22:蟒蛇じゃなくて蜘蛛


(なに、なにこの女!? あ、アタシが、アタシが恐怖を。恐怖を感じてる!? こ、このクラフト様が!?)



必死に笑顔、そして作り上げた旅行者としての顔を剥がさぬよう細心の注意を払うクラフト。


彼女の胸中はこれまで感じたことがない程に荒れ狂っていた。何せ彼女は“蜘蛛”の御前にいるのである。彼女に対し勝ちを拾える可能性があるのは宿敵にして天敵と言ってもいい“ピレスジェット”だけ。そんな彼ですら何か間違えればこの世から消し去られてしまう存在が、“蜘蛛”だ。


例え彼女が正体を隠していても、“見られて”いるのだ。恐怖を感じないわけがない。



(お、お、落ち着け。落ち着けアタシ。優れた職人はどんな時でも平常心を忘れない。相手が何だろうと、依頼人であるプレジデントのオーダーはしっかりこなす。それが私の流儀……!)



クラフトに諜報員としての技術はない。彼女が持つのは職人としての腕だけ。だからこそ彼女はその身に纏う“嘘”を出来るだけ少なくし、常に自然体を意識する。こんなバケモノ相手に、自分を偽りながら動くなど不可能だ。


けれど幸いなことに、クラフトはその条件を満たしていた。


アンコーポの技術部幹部であるクラフト。彼女は仕事こそ完璧にこなすが、その過程はかなり適当であり自由。数週間勝手に休むこともあるが、数か月工房に籠り作業し続けることもある。期限は必ず守る上に求められる以上の作品を持ってくるため文句は言われないが、ビジネスの様な就業時間をしっかりと守る様な存在からはあまり好かれないタイプだった。まぁビジネスの場合、かなりぐいぐい突っ込んでくるクラフトの性格が単に苦手なだけ、というのもあるだろうが……。



(最初の間は丸々観光してやろうって思っててよかった……!)



そんな彼女は、“情報取集”という名目でこの世界に遊びに来ていたのだ。


本気でこの地に観光しに来ていたし、九条恵美によって案内された居酒屋も本当に気になっていた店だ。


ビジネスは営業と同時にこの世界における諜報網の構築なども任されていたのだが、そのすべてが“蜘蛛”によって破壊されているため、現在アンコーポはこの世界における情報が不足している状態である。そのためクラフトの“情報取集”は単なる有給ではなく業務と認可されることになったし、諸経費は全て経費で落ちた。


それに喜んだクラフトは早速人間界に出発。地理の把握も兼ねてまずは先任のビジネスから『負の感情を持つ者が多い』と聞いたエリアに移動したのだが……。たまたまビジネス街を歩いている“九条恵美”、自分が友好関係を築けと命令された対象を発見する。


クラフトは、つい先ほどまで見ていたグルメ雑誌を思い出し、それをもって彼女に近づいたのだ。うまく行けばうまい飯にありつける、しかもアンコーポ首領から命じられた『九条恵美との交友関係の確立』という任務にも進展が見込める。初日から仕事がうまく行けば、後は好き放題遊ぶことが出来る。


故に道が解らず困った旅行者の顔を装いながら、内心笑顔を浮かべていたのだが……。


そんなものすぐに消えた。



(し、しかもただ出鱈目に強いわけじゃない! なんでこんなにも負の感情が! 負の感情がないの!? りかい、理解できない、ほんとに生物なの!? 生きた心地が全然しない!!!)



ビジネス同様に、クラフトも人とは違う生命体。そして技術部でクライナーという悪感情を動力とする怪人を製作しているせいか、彼女は生物が持つ感情を察知し、理解することが出来る。だからこそ理解してしまう、眼前にいる存在は、“無”なのだ。


確かに、多少正の精神エネルギー。喜びや楽しみから生まれる感情は見て取れる。だがそれ以外が0なのだ。まるで誰かによって“作られた”存在を見ているような。圧倒的な化け物が人のまねごとをしているような。そんな感覚。そしてその恐怖を少しでも小さくするために覗けば覗き込むほどに、自分が塗り替えられていくような感覚。


