巡りもの

杏「うわーっ、マジで緊張する。」


蒼「そんなにかしら。」


杏「するよ、他校だし初対面だし、出来上がってるグループの中に突っ込んでいくわけだし。」


蒼「杏はそういうの得意そうじゃない。」


杏「見た目だけでもの言うのは危険っすよ。」


蒼「そんなつもりはないわ。いろんな趣味があるし、いろんなところに顔出してるじゃない。」


杏「いや、そうなんだけど…あれはノリと勢いみたいな?」


蒼「今回もそのノリと勢いとやらでいけばいいんじゃないかしら。」


杏「そうできるとしても緊張するもんはするんだよ。」


杏と横浜東雲女学院への

通学路を歩くのは

とても不思議な気分だった。

普段はズボンのタイプの

制服を着ているらしいが、

女学院のものに合わせて

スカートを履いてきてくれていた。

それに合わせてなのか、

ウィッグを持ってきたかったと言う。

結局つけている時間などないと

一蹴したら渋々玄関から出てきた。

そのせいで準備が遅れて

玄関先で待たされたのだが、

杏は案じていないようで

「すんませーん」と軽く頭を下げるだけだった。

「ウィッグはつけてこればよかったのに」、

そう言ったら「熱中症になるでしょ」と

ぴしゃり言われてしまった。

譲れないこだわりが

いくつもあるらしい。


杏「今日ってみんな揃うんだっけ。」


蒼「いえ、古夏は予定が合わないみたい。8、9日は来れるらしいわ。」


杏「おっけ。それにしてもすごい人選したよね。」


蒼「古夏のこと?」


杏「もちろん。なんでそこ行った?」


蒼「少し気になっただけよ。」


杏「演劇部の人はなんて?」


蒼「台本次第だけれど、たとえ役者じゃなくとも手があれば嬉しいということになって、参加の方向で進んでいるわ。」


杏「へぇ。声出せなくても参加の方向かぁ。」


納得がいかないようすで

汗を拭きながら呟いている。

首からすう、と汗が流れ、

肌着に染み込んでいった。

学校の角が木々に隠れて見えてくる。


蒼「元役者ではあるし、なんとかして舞台に上がることができればいいのだけど。」


杏「あ、そうなの?」


蒼「知らなかったの?」


杏「え、わかんない。忘れてるだけかな。」


蒼「昔子役に前田古夏って人がいたの覚えてない?」


杏「あー、聞いたことあるかも。え、それが…。」


蒼「古夏よ。」


杏「うわ、マジか。プロじゃん。」


蒼「だから誘ったのよ。」


杏「そっかー、楽しみだな。でもうち、記憶だと怖がられてた気がするんだよな。」


蒼「あれはあなたの距離の詰め方が悪いわ。」


杏「手厳しいー。そう思います?」


蒼「ええ。」


杏「意外と蒼って弱い人に対しては優しいところあるよねー。」


蒼「その人に合わせて対等にいようとしているだけです。あなたは口数が多く杜撰で、何を言っても反省の色が見え」


杏「はーいはいはい、すいませんでしたー。」


蒼「すみません、です。」


杏「気をつけまーす。」


私よりも先に校門をくぐると、

振り返って「案内お願いしまーす」と言った。

演劇部室に向かうと

既に何名かは集まっていた。

見たところ、1年生しかいないらしい。


この前部室にいた

癖っ毛なボブでおっとりとした、

唯一部内で音楽科に所属している碧里、

背が高く、ぶっきらぼうな話し方をする

目つきの鋭いショートヘアの京香、

ぱっつんの前髪に

細いツインテールをした桃、

