スキルとは

 王さまに挨拶を、と移動したのはいいものの当然ながら消えていなくなりたい。


 元々三人呼ぶつもりで、実際に三人には役職がついてる。

 オマケの待遇をどうするかそりゃぁ困るわな。

 大体のお話だと元の世界には戻れないだろうし、まぁ向こうでも楽しい人生送れなさそうだからいいけど。


 思考の世界に浸っていると、

「自分のステータスは、見れないんですか?」

 と、全然話を聞いていなかったけど、どうやら来てくれてありがとう、魔物を倒してほしいんだー的な話が終わり、質問タイムになったらしい。

 大学生が質問していた。


 聞いてなかったけど、案外話にはついていけているようで良かった。



「ステータス?とはなんですか?」

「さっき職業を見たじゃないですか。あれを自分で見ることはできますか?」

「あー、見れますよ。自分のレベルと職業、それにスキルが見れます」

「どうすれば出せますか?」

「自分の状態がみたいと念じれば出せます。ぁぁ、それの掛声ですか?お好きに言えばいいと思いますよ」


 成程。

『ステータス』

 心の中で唱えてみると先程みた薄い水色のウインドウが現れる。



 ーーーーーーーーーーー


 佐藤 愛奈 14歳   lv:5


 職業:巻き込まれたただの中学生


 スキル:裁縫lv:2   並列思考lv:3   睡眠耐性lv:3  精神的苦痛耐性lv:5   肉体的苦痛耐性lv:3


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 うーん?

 裁縫は、手芸部に入ってたからわかる。

 並列思考?なにそれ?

 テレビをみながら宿題やったり、本読んだりしてたから?


 あ、もしかして違うことを考えて話を聞き流してたのに理解できたのはこれのおかげかな。

 睡眠耐性って、ただの不眠じゃなくて?

 苦痛耐性については心当たりがありすぎるけど、こうやって文字にして出されると落ち込むし、役に立ちそうなの裁縫しかなくない?


 まぁ、逆に裁縫だけでもあるだけ良かったとしよう。


 周りをみれば、他の三人も各々ステータスをだして、自分の能力を確認している。


 まだ、時間がかかりそうだし、今後の身の振り方を考えた方が良さそうだ。

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