これ以上踏み込めば壊れてしまう、クラフトがそう判断した瞬間。その眼前の存在が話しかけてくる。



「そう言えばクラフトさん。何かアレルギーは?」


「だ、大丈夫っての! なーんでも食べれるって! 店主! このおすすめと生二つ! 早めに頼むよ!」


(そ、そうだ。今は“旅行者”のクラフトだ。名前も、素も出してもいい。でも怯えるな。私はこいつと友誼を結びに来てるんだ。そのままの自分をぶつけろ、アタシ。)



既に旅行客としての少し丁寧な口調は剥がし、名も明かすことで素を曝け出したクラフト。半ばやけになりながら、注文のため大声を出す。


彼女はどちらかというと考えるよりも先に手を動かすタイプ。あまり得意ではない思考を延々と回していたが、考えれば考えるほどに相手の存在に呑まれていくことを理解してしまったクラフト。


故に彼女は、すでにほぼすべての思考を止めた。友好関係を結べと上から言われているが、つまり友達になれと言うことだ。酒を飲みかわしお互いの名を知れば大体友達。というかもうそのスタンスで突っ切るしかない。


店員が運んできた生を奪い取るかのように手にし、一気に流し込んでいく彼女。ほぼ叩きつけるようにジョッキを置きお代わりを要求しながら、口を回していく。



「奢って貰っちゃって悪いねエミ!」


「いえいえ、折角の旅行なんですから、楽しまないと。それに少し良いことがありましたし、そのおすそ分けです。」


「へー! なんか仕事? でいいことあったのか? あ、アタシ宝石職人してんの!」


「……私はプログラミングを少々。案件を頂いたのでその前祝い、という奴ですかね?」


「おぉ! そりゃめでたい! ほらエミも飲め飲め!」



クラフトは別世界の人間、プログラミングという単語は理解できなかったが話からなんとなく推測は出来る。


過去の自分と同じように依頼を受けて何かを作り、納品するという仕事だとあたりを付けるクラフト。今の彼女はアンコーポという巨大企業に勤めているが、個人で職人をしていた時代もあった。技術はあるのに依頼が来ないという状況も理解しているが故に、つい自分のことの様に思ってしまう。


誰かと友達に成るには、自分から相手を友達として扱う。それを無意識のうちに理解していた彼女が、酒の助けもあってかバケモノをかなりの強さでぱんぱんと叩きながら、喜びを露わにする。……いくら強くたたいても全く揺れない、大樹どころかもっとヤバいモノを叩いてしまったと一瞬青ざめたクラフトだったが、無理矢理忘却する。考えては、考えてはダメなのだ。



「私のお金なんですけどねぇ?」


「いいのいいの! 祝い事はデカく騒がなくっちゃな! ……あ、もしかしてあんま酒得意じゃない感じ?」


「いえいえ、蟒蛇ですとも。」



そう言いながら先ほどのクラフト同様にジョッキを空にするエミ。クラフトの荒々しい飲み方に比べるとかなり静かな物だったが、その速度は申告通り蟒蛇。まるで何かの容器に流し込まれているかのように、するすると酒が消えていく。


その飲みっぷりに大きく笑いながら、楽しそうな笑みを浮かべるクラフト。



「お! 料理と酒の追加だ! はは! そんなに飲みっぷりがいいと楽しくなってくるな!」


「そういう貴女も良い飲みっぷりですよねぇ。」



職人気質であり緩める時は極限まで緩め騒ぐ気質であるクラフトと、普段は物静かながら弾ける時は弾けるし変にノリがいい時があるエミ。上手く性格が合致したのだろう。エミの方はとんでもなくセーブしているようだったが、酒や肴がどんどんと消えていく。


少し時間が早いこともあり店内は彼女たち二人だけだったが……、厨房がまるで団体客を相手するかのような混沌に包まれていく。まだ人間の範疇には収まるが、クラフトもかなりの健啖家だったようだ。


そして酒が進めば、口も進んでいくもの。自然とアンコーポ幹部の口からは同僚の愚痴がこぼれ出ていた。



「でさー、ウチの後輩が固くって固くって。もうしょうがねーんだよ。あんなきっちりしてたらいつか絶対潰れるのによ。全然休もうとしねぇの。」


「あはは。まぁそういう人もいますからねぇ。それに、案外そんな堅物が休みの日とかはぐでーってしてるもんですよ。それに、クラフトさんみたいな先輩に心配して貰えてるんですから、幸せ者では?」