そして艶々の長い髪を下ろしている

横髪をふんわりと巻いた舞波がいた。


碧里「おはようございますー。」


碧里がいち早く気づき声を出す。

皆もつられるようにして

おはようございますと口にした。


桃「おはようございます!お、そちらが噂となっている例の!」


杏「忽那杏ですー。先日は急にグループに入っちゃってお騒がせしましたー。」


杏はあれだけ緊張すると言っておきながら

そんなそぶりなくへらへらと

手招かれるままに部室に入って行った。


桃「いえいえ!こちらこそお力添えいただけると言うことで…ありがとうございます。」


杏「微力もいいとこですがこちらこそです。」


桃「猫の手も借りたいほどでしたので、とても嬉しいです!」


舞波「ねー、あんず、だっけ?」


杏「そっすよー。」


舞波「え、同い年なんだよね?1年ってグループラインに送ってたでしょ?なら敬語とかいらなくない?」


杏「急にいいの?」


舞波「だってこれから1ヶ月くらいはめっちゃ顔合わせるんでしょ?堅苦しい方が無理だってー。」


舞波は杏の肩を軽く叩いた。

彼女の猫撫で声か耳に残る。

そうだ、そうだった。

舞波はこういう人間だった。

一瞬にして空気がぴりつく感覚がある。

彼女のものになってしまった空気は

なんとも甘ったるくて嫌いだ。


だが、今回に限っては

真っ当な意見なもので、

碧里は大きく頷いていた。

京香も目を瞑っている。

軽く自己紹介をし合い、

1年生の中での壁は

舞波のおかげでやや崩れたように見えた。


杏「じゃあこれからよろしくお願いしますー。男役でも女役でもやれるから空いたところ埋めるよ。」


桃「心強い!サポートが手厚いですなあ。」


碧里「せっかくなら杏ちゃんにたくさんセリフがあるといいんですけど。」


杏「いやいや、大会の時穴埋めが大変でしょ。」


蒼「それで、2年生の2人は?」


部長の夏希と脚本の由佳子の姿が

時間になっても見えず、

思わず偶然にも目のあった桃に聞く。

桃は「ああ」とスマホを見ながめ

「ぴったりですね」と言った。


桃「ちょうど今連絡入ってます。台本を人数分刷るのにちょっと時間がかかるみたいです。」


蒼「そう。」


杏「あれ、いつもの蒼なら「それを予期してもっと早めに」とか言うのに。」


蒼「杏にはね。」


杏「扱い雑すぎない?」


舞波「えー、杏意地悪されてるのー?」


杏「これも蒼の愛情表現ってねー。」


舞波「ふうん。」


桃「学校の印刷機がちぃーっと不調だって、夏休み前に先生たちが嘆いてたんでそれかもです。」


京香「ああ、そんな話あったな。」


蒼「どちらにせよ待つしかできないのだし、先に発声練習にでも行きましょう。」


舞波「えー、外今めちゃくちゃ暑いですよぉ?」


蒼「なら何もせずに待つのかしら。今は台本の読み合わせもできないけれど。」


舞波「一部だけもらってきて役決めくらいしときません?」


蒼「それには夏希もいないと決めれないでしょう。」


舞波「由佳子先輩に印刷お願いすればいいじゃないですかぁ。」


舞波は役決めをしたいというより、

外が暑いのが嫌なのだろう。

その中で発声練習をしたり、

その後筋トレして…といった

基礎の部分が好きじゃないらしい。

後方に手をついて

「えー」と声を漏らした。

京香が顔を顰めているのが見える。

彼女も舞波とは馬が合わないんだろう。


杏「まあまあ、今が1番涼しいんだし、ぱっとやってぱっと終わろ?」


