得手不得手
こちらの世界に来て、一週間ほどたった。
まぁ、それなりの毎日を過ごしている。
具体的には、部屋にこもって読書。
興味のある本は楽しいねー。
……歴史本とか燃えてしまえばいいのに。
決められた場所であれば、付き添いをしてもらえば自由に散歩などしていいよって言われた。
しかし、付き添いは隣を歩いてくれるわけではないし、それほど仲良くないから話すことがない。
……仲良くする気があるのかと聞かれると微妙だけど。
しかも、誰かとすれ違うたび、「あー、あの子。役立たずの子じゃない?」みたいな視線を感じるため恥ずかしいやら申し訳ないやらで視線が気になり、散歩ができない。
向こうの世界では、散歩として誰も居ない神社とか行くのは好きだったけど、こっちじゃ基本誰かついてくるし、一人じゃないから落ち着かない。
魔法の練習以外は引きこもることにした。
あとは、こちらの一般常識等を文官のお兄さんが教えてくれた。
授業と思えば全然苦にならない。しかも、1日2~3時間だし。
ちなみに私は、雑学とかどーでもいい話、あまり役に立たない話はすぐに覚えられる。
つまり、余談を聞くのが好きなのだ。
ものすごーーーく大事な話も覚えられる。お金の種類とか。一言で言えば最低限の常識。
逆に苦手なのは、歴史。まぁ、歴史は赤点ギリギリだったからね。横文字で言われたらよけい興味がない。
あと人の名前、顔を覚えること。
顔と名前が一致しない。
毎日顔を会わせていれば流石に覚えるけど、「また会いましたね」みたいな感じで言われても、見覚えはあるけど誰?って言うのが多いので、そういった時は、人見知り、無口万歳と思うことがある。
まあ、最低限の知識があればいいや。
テーブルマナーとか貴族常識とか要らないでしょ。
だって、もうすぐ出てくし。
あまり、深入りすると「異世界人だよ。外交の駒として使えないかな?」とか思われちゃうと大変だから、さらりと流そう。
私はとにかく影薄く生きていられればいい。
もしかしたら、すぐにこの世界からいなくなるかもしれないしね。
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