第4話 お昼

「お姉ちゃんも一緒に引きこもりたいなっ♪」


「うん。大丈夫だよ。愛が重いだけだから」


「言ったでしょう? 大好きって。あれ本気だからね」


「そうそう。今日はお弁当を持ってきたよっ!」

 鞄から弁当箱を取り出す音。



「え。リビングで食べれば……? もうそれじゃデートっぽくないじゃない」


「わたしは、引きこもっているあなたの味方だよっ!」


「一緒にお昼食べるの。あなたの家で」


「それって最高に気分良くない?」


「わーきゃー。わたしの夢一つ叶っちゃう♪」


「ふふーん。わたしの夢は53万あるのだ。あなどるなよ、少年」

 ちょっとキザ風に。


「って、さ。食べよ!」


「ふふーん。キミの好きなおかずばかりだからね」

 弁当箱を空ける音。

 いい匂いがたちこめる。


「どう? どう!? イケてるでしょ!?」


「唐揚げに、トンカツ、あとハンバーグもあるよっ」


「え。脂っこい……。そ、そうだね。ごめんね……」


「ちょっと、無理して食べなくていいよ~」


「……うん。ありがとう」

 パクっと一つつまむネネ。


「おいしくなくても言う気だったでしょ?」


「うん。でもその気遣いは嬉しいなー。それと分かりやすい。顔に書いてあるもの」

 クスクスと上品に笑うネネ。


「ほら、おべんとつけて」

 指で頬から米粒をとるネネ。


 じーっとその米粒を見つめる。


 パクッと口に運ぶネネ。


「えへへへへへ」

 満足そうに笑むネネ。


「さ。食べよ食べよ、あー、お腹空いた」

 きゅるきゅると鳴るお腹の音。


「あっ。い、今のなし……! なしだからっ――!!」

 ぶんぶんと恥ずかしそうに手を振るネネ。


「もう、意外と意地悪なんだから……」

 食べ始めるネネ。


「せっかくなんだからもっと甘いことをしたいよ~」

 えーんと泣くネネ。


「そうだ! アイスもあるよ!」

「え。冷蔵庫の中、とってくるね!」


 ガラガラと扉を開ける音。

 とてとてと走る音。

 ガラッと冷蔵庫を開ける音。

 戻ってくる音。


「お待たせ! さ。一緒に食べよ?」

 ペリペリとアイスのふたを開ける音。


「ふふ。冷たいね」


 しばらく食べる音。


「ごちそうさまでした。さ、ゲームでもしようか?」


「ん。わたしも一緒にしたいの~。いいじゃない。一緒に戦うよ!」


「もう、文句はなし。一緒に戦場に出るよ~」

 ちょっとイケボ。


 しばらくゲームをして、

おとうとニウムを補充したわたしは最強なのだ~」


「説明しよう。弟ニウムとは、弟から得られる力の源なのだぁっ。ってずるいっ!」

 ゲームに戻るネネ。

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