桃「そうだ、杏ちゃん。外郎売りって暗唱できます?あれとあめんぼのやつをやってて、プリントもあるんですけど。」


杏「うーわ…ブランク1年、いけるかな。わかんなかったらちゃちゃっと調べるよ。」


舞波「杏って中学でも演劇やってたんだ?じゃあどっか大会で会ったことあるかもね!」


杏「あり得る!」


蒼「雑談してないで外行くわよ。」


いざ1人が動いてみれば

案外誰もがついてくるもので、

舞波も嫌々だったが、

桃や杏と話しながら外に出た。

発声練習を済ませ部室に戻り筋トレを行う。

30分以上過ぎても

2人は顔を出さなかった。

舞波は冷房の下であぐらをかき、

「2人は発声練習しなくていいんだろうな」と

ぼやいていた。


何をするわけでもない時間が過ぎる。

予備の台本の読み合わせをするか、

即興劇を意味するエチュードでもするかと

考えたのだが、不意に疑問が浮かんだ。


蒼「少しいいかしら。」


桃「何です?」


蒼「どうして部員が減ったのか、詳しいことを聞いていなかったから聞きたいのだけど。」





°°°°°





桃「ですが同時期、まあいろいろとありまして、再々お伝えしますが見ての通り部員がいなくなりました。」


蒼「今日休んでいるだけではなくて退部したということ?」


桃「退部した人もいるみたいですが、ほとんどは退部届も出さず幽霊部員状態です。先生もほぼほぼ放任状態ですから、現状を知らないかと思います。」





°°°°°





この前に話を聞いた時は

「いろいろとあって」と

ぼやかされてしまった。

結局何があったのかまでは

聞いていなかったのだ。


碧里はやや顔を俯かせ、

京香は眉間に皺を寄せた。

舞波は今度は足を伸ばし、

後方に手をついては足をぷらぷらしている。

桃は「そうですね」と言った。


桃「部長が来る前に話しちゃった方がいいかもしれません。」


杏「本当はもっと部員いたんだ?」


桃「はい。2年生は今は2人ですが、6〜8人くらいはいて、1年生も今の倍はいたんじゃないでしょうか。」


杏「え、そうなんだ。」


桃「はい。けれど…うーん、端的に言ってしまえば、学年のカラーの違いです。」


舞波「部長が蒼先輩の真似してたらゴタゴタしたって素直に言えばいいのにー。」


桃「それだと少し語弊があるでしょ?」


蒼「どういうこと?」


桃「蒼先輩がいた時は、まあ…上手に回っていたじゃないですか。ついてこない人がいようとそっちに流されない強さがあると言うか。」


杏「ひゅー。蒼、部長だったんだっけ。」


蒼「ええ。」


桃「3年の先輩も皆、こう…気だるげな時はあっても、なんだかんだやってたじゃないですか。」


蒼「最低限は、かしら。」


杏「厳しっ。」


碧里「でも、蒼先輩が厳しくできるくらい信頼してるお仲間さんたちだったんですね。」


杏「確かに。え、じゃあうちも」


蒼「杏は目に余るからよ。」


杏「話の寄り道で刺していかないでよー。」


蒼「話を続けてちょうだい。」


杏「え、刺しっぱなし?」


桃「わかりました。」


杏「続けるんだよ。」


桃「けれど3年の先輩がいなくなって…厳しい人たちがいなくなったからとゆるーい空気になっていったんです。私はそのまま階段で高校生になれるので、文化祭後にたまに顔を出していたんですが、一部の人は発声に行って、一部は寒いから部室に残って駄弁って…と言った形でした。」


