23:伝わらぬ想い


「アカリ! あそこ!」



青龍リッカが指さす先で暴れているのは、巨大なピンクのゴムボール。球体から手足が伸び、ピンと張った鋭い目が無理矢理張り付けられたかのような姿。さらにその付近にアンコーポの戦闘員であるジョーチョーがいることから、怪人クライナーであることは明らかだ。


場所は住宅街。どうやら近くに保育園があるらしく子供たちを連れた保育士の人たちが急いで逃げ出している。だが恐怖のせいか動けなくなった子を何とか避難させようとしているせいか、その足は遅い。このままクライナーが暴れ始めてしまえば確実に巻き込まれてしまうだろう。急がなければならない。


普段の手順を省略し、即座に変身を選択した二人。ジュエルナイトとなり、そのクライナーに突撃を敢行する。



「「はぁぁぁあああああ!!!」」


「KU、KURAIっ!」



直撃。


幼馴染故の息の合ったショルダータックルを決め、ピンクのゴムボールを吹き飛ばすルビーとダイヤ。けれど帰って来た感触はあまりよくない。何せ相手はゴム製、酷く衝撃に強いのだ。両者ともに大したダメージにはならず、軽く吹き飛ばされてしまう。即座にダイヤは打撃メインの自分たちだけでは難しいと判断し、どう勝ちを拾うか思案し始めるが……。ルビーの頭に浮かんだのは、別のこと。



(ゴムボールだったとしても、これまでだったらもっと吹き飛ばせたはず。つまりこのクライナー……、強くなってる?)


「KURAINA!」



即座に体制を整え、地面へと着地するクライナー。


彼が攻撃を受けたことで周囲にいた戦闘員たちも敵の侵入を察知、逃げる保育園の子たちを追いかけようとした足を止め、ジュエルナイトと戦うための戦闘隊形を取り始める。ジュエルナイトたちとしても、無辜の市民が逃げ延びる時間は稼がなければならない。変に戦ってその余波が及んでしまうことを避け、バク転して距離を取りながら自分たちの存在を敵にアピールする。


これまでの戦いで、敵の狙い。その優先度は人の負の精神エネルギーより、自分たちが持つナイトジュエルであることは理解している。大きく一度息を吐くことで呼吸を整え、胸を張ってそこに飾られたナイトジュエルを見せつける。相手の視線を集めながら、より意識を戦闘に向けて最適化。


その張り詰めた空気の中、一人のジョーチョーが声を上げた。



「憎キジュエルナイト! 同期ノ仇! ココデ晴ラス! 新型クライナー、性能テストヲ開始スル! 地獄ニ叩キ落トシテヤレッ! 攻撃開始ィ!!!」


「KURAINAー!」


「貴方たちが悪いことしなければわざわざ倒したりなんかしないわ! 八つ当たりはやめなさい!」


「ダイヤ! やっぱり強くなってるっぽい! 気を付けていくよ!」



おそらく営業部にいたジョーチョーを倒したことを言っているのだろう。怒りをあらわにしながら叫ぶジョーチョーに、反論を返すユアダイヤモンド。そのダイヤを少し落ち着かせながら、そう声を上げるルビー。そして彼女は同時に、片手を背中に廻し、背後で隠れている妖精のプルポにハンドサインを送る。


前回の反省を生かしているのか近くの植木にその全身を隠していたプルポは、そのサインを受け取り即座にアカリのスマホを取り出す。チャットアプリを開き、送り主はもちろん白虎ヒマ。三人目の戦士であるユアパールの変身者だ。たまたまスマホを見ていたのだろう。プルポが送った位置情報と救援のメッセージに即座に既読が付き、『すぐ行く』というメッセージが送られてくる。



(よし! 多分行けたっぽい! 私たちだけで倒せれば万々歳。無理でも三人で挑めば確実にいけるはず! なんかちょっといつもと比べると力の通りが悪い気がするけれど……。)


「ッ! ルビー!」


「KURAINA-!!!」


「! よいしょーっ!」



ルビーの眼前に突如として現れたのは、ゴムボール型クライナー。背後に隠れるプルポの様子や、大まかな作戦を考えていたせいで敵の動きに対応できなかったのだろう。即座に彼女は回避ではなく迎撃を選び、体内に巡るエネルギーを拳へと叩き込み、そのピンクの巨体と対峙する。