「だと良いんだがねぇ。……ってまたアタシのコトさん付けしただろ! 呼び捨てでいいって! アタシとアンタの仲じゃねぇか! アハー!!!」


「性分ですので。」



ある程度は身元がバレぬように話してはいるが、かなりアンコーポの内情を話してしまうクラフトに。相手の正体に大体見当を付けているが故に『アンコーポって思ったよりホワイト企業? いやジューギョーインとかへの扱い最悪で殉職しまくりだし、幹部には優しいだけか』みたいに考える九条恵美。


おそらくビジネスがその場にいれば、会話内容を聞いただけでその眼鏡を叩き割る勢いで顔を抑え、天を見上げるのだろうが……。まぁ知らない方が幸せかもしれない。


そんな形で宴会が楽しく進んでいるところ……、クラフトの頭に、自身の部下の声が響く。通信だ。



(コチラ、ジョーチョー! クラフト様、“ジュエルナイト”ヲ発見シタタメ、新型ノ起動試験ヲ開始シマス! 位置情報ヲ送リマスノデ、ゴ確認ヲ!)


(っち! せっかく楽しく飲んでたっていうのに……。まぁいい、エミと顔は繋げたし、私じゃ足掻けないレベルでとんでもなく強いってことは理解できた。頃合いだし、ジュエルナイトの方も仕事を進めておいた方が賢明、か。……あいよジョーチョー、私も見に行くから始めんのは少し遅らせろ。)


(カシコマリ!)



表情を一切変えずに、通信を終わらせるクラフト。まぁ眼前の蜘蛛からすれば微細な動きでも見抜けるため、何かしらの通信が行われたことはもろバレなのであるが……。この宴会から抜け出すために、クラフトは一芝居打つ。



「……あ! エミ! お前時計持ってないか?」


「? スマホでいいですか? どうぞ。」


「え、何この薄い板……うわ、うわ。え? おぉ、そう言う感じね……。じゃなかった!」



人間界における文明の利器をいきなり受け取り、思わず声を上げてその物体が何か調べようとする職人の顔が出てしまったクラフトだったが、すぐに頭を切り替え時間を確認する振りをする彼女。全く見たことのない存在で技術体系が全く違ったとしても、なんとなく使い方は解る。時計のアプリを無事に開き、少しわざとらしいが驚いて見せる。



「やっべ! 宿の時間もうすぐだわ! ごめんエミ! 帰る!」


「あぁ、そうでしたか。だったら、こちらを。私の電話番号とメアドです。良かったらまた連絡してください。……あ、次はクラフトが奢ってくださいね?」


「あたぼーよ! んじゃまたな!」



懐からメモ帳を取り出し、“九条恵美”が持つ電話番号などが書かれた紙をクラフトに手渡す彼女。それを受け取ったクラフトは、エミに礼を言いながら去って行き……、すぐにその気配が消えた。怪人としての身体能力を以て跳躍したのだと伺える。



「……さて。」



残された彼女は、自身が口を付けていたグラスに付着したグロスを拭きとるように見せながら、クラフトが口を付けていたグラスを手に取り、唾液を入手する。更にその膝上には小さな蜘蛛がクラフトの赤い頭髪を幾つか入手して鎮座しており、自身の主人に狩りの成果を見せつけていた。



「役に立つかは解りませんが……、一応確保できましたね。……さて、私も行くとしましょうか。」



手を上げ店員を呼び、伝票を用意してもらう彼女。二人の飲み会にしてはかなり異様な値段となっていたが、気にせず支払いを終え、店から出る。


その瞬間、彼女の姿は最初から何もなかったかのように、掻き消えてしまった。






 ◇◆◇◆◇






化け物と秘密結社幹部がお互いの素性を隠しながら酒盛りを始めた数時間ほど前。


ジュエルナイトに変身する朱雀アカリと青龍リッカは、剣道場へと足を踏み入れていた。



「え! ヒマ先輩お休みなんですか!?」


「うん、急に今日は休むって言ってそのまま帰っちゃったの。それで二人は……知り合い?」


「あ、はい。この前にお世話になりまして、そのお礼に伺ったのですが……。」



アカリが大きな声を上げ、リッカが怪しまれないようにそれっぽい言葉を紡ぐ。わざわざ校舎から離れた剣道場まで足を運び、三人目のジュエルナイトへと変身する白虎ヒマ。そのクラスメイトでもある剣道部員に話を聞いたのだが……、空振りだった。