蒼「そんな様子はなかったけれど。」


京香「4月以降も蒼先輩、顔出してくれてましたよね。」


桃「その時だけちゃんとしてたんですよ。あれは夏希部長が可哀想です。」


舞波「みんながついてこないから、がつんと言っちゃったんですよ。5月だっけ、いつか忘れたけど。」


桃「憤るのもわかります。当然です。ただ、強く言い過ぎた…というより、駄弁っている先輩や1年生の気持ちにはうまく嵌まらなかっただけなんです。」


杏「なんて言ったの?」


舞波「演劇をする場所だから、しない人は出てけー、みたいな。」


桃「口調も言葉選びも違いますが、要約するとそうです。」


蒼「何も間違ったこと言っていないじゃない。まともに活動していない部員が悪いわ。」


桃「そうなんですけどね。まあ…集団っていう生き物を動かすのは難しいって話です。」


杏「じゃあ元部員に声かけてお願いしたとしても…」


京香「戻ってくる確率は低かっただろうなーとは思うっすね。」


夏希は正しいことをしたのに、

一体それがどうして

こんな結果にならなければならないのだろう。

その部長の言葉を受けた上で

最もサボりそうな

舞波が残っているのも謎だった。


桃「今の話、部長にはあんま直接聞かないであげてくださいよ。」


蒼「どうしてかしら。当事者なら聞いた方がいいと思ったのたけど。」


桃「引け目感じてるんですよ。先輩たちの代のまとまり具合を見てるから、なおさら。」


杏「確かに先輩たちが築いてきたものを自分らの代で廃れさせるって、いろいろ背負っちゃうよね。」


舞波「蒼先輩に憧れてたが故に、余計にねー。」


しばらく空白の時間が流れた。

その隙間を埋めるようにして

杏が「予備の台本を見せて欲しい」と言う。

意外にも舞波が

ぱぱっと取り出し見せていた。

台本についての

少しの会話が発生してややあった頃、

ようやく部室の扉が開いた。


夏希「すみません、遅れました。おはようございます。」


由佳子「お、おはようございます。」


いつものポニーテールをした夏希に

隠れるようにして肩を縮めている

由佳子の姿があった。

前髪が長く片目にかかっており、

長いまつ毛はは申し訳なさそうに

下を向いていた。

肩につくくらいの髪は外側に跳ねている。


由佳子「あ、あの!台本…遅くなってしまってごめんなさい!」


桃「いいんですよ、ここから急げば無問題です。一旦は完成したんですよね?」


由佳子「は、はい。」


夏希「早速だけど台本配るね。蒼先輩、忽那さん、早くに来ていただきたのにすみません。」


夏希は頭を下げて言った。

事前に連絡をしてくれていたし、

咎めることは特にない。


蒼「問題ないわ。台本を読んで、役やその他いろいろを決めていきましょう。」


夏希「はい!」


台本は印刷して

すぐに持ってきてくれたようで、

まだ仄かに暖かかった。

それから紙をバラす間に、

自己紹介やタメ口でいいことなど、

過去の演劇部の話をしたこと以外の流れを

ざっくりと伝えた。


プリントを分け終え、

各々のペースで読み始める。

「花道を飾れ」というタイトルが

はじめに印刷されている。

始まりは、1人の女の子が

迷子になっているシーンからだった。


漆、という名の女の子が記憶喪失らしく

そして道に迷って蹲っている。

そこに鳩羽という男性が

傘をさして登場し、

会話をする中で「漆」と

名付けるところから始まる。

まるで捨て猫を拾うようだ、と思う。


その後蜜柑と呼ばれるギャルや

小言は多いが論理的思考をする露草、

元気の有り余るお嬢様の若葉や、

若葉といつも一緒に登場する

荒っぽい話し方をする豆腐屋の青磁

…せいじ、と読むらしい…と話をする。

途中、漆は隅にいる中、

漆の母と父が登場し、

純と呼ばれる人が会話をする。

その時だけ漆の存在は見えないらしい。

純は絵に描いたような優等生だった。


場面は変わり、

蜜柑、若葉、青磁が話をしている。

そこで不意に、

漆という名前は鳩羽につけてもらったと

吐露してしまう。

実はこれは重大なルール違反だったのだ。

若葉と青磁は慌てて露草に知らせに行くが、

蜜柑と漆は残ったまま話をする。

そこで漆にまつわる回想が挟まる。

両親と話す漆のシーン。