日々の鍛錬と、師匠からの指導。しっかりと力を込めて敵の体に突き刺さったその拳だったが……。少し拮抗した後、弾き返される。



「っ!」


「ルビー!」


「だい、じょうぶ! でも……、ダイヤ! 体に違和感ない!?」



跳ね返された衝撃を殺すために受け身をとるルビーにそう問われたことで、ほんの少しだけ顔が固まるダイヤ。幼馴染の間では、それだけでお互いの体に起きている事態を理解できてしまう。


“ジュエルナイト”は精神エネルギーをもって戦う戦士たち。故にその日の精神状態によってその力は左右される、調子がいい時は酷く強いが、調子が悪いと酷く弱体化してしまう。“蜘蛛”と出会う前の戦いで二人はそれを理解し、常に気分を高めておくように努めていたのだが……。


弱体化してしまっている。今の二人は、特に問題はない。これすなわち、三人目の不調。


彼女たちの力はその心の共鳴によって、強化される。つまり誰かが不調になれば、それが共鳴してしまい、全体的に弱体化してしまうのだ。大きく戦闘力が下がったわけではないが、相手が強化されてきたところに自分たちが弱体化しているとなれば、苦戦は必須。



((ヒマ先輩が来るまで時間を稼ぐ! 三人合わせれば戦いの幅も増えるし、何より“切断技”が出来るようになる! それで戦いが終わったら、何があったか相談に乗る! これで行こう!))



思考を揃え、頷き会った瞬間。敵に向かって走り始める二人。倒すのは難しいかもしれないが、時間稼ぎだけながら十二分に出来る。何より眼前のクライナーはその防御力に能力を振っているせいかそこまで攻撃力が高いわけではない。戦い方を工夫すれば、ほぼ無傷で切り抜けることが出来るはず。


そして、ボールという形状を考えれば……!



「ダイヤ!」


「うん!」



攻撃を繰り出そうとしたクライナー、それをスライディングで回避し、地面に直立するのに必要な足を攻撃する。師匠から教わったように、狙うのは関節部。足先に遠心力を乗せるために大きく回しながら放たれるのは、回転蹴り。それは確実にクライナーの膝を折り曲げ、転倒させる。


その瞬間、両者同時にその精神エネルギーを利き足に叩き込み、打ち込むのは渾身の蹴り。



「「ダブル! ジュエルシュートッ!!!」」


「KU,KURAInA!?」


「クライナー君! 吹ッ飛バサレター!?!?」



ダメージには繋がらないだろうが、吹き飛ばすことでその勢いを殺し体制を整えるという時間が生まれる。これを繰り返しながらついでに戦闘員たち、何故か戦闘に加わらずよく解らない機械を操作しているジューギョーインや、指示を出しているジョーチョーを倒し、敵戦力を削る。


そう考えたジュエルナイトたちだったが……。


吹き飛ばされたはずのクライナーの肉体が、大きな衝撃音と共に停止する。



「おーおー、思ったより苦戦してるじゃねぇか。どういうことだジョーチョー?」


「モ、申シ訳アリマセン! クラフト様!」



ヒョイっと巨大なボールを持ち上げ、土煙と共にその姿を現していくその存在。


真っ赤な髪に、頭部に乗せられたレンズの集合体である様なゴーグル。皮の大きなエプロンに、捲られた袖から見える太めの腕。あまりにも直線な胸部のため一瞬誤解してしまいそうなものだが、その高い声が彼女の性別を明らかにする。突如として現れた、アンコーポの存在らしき人型。そして片言ではないはっきりとした喋り方。



「もしかして……!」


「新しい、幹部!」


「お! よくわかってんじゃねーか!」



距離が離れている故にジュエルナイトたちは気が付いていないようだが、明らかに酒の匂いに包まれたその身を誤魔化す様に、クライナーを傍に置きながら自身の巨大なハンマーで突風を巻き起こす彼女。吹き飛ばされそうになるジュエルナイトたちを面白そうに眺めながら、ハンマーを肩に乗せ大声で名乗りを上げた。



「アンコーポ技術部の長にして幹部が一人! クラフトってもんだ! よろしくなガキども!」


((……ビジネスより、強い!))


