第6言 ひらがなすきすきだいすき

 これまでちょっとマトモなお話ばかり(?)してきましたが、性癖発表会する前のワンクッションみたいな気持ちでございました。


 ここまで読んでくださった方に大感謝。きっと皆さまは生温かい目で暴走している筆者を見てくださったことでしょう。


 そして、今回は文章に関する性癖発表会をいたします。文章なら、まだ皆さんが逃げていくことはないと、思いまして……。


 この先の雲行きが怪しいかもですが、遠慮せずに突き進んで参ります。




 さてさて、最初に申し上げておきますと、筆者は地の文が大好きな生き物です。地の文がおいしいと、作品もおいしくいただけることが多いです。


 特に人間の心の中をたくさん見せてくれるとうれしい。


 綺麗な情景描写や仕草などなどから伝わる空気感をこれでもかと食べたい。


 ですが、わがままを言うとそういったことをさりげなく書いてくれると、好きが大好きになります。


 それから、筆者は三人称信者です。ええ、過激派かも。


 いえいえ、もちろん一人称のものも読みますよ? 一人称だから嫌い、というのはありません。ですが、やっぱり三人称の方が好みなのです。


 そして、特に好きで筆者もやっているのが三人称一元視点というやつです。


 三人称でも、その時の主人公に大接近して書けるわけです。心の中も覗けます、最高。その上、他の人にも大接近できますから、やりたい放題ですよ??? こんなオトクなことってあります???


 自創作には登場人物が多い、というお話は何度かいたしましたが、だからこそ三人称一元視点で好きな人にスリスリできるのがちょうどいいのです。


 それに、一元視点だから罠も仕掛けやすいといいますか。その瞬間には、その人の目線でしか語れませんからね……ふっふっふ。


 そして、筆者は視点切り替えが実は結構多い……ことに最近気が付きました。もはやその辺は無意識の領域ですが、短いときなら戦闘シーンの最中にも切り替えてます。


 ところで、三人称はやめろ、とかいう話って聞きますよね。筆者はガン無視しております。好きなように書くのが一番ですから。


 しかも、登場人物がめちゃくちゃ多い群像劇みたいなものばかりなので、一人称で書くのはちょっと現実的ではないかな……っと。


 好みです、結局好み。


 もしも、視点で迷われているのなら、好きな方を選んだ方がきっといいです。長く書くなら好きな方がいいです、絶対。



 文章の好みについて、細かいところをあげていくと、筆者は漢字をひらくのが好きです。


「分からない」は「わからない」と書きたいし、「全て」は「すべて」と書きたい。


 まー、もちろんやってるところとやっていないところがありますが、それはそれ。


 ひらがなで書くと、雰囲気がやわらかくなりますし、なんだか文章が温かくなります。それがすき。


 筆者は作品によって若干書き方を変えるのですが、特に漢字とひらがなの配合を変えています。


 漢字が多いとカッチリした印象になりますし、ひらがなが多いとやわらかい印象になります。


 文章の手触りをなんとなくコントロールしている、と言えるかもです。


 あと、登場人物が動揺しているときにひらがな増えるのとか好きです。台詞にひらがなが増えるのとかもおいしいですねぇぇぇ。


 反対に、カタカナはあまり使いたくなくて。バルコニーやカーテンのように、カタカナの方が伝わりやすいものは積極的にカタカナを使うのですが、他の表現はなるたけカタカナを使いたくない。


 日本語の手触りが一番好きだから、というのはあるかもしれません。


 ああ、それから、これは本当に自分が書くときの好みなのですが、あまり難しい言葉は使いたくないです。


 なんというか、これはただのこだわりなのですけど、些細な言葉にそれ以上の意味を込めたいのです。


「春が来る」という言葉ひとつで人の心を動かせるような文章が書きたい。


 だから、そんなに難しい言葉は使いたくないのです。難しい、といっても基準は色々ありますが、筆者は本でよく見るなぁ……くらいの言葉を使っております。


 文の倒置もすきです。それから、文を途中で切ってしまうのも。


 多用するのはよろしくないですが、端々に散りばめるのが好きです。たぶんですが、そういう書き方をすると、ほんの一瞬でもその文に意識が引っかかるんですよね。つい、そこでちょこっと考えてしまう。


 それに、文の末尾なんかを切ってしまうと正解がなくなると思うんです。もちろん、自明なことが多いとは思うのですが、解釈が開かれる気がします。


 だから、すき。


 あとは対比や同じ形の文を続けるのも大好きです。


 対比的な状況も死ぬほどおいしいですが、対比な文もすごいすきです。言葉だけが違って、同じ形の文が繰り返されるのも本当にすき。


 漢詩、みたいな……!?


 というか、たぶんですが、筆者の文章は詩っぽいかも。




 うーん、あとは何でしょう……。

 そうだ、好きな言葉発表ドラゴンにでもなります。


「けれど」が好き。


「しかし」「だが」「でも」でなくて、「けれど」がいい。


 理由はよくわかりません。察してくれ、しか言えない。いとをかし、なんですよ。「けれど」大好き。


「それでも」が好き。


 悲愴な覚悟を感じますよね、この言葉。「それでも」が出てくる前に、この言葉の持ち主は何を棄てたのでしょうね……。


 選ぶ道は間違っているかもしれない、それでも進むんだ。そういう覚悟が、あまりにも! 尊い! すき!!!!


「奈落」が好き。


 同じ地獄でも、奈落と書くと美しい気がします。奈落の使用を推奨しますね、ええ。


「がらんどう」が好き。


 まず響きがいいんですよね。それに、空っぽだということを素晴らしく最高に言い表している……すき。




 あーーー! 大事なことを忘れていました。


 一人称! 登場人物のみなさんの一人称!


 これの表記に筆者はこだわりがちです。


 至高なのは、「おれ」「ぼく」。


 最高ですね……いや……すき……。ひらがな俺男子の可愛さたるや、心臓が止まりますよ……。そして、ひらがな僕男子は可愛すぎてハゲ散らかしてしまいます……ひぃいい。


「わたし」も好きです。


 というか、もう、ひらがな一人称に筆者は弱いのです。なんか、こう、ナイーブな感じといいますか、その幼さみたいなものといいますか、はい! 最高! です! おいしすぎる!!


 一人称の表記は、ひらがな、漢字、カタカナですべて印象が変わりますからね……。


 俺、おれ、オレ。


 これ、全部別モノです。わかりますか、この、滲み出る、性格とか、性質とか……。どんな人間がどんな一人称で、どんな表記なのか、ものすごい大事ですよ? 萌えポイントです。




 興奮しすぎました、失礼。


 気づいたら長くなってしまいましたね……まだまだ語り足りないんですが! 誠に残念ながら、今回はここまでにいたします。もしかしたらそのうち二回戦するかもです。


 さてと、次は、筆者の性癖発表会物語編です。危ない匂いします。読者の皆さまが引いてしまわれたらごめんなさいします。責任は取れません。



 皆さんも好きな言葉とか文章の書き方とかあれば教えてくださいな!


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