発見もある
馴染めないこともあるけれど発見もあった。
まず、魔法。
発動条件は?というとイメージが基本らしい。
イメージと魔力があればできると教えてもらった。
もちろん属性(火とか水とか)の指定はいるらしい。
つまり、ファンタジーの王道のように、そこら辺の棒で「びゅーんひょい」と振ればものが持ち上がったり、棒の先に光を灯したりできると。
うん、できるね。
持ち上げるのは風でって指定すれば。
え、そんな簡単にできていいの?っていうのが、私の第一印象。
そしてちょっとした魔法は、掛け声なしでもできると。
イメージしやすいように名前のついた魔法もある。「ウィンドカッター」とか「ファイアボール」とか。
デカイ魔法になれば、そりゃぁそれだけの魔力がいるけどイメージがしっかりしていれば、オリジナル魔法作りたい放題らしい。
ちなみに異世界人特典がかろうじてついた私は、普通の人よりちょっと魔力が多いみたい。
ちょっとだけのため、チート級ではない。
そして、スキルに「隠密」と言うのが現れた。
なんだと思って考えてみたら、影が薄すぎるからだと思い当たる。
召喚の時は滅茶苦茶見られていたけれど、基本的に私は影が薄いと思う。
薄い、といっても自分で薄くしようとしたわけではないし。
はじめは無視されていて(無視してるわりには私の行動に詳しかった矛盾もあるが)、そのうちクラスどころか学年中から無視され、空気のような扱いを受けていた。
私も何をしても悪口を言われるから、極力目立たないようにするようになった。
歩くとき足音をさせない特技も身につけた。
まぁ、居るだけで、歩くだけで悪口を言われるんだけど。
で、遂にある日、職員室にいって、扉を開けて普通に挨拶して入って、机の間を歩いて担任の後ろまでいって、話しかけたら物凄く驚かれたことがあるくらいだ。
部屋を用意して貰ってから、部屋の隅で体育座りしたり、存在を消すようなことをしていたから、多分スキルが現れたんだろう。
じゃあ、諜報員みたいなことが出来るかも!とか一瞬思ったけど無理だよね。
だって私、自分で言うのもなんだけどちょっとどんくさいし、運動得意じゃないし、きっとすぐ捕まるのがオチだと思うから。
結局、大発見には至らずだった。
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