「ん? あぁあの若造か? そりゃそうだろアイツの代わりに私が出てんだぜ? そりゃ強い奴が出てくるってのが道理だ。」



考えが読まれたことに驚くジュエルナイトたちに、その顔を楽しんでいるのか大声で笑うクラフト。しかしクラフトの周囲にいる戦闘員たちは違うようで、クラフトの全身から香る酒の匂いに顔をしかめている。自分たちの上司が酒好きで仕事中でも飲むことは理解していたが、こんな匂いがする程飲んでいるのは初めてだったようだ。


まぁ“あの存在”の恐怖を無理矢理抑えるために流し込んでいたようなものなので、仕方ない気はするが……。



「にしても3人組って聞いてたけどもう一人は……、っと。噂をすればってやつか?」


「二人とも!」



その声を聴き、思わず振り返るルビーとダイヤ。まだ少し距離はあるが、白虎ヒマがこちらに向かって走ってきている。


自分の変身者の接近に気が付いたのだろう、植木に隠れていたプルポの持つケースが白く光り始め、パールが箱から飛び出す。そしてヒマの胸に向かって飛来し……。変身。


ユアパールが、現着した。



「ごめん、遅れた! 状況は……、なんとなくわかった! いつでもいけるよ!」


「……大丈夫なんですね?」


「信じるよ、パール!」



即座に背負っていた竹刀を自身の愛刀へと変化させ、構えるパール。その様子と声に少し違和感を感じるルビーとダイヤだったが、今は戦闘中。後で話を聞かせてほしいと言外に表しながら、現れた敵幹部とクライナー、そして戦闘員たちへと向き直る。


そんなジュエルナイトたちの様子を眺めていたクラフト。ほんの少しだけ笑みを浮かべた後、彼女は口を開く。



「……へぇ? 面白いね、これは。でもまぁ今日は第三世代の性能テストだ。“あっち”の方もうまく行ったし、欲張ってミスるのは良くないかね? っし、決めた! お前ら、アタシは帰るよ! お前らもデータ集めたら適当に撤退しな!」


「シ、シカシ! 同期ノ仇ヲ!」


「あ? んなもん別日にしろ。また時間取ってやるから飲み込みな。あ、クライナーは置いてけよ。」


「ッ! 逃げるの! 幹部のくせに! 弱虫さんめー!」



小さな欠伸を上げながら、背中を向け立ち去ろうとするクラフト。それに思わず声を上げるルビーだったが……、ほんの少しだけ振り返り、挑発的な笑みを浮かべるクラフト。まるで彼女たちの心を見透かすように、言葉を紡いでいく。



「まーな。だがお前さんらにとったら都合がいいんじゃないのか? 明らかに不調なお荷物抱えてアタシらの相手したくないって顔に書いてるぞ? それに……、どうやら観客もいるみたいだしなぁ。」



そう言いながら虚空に向かって深く頭を下げるクラフト。



「先日はウチの者が大変ご迷惑をおかけしたようで、大変申し訳ありません。深くお詫びいたします。これでも我が社でトップの職人と評価されていまして、何かご用命あればお声がけください。何でもご用意して見せましょう。……では、失礼。また会おうぜ、ガキども。」



おそらくビジネスあたりから入れ知恵されていたのだろう。まるでわざわざ覚えて来たセリフを読み上げるように声を上げたクラフト。そして彼女たちアンコーポ内で使える伝達手段が存在するのか、そう言い終わった瞬間にクラフトの姿が掻き消える。確証があるわけではないが、ビジネスの能力によって敵本部へ帰還したと推測出来た。


……なお、一応蜘蛛もこの場に到着し戦闘を眺めていたのだが、彼女がいた場所はクラフトの真後ろ。『どこまで近づいたら気が付くかな~?』という謎の挑戦を行い、ほんの十数㎝接近すればくっ付いてしまう距離まで近づいていた。つまりクラフトは見当違いの方向に向かって頭を下げていたことになるのだが……。知らぬ方が幸せな話だろう。


