好奇心は

「なんというか……対応がお嬢らしすぎて……」

「……うん。台詞もな」

「小さい頃からアイナはアイナだったんですね」

「逆に他の人は、どんな反応をするのかを聞きたいぐらいだよ」

「うーん。リアムは同じような反応をしそうだよね」

「そう、ですか?」


 おっ。お仲間~。


「ウォルターは、ギャーギャー騒ぐだろうな」

「でしょうねぇ」

「ひどいっす。分隊長と副長は……」


 なんだろう。

 反応がイメージできない。


「なんていうか、仕留めてそうっす」


 あ、わかる!!


「仕留める話してなかったよな?」

「でも僕もアレンだったら仕留めてそうって思うよ?」


 仲間からも撃たれた。

 話しているうちに洞窟の前までたどり着く。


「あれ?案外すぐ行き止まりみたいな……」


 ウォルターがいった瞬間。


 ぞくっ。


 足元から何かが這い上がってくるような寒気を感じ、ぶるっと身震いをする。

 風邪でも引いたかと思ったが、その場にいた全員が寒気を感じたらしい。


「今の、何だ?」

「いやな感じがした」

「この中から?」

「え?なんかあったっすか?」


 いや、一人わかってない人がいた。

 私、鈍感な方だけどわかったよ?


 用心しながら洞窟に入っていくと、10数mぐらいで直ぐに行き止まりとなる。

 行き止まりの手前に祭壇の様なものがあり、そこには元々黒い球体だったであろう物が割れた破片があった。


「ここに封印してあったのが出てきた?」

「古地図を信じるのであれば」

「なんで出てきちゃったんだろうね?」

「自然にってのはないですよね」

「最近なんかありましたっけ?地震とか?」


 日本は地震大国だったけど、こっちに来てからそれっぽいのになかなかあってはいないよなぁ。


「あったか?」

「さぁ?」

「もしかして……」

「なんかありました?」

「あれ、じゃないですか?ほら凛が闇魔法ぶっぱなしましたよね?」

「あっ」

「そういえば……」

「確かに。調べた資料の中の事件の日付は、あの後ばかりですね」


 話ながらも私の興味は黒い玉に向いていた。

 なんだろう。

 無性に触りたい。


 これ、何でできているんだろう?

 水晶的なやつかな?


 黒い玉に向かって手を延ばす。

 もう少しで触れるというところで、誰かに腕を掴まれる。


 みればノアと目があった。


「何してるのかな?」


 うわ。

 すごい笑顔でこっちみてる。


「別に、何も?」

「うん?」

「ごめんなさい。触ろうとしてました」


 ほら、正直に言ったから、その笑顔やめて?

 そして手を離して。


「なんでそう言うことをしようとするかなぁ?」

「素材はなにかと思いまして……」

「それを知ってどうしようと思ったのですか?」


 さりげなく、アレンも説教タイムに参加してきた。


「……ただの興味、的な?」

「ただの興味で危ないことに手を出さないでください」

「はぁい」


 私の返事に「絶対ダメだ」みたいな諦め顔をするの、やめてくださいな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る