ただの団員の独り言1

 私は、マルサ王国で騎士団に所属するただの団員である。


 最近魔物がよく出現するという話が深刻化しているのを危惧して、お偉い様方が何回も会議をしているのは知っていた。


 冒険者や騎士団で討伐隊を組んではいるが、被害が拡大し始めたある日。

会議に決着がついたらしい。


 曰く、『最近、魔物多くね?魔王復活すんじゃね?じゃあ、勇者召喚しよう。一人じゃ足りないかも!!三人ぐらい!!』だそうだ。


 当日、私は何かあったときのためにと部屋の隅でスタンバイをしていたのだ。


 兎に角、儀式をしてみると三人呼ぶつもりだったのに、目の前には四人いた。


 一人は、ラフな格好をした金髪の男。

 もう一人の男は、上下紺色の服で髪はダークブラウンで金髪より若そうだった。

 隣にいた女の子は、所属先が同じなのか、男とお揃いの服を着ていた。髪は明るい茶色だった。


 三人とも瞳の色が一緒で、黒色だ。


 最後の一人の女の子は、黒髪を二つに縛っていて瞳は黒色。黒色の変わった服を着ていた。


 一番年が若いのだろうそうだ。

 というか、子ども?

え、幾つ?


 しかも、三人は不安そうな顔をしたり、好奇心をもってキョロキョロしたりしているのに対し、その子どもは顔色ひとつ変えずにじっとしていた。


 挨拶やら説明を済ませ、早速鑑定を行うことになり順番に魔道具を触る。


 金髪の結果は、なんと勇者。

 一発目から当たりを引いた。

 お偉方は、狂喜乱舞している。


 次はダークブラウン。

 結果は、騎士。お仲間か。


 三人目の女の子は、またもや当たり。聖女様。

「どうしよう。聖女だって。」と頬を染めている。可愛いな。


 で、最後。

 結果は、巻き込まれたただの中学生。


 中学生が何かはわからないが、来る予定になかった人が来てしまったのはわかった。


 気まずい。


 人によっては、役立たずかと思っている人もいるかもしれないが、こんな小さな子どもを巻き込んでしまって、申し訳ない感がすごい。


 当の本人は澄まし顔で結果を眺めている。


 部屋の移動を提案され、視線の先の人以外が全員ホッとした顔をしていたのが印象的だった。

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