中して課題をやっていたら携帯が鳴ったので確認してみると、栞奈から今から電車に乗るとの事だったので俺は玄関に向かい家を出た。

待ち合わせ場所は駅前の噴水広場だ。

駅に着くと栞奈が来るまで20分くらいあったので、俺は駅の近くにあるコンビニで飲み物を買って飲みながら時間を潰すことにした。


「お待たせ!今日は楽しみだね!じゃあ行こっか!」


俺が飲み物を飲み終えたタイミングでちょうど栞奈がやって来たので2人で電車に乗り目的のショッピングモールに向かった。


電車を降りて歩いていると栞奈が


「ねぇねぇ!この服可愛くない?」

と聞いてきたので


「可愛いな」って返すと


「嬉しい!実はこれ昨日試着して買ったんだけど今日のデートに着て行こうと思ってさ」


栞奈が今日着ている服は肩が露わになっていて可愛いのだが、可愛過ぎて目のやり場に困る。


「ん?どしたの?顔赤いよ?」


とニヤニヤしながら顔を覗き込んでくるので俺はそっぽを向いた。


そうこうしているうちにショッピングモールに着いた


このショッピングモールは映画館もあるので今日は映画を見ることに決めていたのだ。


「栞奈の見たい映画で良いよ」


「ほんと!見たい映画があったからそのチケット買ってくるね」


と言って栞奈は券売機の方に向かって行ったので俺は近くにあるソファーに座って待つことにした。


10分ほど待っていると栞奈が戻って来てチケットを渡されたので受け取り

映画館の受付まで行きチケットを見せようとすると


「あれ?秋月くん?」


急に名前を呼ばれビックリしながら受付の人を見ると早川さんがいた。

早川さんは同じクラスで栞奈の友達だ


「何で早川さんがいるの?」


「先月からここでバイトしてるの、秋月くんは何でここにいるの?」


「いや、俺はただ栞奈と遊びにきただけ」


と言いながら隣にいたはずの栞奈を探すもどこにもいなかった。


「あれ?さっきまで一緒にいたのにどこに行ったんだ」


と言うと早川さんが疑うように


「ねぇ、今日本当は誰と来たの?」


質問の意図が分からないが素直に答えることにした。


「栞奈とだけど」


と答えると同時に俺の携帯が鳴ったので画面を見ると『栞菜』からのメールだった。


『2階フードコートに行ってる』


ときたので俺は早川さんに用事が出来たと言い栞奈の所に向かった。

フードコートに着くと栞奈は頬を膨らませながら椅子に腰をかけて俺を待っていた


「どうして急に居なくなるんだ」


少し間が空いた後に小さな声で


「早川さんが居るって知らなくてビックリしたのそれに……早川さんと楽しそうに話してたから……なんかモヤモヤしたんだもん


「ごめん、俺が悪いな今度からは気を付けるよ」


「いや、そんなこと無いよ私も急に居なくなってごめんね。あっ!映画始まるから行こ!」


笑顔で言う栞奈に手を引かれながら映画館の受付に向かい早川さんが栞奈の姿を見て俺にジェスチャーで謝ってきたので俺は別に良いよと答えた、すると栞奈は早川さんに何か耳打ちしたらOKサインを出していた。


何を言ったのか気になって栞奈に聞いてみると、自分達が付き合ってる事は内緒にしてほしいとの事だった


俺達は館内に入り椅子に座って始まるのを待っていた。

席は真ん中の列の中央の席で見やすい位置だった。

映画が始まったどうやら栞奈が見たかった映画は恋愛映画だった

主人公とヒロインが仲良くなるにつれて2人のやり取りにドキドキしながら見ていた、そしてラストシーンのキスシーンで俺は栞奈の方をチラッと見ると頬を赤く染めて少し涙ぐんでいてとても可愛かった。


2時間後映画が終わり館内から人が出ていくので俺達も出ることにした。


「面白かったね!私こういう恋愛系はあんまり見ないけど良いね!」


笑顔で言うので確かに良かったと言い返した。

映画館を出た俺達はショッピングモール内のゲームセンターに行き色々と遊んだ後


「ねぇ!これ一緒にやらない?」


と言って栞奈が指さしたのはプリクラだった、俺はあまり乗り気ではなかったが栞奈がやりたいと言うのでやることにした。色々と楽しい時間を過ごしていた。


夕方になり俺は栞奈と駅で別れた、別れ際に栞奈が「また明日ね」と言ってきたので俺も「あぁ、また明日」と言い家に帰った。

家に着いたら母さんに今日はどうだったか聞かれ母さんには楽しかったと答えた、すると母さんは満足した様子で夕食の支度を始めたので俺は部屋に戻り明日の準備をしていると栞奈からプリクラの写真が送られてきた。

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