そしてその言葉を聞いて、慌て始めるジュエルナイトたち。



「も、もしかして……!」


「く、蜘蛛さん来てるの!? で、出てこなくていいからね! 私達で何とか出来るから! 大丈夫だから! お、お帰りくださーい!!!」


「……く。く、も?」


「ほ、ほらパール! 速攻であのクライナー倒しに行くよ! パールの剣が頼りなんだから!」


「あ、あ、あぁ! もちろん理解してるとも! 全力で行こう!」







 ◇◆◇◆◇






「ルビーシャワー!」

「ダイヤモンドシャワー!」

「パールシャワー!」


「「輝く希望の宝石よ! その心の闇、払い給え!」」



「「トリプルジュエル・シャワー!!!」」



三人の攻撃を受け、『あかる~い』という不思議な断末魔を上げながら消えていくクライナー。どうやらいつの間にかジューギョーインやジョーチョーたちも同様に撤退していたようであり、その場に残るのは元クライナーであったピンクのゴムボールと、小さな男の子が地面へと横たわっていた。


これ以上の戦闘は必要ないと判断し、ゆっくりと息を吐き出すルビーとダイヤ。変身を解除してもいいが、今いる場所は住宅街の中にある保育園、どこに誰の目があるか解らない故に、ある程度の後片付けをしてからこの場を離れ、一目のない所で解除しようと決めたようだった。


ルビーは荒れてしまった地面の修繕、ダイヤは件の男の子を保育園の中に運ぶようで軽く抱き上げボールと共に建物の中へと向かって行った。……けれどパールだけは、まだ周囲を警戒している。



「? パール、どうしたの?」


「ルビー! さっき、奴がいるって!」


「奴……? あ、蜘蛛さんのこと?」



そう言いながら『そう言えばまだ先輩には“蜘蛛”のこと説明してなかったな』と思うルビー。かの存在は明らかにアンコーポより危険な存在ではあるのだが……、アンコーポの様に町を襲ったりするような存在ではないと彼女は理解している。独自のルールを持っており、無理矢理戦わされると言うことはあったが、傷つけているようなこともなく、同時に害意も感じない。


説明するのが少し難しいし、なんか話題に出しただけで隣に出現してきそうなトンデモナイ存在なため、これまで話していなかったのだが……。いい機会だし説明しておこうと、ルビーは口を開く。



「私たちやアンコーポの幹部たちよりも圧倒的に強い……、蜘蛛さん? でいいのかな。たぶん師匠とかと同じ“おばけ!”って枠組みの人? だと思う。何考えているか解んないけどそう悪い人じゃないと思うよ。たぶん。」



実際さっき“来ないで!”って言ったら来ないでくれたし。伝わらない時もあるけど、一応言葉が通じる蜘蛛さん。というルビー。だから警戒しないでいいよと続ける彼女だったが、未だパールの警戒は薄れない。むしろ逆にその警戒が強まり、顔に強い感情。怒りや悲しみ、そして恨みに染まる。



「ッ! そんな、そんなわけない! あいつは、アイツは私の兄を殺した! だって昨日、私に見せつけるようにこれを……ッ!」



そう叫びながら、懐に入れた何かを強く握るパール。


チェーンの擦れる音が聞こえただけでルビーからは何を持っているかは理解できなかったが、確実にとても大事な物だと言うことは理解できた。けれど同時に……、あの蜘蛛さんが、誰かを殺す様なこと。それこそ悪いことをしていない人をやっつけてしまう、“殺してしまう”とは思えなかった。


まだ深く理解できているわけではないが、ルビーはパールの。白虎ヒマの性格を知っている。それは悪ではなく、正義の心。そしてたまに零している彼女の兄の話を聞く限り、その人も強い正義を持つ人間だと理解できた。そしてあの蜘蛛は確かに自分たちの常識が全く通用する人ではないが、殺す様なことはしないハズ。というか殺すぐらいなら『我が子にしてあげましょうねぇ?』とか言いながら別の存在に作り替えるとかそう言うのだろう。


『お兄ちゃんが化け物に作り替えられてた!』とかだったら普通に信じられて『今から直談判して元に戻してもらいましょう!』となっただろうが、『殺された!』は違う。だからこそ、ルビーは自分の思いを口にする。何かの間違い、そしてあの蜘蛛さんの話し方的に曲解してしまうような言い方をしているのだと。