(アカリ、とりあえず校内にはいないっぽいね。)


(うん。外に出て探しに行こ!)



ビジネスを撃退した翌日。完全に倒し切ることはできなかったが、幹部を追い返したという実績は彼女たちの強い自信へと繋がった。だからこそ普段よりも元気よく登校したのだが……、その途中に、自分たちの師匠からとあるメッセージを受け取った。



『昨日の手合わせで感じたのですが、ヒマさんは色々と悩みを抱えていらっしゃるようです。私だけでは限界があります、大変申し訳ないのですが、気にかけてくださると幸いです。』



アカリとリッカ、二人で一つの画面をのぞき込み、思わず顔を見合わせる。


昨日の鍛錬も、その後にあったビジネス戦も。それが終わった後の帰宅も。二人はヒマの異常には気が付けなかった。まぁ彼女が精神に大きな影を落としてしまったのは帰宅した直後の出来事が理由だった故に仕方のないことだが……。


既に彼女たちにとって、“九条恵美”という存在はかなり大きなものになっている。自分たちに力を授けてくれる上に、メールを送ればその日には連絡が返ってくる。相談相手としても信頼できる相手だった。そんな彼女が“手合わせ”の中で異常を感じ取ったのだという。リッカの趣味であるアニメ鑑賞で得た知識からも、『真の武人は立ち会っただけで相手の心を理解することが出来る』とあるし、これは事実に違いない。


そう思った二人は早速放課後にヒマ先輩の様子を見に行ったのだが……。



「教室にも剣道場にもいなかった。ヒマ先輩がそのまま帰っちゃったって言ってた人もいるし、学校の外を探すのはいいんだけど……。どこだろ? 先輩のおうち知らないし……。」


「メッセージ送っても既読すら……。あ、付いた。」


「みせて!」



リッカに飛びついてそのスマホを覗き込む。リッカが送った『話したいことがあるのですが、今日大丈夫ですか?』というメッセージの下に確かに既読のマークが付き、相手が何かを書き込んでいることが表示される。二人でそれを覗き込みながら眺めていると、軽快な音共に表示されたソレ。


そこには『ちょっと今日体調が悪いから家に帰ることにしたんだ。あ、でも“例の件”は気にせず教えてね。大事を取って休んでるだけで、熱とかは特にないから。』と書かれていた。とりあえず何か大きな病気などではなさそうで、安堵の息をつく二人。



「とりあえず、返信は出来る状態みたいね。……日曜から体調が悪かったのかしら?」


「心配だよね。師匠も“悩み”って言ってたし。元気になったらお話しなくちゃ。あ、それと。もしクライナーが出ても、私達だけで倒しちゃお?」


「そうね……。確かにそっちの方が良いかも。」



最近のクライナー、アンコーポが第二世代と呼ぶ怪人たちはすでにジュエルナイトにとっては“単身で対処できる相手”となってしまっている。人数増加による出力強化と、日々の鍛錬による基礎能力の向上。それが無事に実を結んでいるのだ。


故にもしアンコーポが出て来たとしても一人で倒してしまえばいいと思いそうなものだが……。彼女たちは“頂点”がどれだけ理不尽かというものを強く理解している。慢心など出来るはずがない。出来れば三人で固まって行動したいが、ヒマの調子が優れないのであれば仕方がない。とりあえずいつも通り二人で対処することを決める。



(プルポ、私のスマホの使い方覚えてくれたよね? もし何かあったらすぐに先輩呼ぶんだよ?)


(解ってるぽ! 昨日ずっと“捕まった時の対処法”の動画みたぽ! そのおかげでフリック入力は完璧るぽよ!)



