五
五
夕方、
一人は例の専門學校の學生である。油で
娘にちら〳〵と視線を
娘にしても
もう一人の客は、何だか見慣れない、小さな老人である。
老人と學生の卓はそれ〴〵
初めて目にする
略式のモーニング・コートが一般となりつゝある近頃の時勢としては、
無論、學生も
老人も學生同樣
「學生諸君!」
「――諸君!と云うても、……
學生は返答に窮して默つてゐる。
「――まあ、只の
「いえ、あの、學校の先生でせうか……」
「何、先生とな? ふむ、
「はあ……」
「判らんでせう? 判りますまい……」
「はあ……」
「――いや〳〵、謎掛けをしてゐるのではないからして、そろ〳〵
老人は握つた
<續>
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