第4言 タケノコの侵攻を前にして筆者など無力

 寝言……というか、もはや怪文書だったり、妄言だったりしますが、今回も元気にやっていきます。


 伏線の話をしようと思っていたんですが、ここに来て重大なミスに気がつきました。


 伏線の前にストーリーの話をするのを忘れておりました。愚か。


 ……とまあ、筆者は平常運転なので、そのまま行きましょう。



 ストーリーの話とくれば、アレですよね。


 ──プロット。


 数多の論説が飛び交っているのをいつも他人事ように眺めていますが、それもそのはず、筆者はノープロットの民だからでございます。


 今まで世界やら人間やらについて語ってきましたので、お分かりだと思います。そもそも、このような物語のつくり方でどのようにプロットをつくるというのか。


 こういう話書こーっとなっても、一体!誰が!プロットを守るというのか!


 やつらはタケノコだぞ? 迫り来るタケノコの前に人は無力なのです。


 話の流れとやらを考えたところで、ポコポコ生えてくるタケノコが自我を持って暴れ回るので、脱線していきます。


 なので、プロット考えるのはやめにしました。きっと、物語に出てくるみなさんが何とかしてくれる。再びの丸投げ。


 そんなわけで、物語は筆者目線では見切り発車で始まるわけです。


 はてさて、そんないい加減なノリでなんとかなるものなのでしょうか?


 それが不思議なことになんとかなるんです。そこで、伏線の話が出てきます。


 実は、見切り発車でいい加減状態なのに、自創作には伏線が多いです。


 また変なこと言ってるぞ、こいつ……、って目をしましたね。もう慣れたからそんなことない? ……そうかもです。


 まあ、といっても、伏線って筆者も書いてて分からないんですけどね。


 なんでこんなことしたんだこの人????、と思いながら書いていたりするのですが、その謎は物語を進めていくと分かってきます。名前が伏線になっていたこともありました。


 びっくりです。筆者にはそんな意図はまるでなかったのに、いつの間にか答えが前に落ちているのですから。


 すべて、なるべくしてなっているのだと思っています。最初の選択は最後まで正しくて、なんなら最高の答えになっています。これ以外ありえない、とただ思うわけです。


 伏線とは少しずれますが、親兄弟も似ているんですよね。別々のタケノコとして生えてきたはずなのに、根っこのところが同じような言動をする。高校生は高校生らしいし、大人は大人らしいし。


 設定を作ってからなら当たり前なことかもですが、設定ゼロから始める筆者としては驚くべきことなんです。


 物語を書くことは、だから、自分にとっては驚きの連続なのです。


 勝手に生まれた人々が好き勝手に動き回って、気づけば知らない場所に連れてこられてしまう。点と点がスパッと繋がる瞬間が小気味いい。


 それは奇妙で怖い体験でもあります。けれどどうしようもなくゾクゾクしてしまうのです。


 未知と出会うこともまた、物語を書くことの醍醐味だと思っております。


 走り出した物語は己の終着点を知っているのかもしれません。そして、そこで生きる人々もまた己の進む道を知っていて……。


 たとえ、彼らの辿り着く場所が奈落の底であろうと、彼らの旅路を見届けることにしています。決して邪魔することはなく、ただ見届けるだけ。


 それでいいと思っています。どんな選択をしようが、彼らの歩む道行きを、その背中を、見ていようと思うのです。


 そして、必要なものは最初からそこにありますから、筆者が頑張って用意する必要はないわけです。


 もしかしたら、筆者は彼らのことを誰よりも信じているのかもしれません。

 彼らの自我の強さを信じているから、筆者は何も決めないという選択ができます。


 この近すぎない距離感が結構心地よいんですよね。引きずられて泥まみれになっているとも言えますが。もちろん、筆者の方が。


 ……なんだか、人付き合いのコツみたいな話してますね。でも、それと同じかもしれません。


 近すぎると見えなくなるものがありますし、適度に知らないことがある方が円滑な関係性を築くことができます。


 そして、物語についても、キャラクターについても、知らないことがある、というのは深みにもなる気がします。


 …………ま、まあ、作者何も考えてないことがバレてるかも、ですけど……?

 こいつ、何も考えずに書いてるぞ……?って読者のみなさま思ってたりするかも、ですけど……?


 温かい目で見てくださっていることを信じております、ええ。


 伏線を意味がわからないまま張って、突然回収されてものすごーく納得していたり、そもそも張った伏線なんて覚えていなかったり。


 時に感想で「ここってこういうことだったんですよね!」「こういう意味なんですよね!」とか、いただくことがありますが、そういう時は胸を張り自信アリ気な顔をして頷くことにしております。


 ……そう、そういうことだったんですよ、実は。フッ…………。


 って言えたら! よかったんですけどね! 本当は! 

言ってますけど!


 ですが、そうした解釈はいつだって新しい見方を教えてくれるので、ありがたいです。いっそ、みなさんの解釈を公式見解とするのはいかがでしょう……。



 自分の頭を使って書いているはずなのに、それを優に超えたものがポンポン出てくるのだから不思議です。


 それに、ぽっと出しただけのものが気づけば意味のあるものになっている、なんてことはいつものこと。


 きっと、そこにムダなんてないんです。


 筆者は四方八方に飛んでいくものに責任は負いかねますけどね。だって、引っ張られて身体中が泣き別れしましたからね。


 常にブラッディカーニバルされている筆者ですが、これからも楽しく料理されようと思います!




 次回は、文章についてです。

 こんな血まみれのゾンビだってがんばって文字書いていますからね……、その一端だけでもお届けできたらいいかなーと。


 ではでは、また次回もお会いしましょう。


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