賑やかな食卓
ちょっ。
早くない?
私に毒味をさせておいて、安全とわかったらって、がっつぎすぎじゃない?
「美味しいっすぅぅぅ!!!」
「(コクコク)」
……まぁ、喜んでもらえたなら良かったです。
ちょっと不服だけど。
二人の反応を見て、レティシアとリアムも茶碗を出してきて自分達でよそい出す。
「あ、そこら辺の茶碗を勝手に使って良いわよ~」
いや、はじめての人をほったらかし過ぎではありませんか?
しかも、私の意見を聞いておいて、ほったらかし過ぎではありませんか?
別にいいんだけどさっ。
仕方がないので、私も小さめの茶碗を拝借してその茶碗に半分もないくらいにご飯をよそう。
フライパンから直接、肉をご飯の上にのせて、テーブルに移動する。
五人とも美味しそうにがっついている。
そんなに喜んでくれるなら、よしとしましょう。
椅子によいしょと登り、私は一人で『手を合わせてください、いただきます』をする。
うん、美味しい。
今気づいたけど、玉ねぎを入れるなり、キャベツを敷くなりした方が良かったな。
もしくは、サラダかスープをつけるとか。
さすがに肉とご飯だけだと手抜き感というかお手軽感が強すぎる。
別に私は野菜が好きな訳ではないけど(というか出来ればそんなに食べたくない)、やっぱり栄養的には、とか見映え的にとか考えてしまう。
……給食に毒されている。
あの地獄の給食に。
モグモグしているとすでに食べ終わったレティシアに質問をされる。
「ねぇ、少なくない?おかわりいる?」
いえ、まだ私の茶碗にはご飯が入っています。
それに男性陣がおかわりをしているのはいいとして、ほっそりなレティシアが同じようにおかわりをしているのは何故でしょう。
茶碗、だいぶんとでかいですよね?
「私、沢山食べちゃうのよー」
そんな暢気に言われても……
隣でウォルターとリアムが「美味すぎる」とか「この発想はなかった」とかいいながら食べている。
……口のなかに物をいれながら、お喋りしてはいけません。
あと私、丼にせず別皿で食べれば良かった。
どちらかと言えば別々で食べる方のが好きなのだ。
ご飯にワンバンさせたくない派なのです。
話しているうちに皆食べ終わり、私もなんとか最後の一粒を口の中にいれる。
「あー美味しかった!」
「ご飯にのせる、いいですね。他のバリエーションもいけそうですし」
「他にも異世界料理、あるんすよね?」
「(じーーー)」
また教えろという催促だよね。
こっちの食材事情と調味料事情がわからないから、そこら辺がわかったら、また考えるかもしれません……
私も暢気にくらしたかったのに、宿題かな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます