ステータスは裏切らない

 その場でステータスの鑑定が執り行われた。


 のだが。


 何でも鑑定の魔道具とやらで調べられた。只の水晶玉のようなものをさわるとステータスがわかるらしい。


 誰からやる?みたいな目配せをする三人。


「じゃあ、とりあえず、歳上の俺から。」

 と、はじめに大学生がやることになった。


 この人、好きなんだろうなー、こういう設定。


 水晶に手を当てると白く光り、ウインドウ?みたいなのがでる。


 職業:勇者


 まじか。はじめから当たり。

 大学生もお偉いさんたちも狂喜乱舞している。


 二人目は、男子高校生。制服で手をごしごし拭いてから同じように水晶をさわる。


 たぶん拭いても結果は変わらないと思うけどなぁー。


 ウインドウには、


 職業:騎士


 男子高校生は、微妙な顔をしているが、お偉いさんたちは魔物の討伐をしてほしいので、喜んでいる。


 三人目、女子高生。


「えー私、すごくドキドキするぅ。」

 とかなんとか可愛い子ぶってるけど(実際に可愛い人だけども)、私の嫌いなタイプだ。

 だって私をいじめてたグループのリーダーににてるから。


 顔が?違う。雰囲気とか仕草とかが。


 で、結果は、


 職業:聖女


 その瞬間、お偉いさんたの狂喜乱舞再び。

 女子高生もまんざらではないらしく、はにかんでいる。


 というか、やーな笑い方。

 絶対性格悪いやつじゃん。


 いや、そうやって勝手に想像して決めつけてる私のが性格悪いか。


 最後に私。

 三人と同じように水晶に触れる。


 職業:巻き込まれたただの中学生


 ………。

 その場に沈黙が下りる。

 全員が可哀想にという視線を投げてくる。


 あぁ、ここでもその視線を投げられるんだ。

 何処に居たって私は邪魔者なんだ。


 ひたすら、掌に爪が食い込むほど握り混む。

 恥ずかしくて泣きたくなる。

 仲間はずれなんて日常茶飯事だから泣かないけど。

 ただ、自分にも何か役割があるんじゃないかって、思っちゃったから。


 気まずい空気を一掃しようとお偉いさんの一人が王さまに会うため部屋を移動しようと声をあげる。


 それを合図に皆移動を始めるけど、私もいかなきゃダメなのかな……


 あぁ、死にたい。

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