禁忌魔法?悪魔との契約? うーん。母さん救うためならいいよっ

謎の少女

第1話

禁忌魔法。それはとても最悪なもの、とにかく強いというか残虐的というか。使える人は限られている、だって代償が必要だからだ。

悪魔と契約する必要があるんだ。有名な悪魔もいれば、知名度の低い悪魔だっている。契約・・・か。代償の種類はたくさんある。メジャーなものなら、血や体力、寿命、たくさんある。

まあ、一番メジャーなのが血だ。・・・。




僕の名前は猫居明、(ねこい あきら)

悪魔と契約済みの人間。僕自身、強いことには強いが使える魔法の幅が狭い。

まあ、契約代償が血だから仕方ないが。


・・・。


僕が悪魔と契約したのは、まだ子供の頃だった。


母親が病気で倒れ、助かる見込みがほとんどないと診断されたとき、僕は無力さに打ちひしがれていた。その時、僕の前に現れたのが「アザモス」と名乗る悪魔だった。アザモスは、薄笑いを浮かべながらこう言ったんだ。


「君の願いを叶えてあげよう。ただし、代償として君の血をいただくよ。」


無条件に信じるほど愚かじゃなかったが、母を失う恐怖には抗えなかった。だから、僕は契約を結んだ。アザモスは僕の血を代償に、母の命を延ばすと約束した。そしてその代償として、僕は定期的に自分の血を捧げることになった。


契約後、僕は「禁忌魔法」と「生命の力」を軽くだが扱えるようになった。


それが始まり。


契約してからというもの、僕の生活は一変した。普通の魔法使いが使う魔法とは異なる「禁忌魔法」は、文字通り忌まわしく、強力だ。その力を制御するには、自らの生命力を削る必要がある。戦いのたびに、僕の血が力の源となり、その代わりに身体はどんどん弱っていく。


「猫居、また顔色が悪いぞ。大丈夫か?」


友人からの心配の声も、僕にはもはや届かない。表面的には「疲れている」と答えるが、その理由は誰にも話せない。もしこの力の本質がバレたら、僕はただの化け物扱いされるだろう。


ある日、アザモスが再び現れた。彼はいつもと変わらない冷笑を浮かべ、僕に告げた。


「君の母親は、まだ元気だよ。でも、時間は有限だ。契約の期限が近づいているんだ。次の代償を捧げる準備はできているかい?」


僕の心臓が一瞬、凍りつく。契約には「定期的に血を捧げる」ルールがあったが、どうやらそれだけでは足りなくなってきているらしい。


「どういうことだ、アザモス?まだ十分な血を捧げているはずだろう?」


「確かにね。でもね、力が強くなるにつれて、代償も増えるものなんだ。次に捧げるべきは、君の“寿命”か“片腕”だ。どちらかを選べ。」

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禁忌魔法?悪魔との契約? うーん。母さん救うためならいいよっ 謎の少女 @nazosyouzyo_tyuunibyou

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