第3話 ゲーム

「お姉ちゃん。しっかりするね」


「そうそう。そろそろ夏休みだね。どこか行こか?」


「え。引きこもっていたいの? しょうがないなー。じゃあ、一緒する」


「ふふ。照れちゃって、かわいーいー」


「それで、いつもは何をしているの?」


「ネット? うん。わたしも使うよ。せっかくだから色々と教えてよ」


「手取り足取り、腰取り……」


「きゃっ。わたしったら、何言っているの。恥ずかし~い」


「む。お姉ちゃんのことを冷めた目でみないで」


「そうだ! パソコン、やろう!」


「え。しないの?」

 潤んだ瞳を向けてくるネネ。


「よしよし、いい子いい子」


「えらいね。いつも頑張っているんだもの」


「いつもこのサイトを見ているの? ふーん。小説なんだ」


「えっ!? こんなに登録者数いるの!? みんなパソコンがうまいわけだ……」


「わたしはあんまりパソコン使わないかな。大学のレポートくらいかな?」

 人差し指をおとがいに当てる。


「でもこれからはパソコンの時代だよね。わたしも頑張って覚えるぞー」


 数分後。


「うーん。難しい。なんでみんなこんなに書けるの? これ書いている人がいるんでしょ?」


「え。違う? AIで書いているの!?」


「そっかー。時代はすすんでいるねー」


「え。嘘? からかった!? もうお姉ちゃんをバカにした責任は重いんだからねっ!!」


「もう、やっぱり書いている人がいるんじゃない。あ。このタイトル面白そう」


「ん? すっきりまとまっていて完成度高そうだよ?」


「流行じゃない? 流行ってそんなに大事?」


「そうしないとポイントがもらえない?」


「それって本当に大事なの? もっと大事なものがありそうだけど……」


「あっいやっ。別に流行が悪いって意味じゃないよ? でも無理をして、というのは違うよね?」


「うん。ごめん言い過ぎたね。ちょっと話題を変えようか」


「ん。パソコンでゲームするの? お姉ちゃん弱いよ?」


「一緒にやりたいの? いいよ。お姉ちゃん、張り切っちゃうぞ~」


「う~ん。どうしたらいいの? えっ。リロード? あ。たまを補充するのね。分かった」


「おお。血なまぐさい……。え。まだまだ? もう調子に乗らないのっ!」

 ポンポンと肩を叩くネネ。


「ふふ。こういうゲームもあるのね。一緒にできて良かった……!」


「お姉ちゃん、嬉しいよ~。だってずっと何しているのかも分からないままだったもの」


「うん。一緒にいて、そばで笑って、こんなに大事な時間を過ごせて良かった」

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