親の過度な期待から

純と入れ替わる描写がされていた。


露草は鳩羽に詰め寄ると、

鳩羽は守るために壊すのだと言う。

そのあたりでようやく、

これは漆の多重人格のお話だと

それとなく示唆される。

漆はオリジナル…主人格と呼ばれるもので、

それに気づいていた鳩羽は

初めから壊すつもりで

名前をつけたのだと語る。


漆と鳩羽、漆と純の会話を経て

物語は終盤に向かう。

漆も含め、ことの終わりを受け入れているが

最後鳩羽のみ後ろ髪を引かれるように

「漆」と名前を呼んで終わっていた。


しばらくして皆読み終えたのか、

徐々に顔を上げる人が増えてきた。

由佳子は怯えるように

小さく膝を抱えている。

自分の作ったものを見られ、

感想も言われることだろう。

怖いらしい、それとなく感じた。


杏「すごい、これいちから作ったんですか?」


由佳子「あ、はい…でも、初校ですし…台本は初めてでどうすればいいか…。」


杏「すごいっすよ。これ、形になったら面白そう。」


桃「だね。みんなキャラがついててわかりやすい。」


由佳子「恐れ多い…。」


蒼「みんな目は通し終えたかしら。」


碧里「はい、終わりましたー。」


京香「終わりました。」


舞波「他も大丈夫そうでーす。」


夏希「なら役決めに入ろうか。台本に疑問や矛盾点があれば、都度相談して直していこう。お盆まで…は時間がないか。お盆明けまでには固める感じで。」


夏希の声はよく通っていた。

名前に劣らず夏のようだ、と思う。


夏希「まず主役、漆をやりたい人。」


舞波「はーい。」


桃「舞ちゃん1人でオッケー?他の人いない?」


由佳子「セリフの量多いけど…大丈夫?」


そう。

由佳子の言う通り、

漆はほとんどのシーンで登場している。

会話はなくとも

舞台の上にはいるなんてこともあり、

60分ほぼほぼ

裏にいることがない。

そんな重役をできるのかと

私も疑問に思うが、

舞波が怯むことはなかった。


舞波「なんとかしまーす。主役やりたいでーす。」


夏希「…じゃあ決定で。」


蒼「本当に大丈夫なの?」


舞波「だって他に誰もいないし。」


蒼「そうだけれど。」


桃「まあまあ、舞ちゃんはやる時は意外とちゃんとやるんで。一旦他の役も決めちゃいましょう。」


桃の一言で役決めは進んでいく。

最も発言数の少ないであろう

純の役が、一旦古夏へと振り分けられた。

途中、桃と京香が

漆の母の役にて希望が重なることがあった。


京香「なら自分別の役でいいですよ。」


桃「いやいや、やりたいのなら簡易でもいいからオーディションしようよ。」


京香「時間ないだろうし。」


桃「駄目。やりたいなら妥協しちゃよくないよ。」


そんな会話から、

さっき黙読したばかりだが

数行だけ読み合わせ、

役決めが進行したりもした。

私はあくまで数合わせなので

後輩たちのやりたい役を埋めていく。

最終的に、仮決定だが

以下のような配役となった。



漆   舞波

月   古夏

蜜柑  杏

露草  夏希

若葉  碧里

青磁  京香

鳩羽  蒼

漆の父 京香

漆の母 桃



鳩羽。

その役名が目に入る。

鳩羽は飄々としているのだが、

後半になるにつれ

思考と言動が

ばらばらになっていく印象があった。

本人は昔から隠し持っていた気質だ、

なんて吐露している。

しまいには守るために壊すのだ。

台本を掴む手に力が入った。


碧里「京香ちゃん、少しセリフ多くなっちゃうけどいける?」


京香「やってみる。もし無理でもなんとかやってみる。」


舞波「そうじゃなきゃ困るよー。」


役が決まり、一安心したからだろうか。

僅か弾む会話があり、

皆それぞれの役のセリフに

マーカーを引き始めていた。


杏「みんな解釈一致って感じする。あ、初日だからなんとなーくだけどね。漆と舞波は正反対って感じだけど。」


桃「ですね。あと、鳩羽と蒼先輩とかも意外な組み合わせです。」


杏「そう?結構ハマり役だと思うよ。」


杏は台本に線をひきながら

こちらに視線を向けずにそう言った。

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