「ぱ、パール! 落ち着いて! 確かに蜘蛛さんはヤバい人? 蜘蛛だけど意味もなく誰かを殺す様な人じゃないはずだよ! とにかく落ち着いて! ほら深呼吸!」


「ッ! 違う! じゃなきゃ、あんなにも。あんなにも……!!!」



その強い感情、負の精神によって生み出されたエネルギーに気圧されてしまうルビー。何か言葉を紡ごうにも、恨みに呑まれかけている彼女を前に口を開くことはできない。……いや、自分もその気持ちを理解できてしまうからこそ、口を開けない。



だが、それが……。ダメだった。



彼女の胸に輝いていたはずの宝珠、真っ白に輝いていたはずのパールが、黒く染まり始める。


その瞬間ルビーの身に降りかかる、重圧。いや正確には“元に戻った”感覚。それまで起きていたユアパールとの共鳴が切断され、彼女が加入する前の力に戻ってしまったのだ。胸に輝くルビーを通して何とか元に戻そうとも、帰ってくるのは強い拒絶。そしてその事実を理解し飲み込むまでにかかってしまった時間が、隙となる。



「アカリやリッカの力なんて借りなくても……! 私だけで兄の! 兄の仇を!」


「ッ! 待ってッ!!!」



思わず声を上げるルビー、いやアカリだったが、負の感情に呑まれたヒマには届かない。徐々に純白から漆黒に染まり始めたその衣装を靡かせながら、ヒマはアカリの眼の前から、飛び去ってしまった。



「ッ! ダイヤ! 来て! パールを追うよ! 早く!!!」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーー





〇サルでも解る! ネオ・デス博士の怪人講座!(ゴムボール型クライナー編)


はーはっはっ! ごきげんよう諸君! ネオ・デス博士である! 今日もサルに等しい貴様らの頭脳でも理解できるように“懇切丁寧”な説明をしてやろう! さて今回は戦闘をまるっきりカットされてしまった哀れなアンコーポ製怪人、ゴムボール型クライナーについて解説していくぞ! ま、まぁこればっかりは仕方ないこと故な。どうか怪人は卑屈にならずに再生怪人としての出番を待つべきだと私は思うぞ、うむ。


で、では基本スペックだ!


■身長:250.0cm

■体重:100.0kg

■パンチ力:15.0t

■キック力:15.0t

■ジャンプ力:50.0m(ひと跳び)

■走力:3.0秒(100m)

★必殺技:コロコロコロリ


保育園に通う園児の持ち物であり、保育園に預けられたはいいが友達が出来ずさらに親の仕事の関係上保育園に行かないわけにもいかず、という負の感情が爆発したところをアンコーポたちに目を付けられたと言った形だな。怪人としては非常に耐衝撃に特化した存在と言えるだろう。


ゴムボールの弾力を利用し、その防御力を際立させることで防御特化となった第三世代クライナー。打撃メインのルビーやダイヤのみであれば絶対に倒せなかった相手だろう。だが剣という切断攻撃には耐えきれず、ボールに穴を開けられてしまい戦力が激減。その隙を突かれ消滅させらてしまったという感じだな。


上手く分断するなど出来れば確かに勝ちを拾えた怪人のようだが……。まぁクラフトからすれば怪人の性能テストでしかない。この私が生み出した怪人と比べその製作コストが低い故に出来る実験だな。おそらく今回得たデータを糧にしより第三世代の出力を上げてくるだろう。ジュエルナイトたちはより注意してことに当たるべきだろうな。はーはっは!!!


にしても、あの白虎ヒマとやら。少々面倒なことになりそうだな……。手っ取り早く力を手に入れようとするのならば、この人類史上最高の頭脳を持つネオ・デス博士の改造を受けるのがオススメだが、まぁそう言うことではないのだろうな。うむ。とりあえず私からも我が最高傑作であるクモ女に上手くやるよう伝えておくことにしよう。


ではな諸君! 次の講義まではもう少し真面な頭脳を手に入れておくがいい! さらばだ!






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