鞄に結び付けている妖精のプルポ、アクセサリーに見立てた彼に顔を近づけ、もしもの時の対処をあらかじめ確認しておくアカリ。プルポもプルポで昨日のことはかなり気にしていたようで、役に立つかは解らないが動画学習を行い、その過程でスマホの操作も覚えたようだった。


もし二人で対処できない相手が出たとしても、すぐに三人目のヒマを呼ぶことが出来るし、最悪奥の手である“師匠”を呼び出すことも出来る。万全の体制だった。



「さて、じゃあアカリ。今日はどうする? エミさんからは今日は休養日って言われてるし、解散?」


「んー、それも良いけど……。またリッカちゃんのお家いってもいい? アレみたいアレ!」


「あぁ、『アルティメット・ドロッセル』ね。いいわよね、アレ。三時間は語れるわ……。というかそんなにみたいのならアカリもサブスク加入すればいいのに。見放題よ?」


「うぐ! ま、まぁそうなんだけどおこづかいとか色々……。それに多分今入っちゃったら睡眠不足で師匠にまた怒られる……!」



あぁ、と思わず納得するリッカ。師匠と出会い色々と影響を受けたおかげである程度真面にはなってきているようだが、アカリはかなり生活リズムを崩してしまうタイプだ。本人の言う通り見放題になってしまえば寝る間も惜しんで視聴してしまうだろう。


少しふざけながら、まるで母親の様に『自制できてえらいわね』と頭を撫でるリッカに、えへえへと笑いながらそれを受け入れるアカリ。


彼女たちの普段通りの日常が行われていたそんな時……。



遠くから、爆発音が聞こえてくる。



同時にアカリの体を揺らす、妖精プルポからのクライナー発生のアラーム。それまで緩んでいた二人の顔は一瞬にして戦士のモノとなり、顔を見合わせ、頷き合う。



「アカリ!」


「うん、急ごう!」







ーーーーーーーーーーーーーーーーーー





〇サルでも解る! ネオ・デス博士の怪人講座!(アンコーポ・上級戦闘員編)


素晴らしい! 素晴らしいぞ! さすが我が最高傑作であるクモ女よ! 先日ビジネスとか言うアンコーポ幹部の腹を貫いたときに入手した血液! そして今回入手したクラフトとかいう幹部の頭髪と唾液! 人と同じ生命体とは思えない故、DNAなどがあるのか解らないが、2種も手に入れることが出来れば格段に研究が進む!


私が幾ら人類最高の頭脳を持っていたとしても学びを辞めてしまえば宝の持ち腐れよ! さぁ早く私の肉体を再構築して復活させ……、煩いと一生復活させない? うむ、ならば黙ろう。


さて! ごきげんよう諸君! ネオ・デス博士である! 今日もサルに等しい貴様らの頭脳でも理解できるように“懇切丁寧”な説明をしてやろう! さて今回はアンコーポの上級戦闘員。ジョーチョーについて解説してやろう! では基本スペックだ!


■身長:120.0~200.0cm

■体重:10.0~20.0kg

■パンチ力:1.5t

■キック力:3.0t

■ジャンプ力:4.5m(ひと跳び)

■走力:8.0秒(100m)

★必殺技:なし


うむ! 下級戦闘員であるジューギョーインから大体3倍したスペックの持ち主だな! 下級戦闘員たちは黒い装いをしているが、ジョーチョーたちは薄い赤、少しピンクに見える様な装いをしているため見間違うことはないだろう。ジューギョーイン同様負の精神エネルギーがある限りいくらでも量産できる故に、使い捨てのであることは変わらぬな。


一応過剰にエネルギーを詰めることで強化こそ出来るようだが……、それでもやはり戦闘員は戦闘員。弱いと事実は一切覆らんな。……うーむ。あまり面白味がない存在のせいかもう解説することが無くなってしまったな。我が最高傑作であるクモ女! そしてその弟子であるジュエルナイトたちよ! もっと怪人を撃破するのだ! この講義のネタ切れは貴様らに掛かっているぞ! はーはっは!!!


ではな諸君! 次の講義まではもう少し真面な頭脳を手に入れておくがいい! さらばだ!




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