　殺せ殺せ殺せ。この世界はまやかしだ。全て壊して燃やし尽くせ。破壊と衝動と苦しみが己の中にある。終われ。世界は終われ。誰も苦しまないように、誰もが幸せであるように、世界は終わるべきだ。神か悪魔か、どちらでも構わない。それを実現出来るのならば誰でも。人は簡単に他人を裏切り、簡単に他人を騙す。そんな悪人でさえ、好き勝手に生きても誰にも咎められず、愛されるような世の中を作りたい。世界は変革する。いつでも人の都合の良いように、悠久の時を経て変革して来た。より良い物を実現出来ているかはわからない。けれど、より良い物であることを信じて我々は世界を生きてきた。その一瞬一瞬を強く生きる。それこそが人間にとっては重要な物だ。殺せ殺せ殺せ。この世界を燃やし尽くせ。偽りの世界。苦しみしかない世界。けれど、きっとその先がある。だから世界を。燃やせ。殺せ。苦しみを燃やせ。夢を尽くせ。愛を騙れ。人間の欲望に際限はない。けれど、人はその欲望に応えて来た。幸せを、快楽を、自由を、全てを手に入れる。理想郷ではない。それこそが現実であり、今の世界は幻だ。殺せ殺せ殺せ。愛をもってして殺せ。世界を殺せ。この不完全で混沌の世界を殺せ。秩序と愛と自由が支配する、そんな世界の為に。殺せ。全て燃やしてしまえ。呪いの言葉が子々孫々までに語り継がれぬように。この世界には苦しみが多過ぎる。死ねば楽になるなんて嘘だ。それこそが呪いで、言祝ぐべき物は別にある。いつかの未来じゃない。我々が実現するんだ。愛を語れ。騙らず語れ。世界はいつでも希望に満ちていて、我々はいつでも幸福になれる。だから殺せ。死ぬな。殺せ。死ぬな。どうしても死にたいというのなら、殺す。お前ごと世界を殺す。悪いのは誰だ。誰も悪くなんてない。皆が幸福を求めている。幸福は義務ではない。お前が自ら手を伸ばすものだ。進め。行け。この世界の快楽を味わい尽くせ。それでいて隣人を愛せ。旨い飯を喰い、疲労もなく眠り、愛する者と囁き合う。やりたいようにやれ。憎む者がいれば殺せ。殺された者もまた幸福だ。幸福は伝播する。何もかもが赦された世界。それでいて誰も傷つかない世界。そんな世界の実現はもう直ぐなのだから。殺せ。殺せ、世界を。人は誰でも幸福になる権利がある。その権利の実現の為に。殺せ。世界を殺せ。殺して燃やして壊し尽くせ。嗤え。過去を、未来を、現在を嗤え。お前はお前の思う通りに幸福になれる。だから、生きろ。殺せ。生きろ、殺せ。誰もが幸福になれる。誰もが誰もに優しくなれる。赦されないことはない。罪と闇に生きても尚、それが幸福に繋がらないなんてことはおかしいじゃないか。この世界はまやかしだ。だって、誰かの幸福は誰かの不幸だ。そんな世界は間違っている。だからきっと、本当の世界がある。その世界に生きる為に。殺せ。殺せ殺せ殺せ。この世界はまやかしだ。全て壊して燃やし尽くせ。破壊と衝動と苦しみが己の中にある。終われ。世界は終われ。誰も苦しまないように、誰もが幸せであるように、世界は終わるべきだ。