第5言 生きてると思うんです、文章って

 突然ですが、あれって生き物だと思うんです。


 ぬるぬる動いている気がする……。なんだか、言い方がアレですね……。


 ですが、やっぱり生きてると思うんですよ。


 文章。




 同じものは二度と書けなくて、同じ場面を書いたとしても二つは決して同じものにはなりえません。


 そして、それはどちらがいいとかそういうものでもないような気がするのです。確かに、昔より今の方が文章上手いかもしれません。ですが、かつての、あの瞬間にしか書けなかった文章があるわけです。


 こんな文章、自分よく書いたな……、となる瞬間は、きっと皆さんもご経験あるのではないかと。


 実は、筆者ですね……、創作に関しては異常なほどのトリアタマなのです。書いたものは片っ端から忘れてゆきます。


 一話書いて、投稿した瞬間。もう、自分がその話で何を書いたか覚えていないんです。


 なので、いつも投稿してからもっかい読みに行きます。何も覚えてないので……。まあ、再びすぐ忘れるんですけどね!!


 たとえ投稿日にいただいた最新話の感想であっても、筆者は何もかも忘れ果てていますので、まずは該当の話を読みに行くフェーズから始まります。


 オマケに、筆者は登場人物のみなさんに引きずられているだけなので、目線は読者なのですよね。おかげさまで、感想に対する返信が感想になりがちです。


 はてさて、筆者は文章を書いているときも、あまり脳みそで思考していないです。


 ……もしかして、脳筋なのか。


 筆の赴くままに任せて、文章を綴っていくのもやっぱり楽しいんですけどね。どこ行くか知りませんが!


 うーん、花畑思考すぎる。


 ですが、気をつけていることもあります。こちらは少しお役に立てるかも。まあ、みなさまはもう意識しているよー、って感じなことかもしれません。


 まずひとつめ。


 文は短く、リズムよく。


 あまり長いと読みにくいですから、そんなに長くならないように。それから、リズムいいと読みやすい気がするから。


 次に、キャラクター登場時間が空いた時には軽くその人の説明をすること。


 これはですね、自創作に登場人物が多いからでございます。五話前の人間なんて忘れますからね、ちょこっとでも説明があると助かるんです。筆者が。


 筆者はすーぐ忘れてしまうので、定期的に書いておかないと……分からなく、なって、しまうので……。


 ついでに、過去にあったこともたまに振り返っておくとみんなの命が助かります。


 はい、気をつけポイントはこのくらいです。少ない。


 筆者はたぶん憑依型に近い文章の書き方をしています。話を始めるときは、だいたいその時の主人公の感覚から入ります。


 たとえば、視覚、指先の感覚、空気の温度。


 書き始めると、もう向こうの感覚が押しつけられているのです。あとは、そのまま流れに任せるだけ。


 音がして、振り返ったら誰かがいたり。

 冷えた拳銃の上で指を滑らせて、引き金を引いたり。


 感覚から入ると、より世界が鮮明になるような気がします。


 あとですね、目の描写をします。


 目は口ほどに物を言う、といいますよね。目は心を映します。だから、目を書くのです。


 目を見開いたり、目を細めたり、目の中に映る相手の顔だったり。


 目って、表現の幅が広いんですよね。


 同じ灰色の目でも、感情によってその灰色は嵐の前の空の色かもしれませんし、鋼の色かもしれません。


 特に、自創作では本当に言いたいことを飲み込んでしまう人が多いので、彼らの目を見て本心を探すのです。


 そうですね……、目もそうなんですが、色について書くのが好きです。


 色も感情によって見え方が変わります。それに、自然物だと色が常に同じであることはないというか。


 ほら、春の海と冬の海は違う色をしているでしょう?


 何であれ、ずっと同じままではいられない。だからこそ、その瞬間の色合いを切り取って表現したいと思うのです。そして、その刹那にしか見えない色は美しいと思うのです。


 色の他には、温度も大事だと思っています。


 触れた手は温かいのか、冷たいのか。冷たくても、死体の温度と凍えている肌の温度はきっと違う。あるいは、同じかもしれない。


 頬を切る風は、目を細めてしまうくらいに温いのか、痛いくらいに冷たいのか。


 それを書くだけで、世界はぐっと近いものになる気がします。


 手に取って触れられる世界を描けていればいいなあー、と思っています。


 もうひとつくらい、技術的なお話ができるとすると、戦闘シーンについてでしょうか。


 戦闘シーンを褒めていただけることが、初投稿作品の「神なき世界の異端姫(現在は旧約神なき世界の異端姫となっております)」時代からありまして。……ありがたいです、ほんとうに。


 個人的にはスピード感が大事かなー、と。


 あ、補足しておきますと、自創作の戦闘系の民族なみなさんは激強です。なので、割と高速戦闘しがち。もちろん、そうでない人々も多い……多いな……。


 戦闘シーンでは、いつも以上に、刹那にありったけの時間を詰め込みます。瞬きをする間に、彼らは動いていますから。


 そして、髪や服の裾はその速さからは遅れていくはずで。だから、そのズレみたいなものを書くとスピード感がバァーンっと出る気がします。


 あとは、戦闘中って、思考ももちろんしているとは思うんですけども、やっぱり本能の方が強く出ると思うんですよね。なので、咄嗟の反応みたいなものを書くと、それっぽくなります。


 本能の方が出ると思うというのもあり、獣を意識して動きを書いたりもしております。筋肉がしなる様子だとか、踏み込みの深さだとか。


 戦闘シーンはとりあえず獣みを意識するといい感じになりそうです。




 ここまで、なんだかエラソーに文章について呟いてきてしまいましたが、あくまでこれは斑鳩睡蓮の配合なので悪しからず。


 ですが、少しでも参考になれば幸いです。役に立ったよー、などございましたら教えてください。嬉しくて毛髪失います。




 そしてそして次は次は、文章についての性癖大発表会しようと思います。むしろ、ここまでよく耐えた、偉い自分。……読み返したら全然耐えられていない気がしてきましたけども。


 よければ次回もご参加ください〜!

 荒ぶってしまう未来しか見えませんが!!!

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