第35話 ヒモ男、大ダメージをうける
「あっノアさんー! クレイさんとは上手く行きましたか……って隣の綺麗な人だれー!? ねぇミナさん! ノアさんがまた新しい女連れてるよ!? てかクレイさんどこ!? 」
「ルミシア様、おそらくですが駄目男の隣のあの女性がクレイ様かと……」
「えー、確かに言われてみれば雰囲気が似てる? 」
前方不注意!
前から超絶美少女2人組が現れる。って俺の嫁だ!
お隣クレイも二人に気づくと嬉しそうに、かけよっていった。
それによって組んでいた腕がほどかれて、俺の腕さんはフリーに。しょぼーん。
「二人とも! その、気遣ってくれてありがとう……! 」
「その様子を見るに成功した感じですか! 」
「これでノアさんのハーレムメンバーは4人だね〜! いや、ネシアちゃんいれたら5人? 」
おい待て。流石にネシアはハーレムメンバーではないだろう。
「え、ノアさんってロリ属性はnoな感じ? 」
「いえすロリータノータッチ! ……うん! 」
「ダメ男さん、口がニヤケてますよ。どうせいずれはバレるんですから本当のことを仰ってください」
鋭く刺さるミナの視線!
その言葉につられて、ハーレムズは俺を見る。
君たちここお外だよ? 道の真ん中だよ。
公開処刑をしたいのかな?
しかしそんな心の訴えは届かない。
早う言え、と圧がかかる。
「ロリ属性もokです! てかなんなら、早めに1人は欲しい……みたいな」
道行くじいさんばあさん、立ち止まる。若い人らは笑い出す。
うん……! 公開処刑に違いねぇ。
そりゃそうだろう。美少女3人連れたモブ男が、道のど真ん中でロリっ子をハーレムに加えたいなどとのたまっているのだ。
運悪く親子で商店街に来ていたところ、こんな場面に遭遇してしまったちびっ子。
「まま、あの人なーに? 」
「しっ! 見ちゃいけません!! 」
こんなテンプレが繰り広げられた。
自分自身で体験すると、超恥ずかしい。
俺は逃げるようにしてこの場から立ち去った。
「ロリ兄ちゃんが逃げたー! 」
「こらっ!? 見ちゃいけないとは言ったけど、それは失礼よ!? 」
「あのダメ男はもっとキツく言わないといけません」
「そうだよー! ほら、君も一緒に言わない? あのだらしなくて猫背の背中に向かって、ダメ男〜って! 」
「さ、流石にそれはノアが可哀想だ……! わ、ワタシは言わないからな!? 」
「うん! 言う! 」
「こらチーコ!!! 」
「お母さん、大丈夫ですよ〜。ノアさんは女になら何言われても大丈夫な人ですから。クレイさんは……じゃあノアさんへの愛の言葉でも? 」
「あ、愛っ……!? い、いやそういうのは……うぅ」
「もーじゃ好きにしてください! じゃあ皆で行きますよ! 」
「……じゃあ私も混ぜさせて貰おうかしらね〜」
「お、いいですね〜! せーの! 」
「「「「ノア(様・さん・お兄ちゃん・さん)のダメ男〜! それでいてロリコン! 」」」」
後ろからそんな恐ろしい声の合唱が、商店街中に響き渡ったのだった。
ハーレムズに言われるのはまだいいけど、見知らぬ親子まで加わって、こんなこと言われる俺って……。
ちらっと後ろを振り向くと、なにやらまた作戦会議をしている。
まだ何かしようとしているのか!?
一刻も早くこの場から逃げるべく、走り出そうとす背中からクレイの声が聞こえた。
「ワ、ワタシは、別にノアがロリコンだろうが、ノアを愛するからなっ……! 安心してくれ! 」
「今それは追い討ちだよ〜!? 」
「なっ……!? そ、そうだったのか!? 」
けど、クレイなりに援護しようとしてくれたんだろうなって思う。
だから俺は全員への仕返しも含めて、振り返って大声で叫んだ。
「お前らは俺をいじめるから、今日はクレイと寝るもんねー! バカメイドとケツ女なんてしーらない! 床で寝とけ! このバカ! アホ! 」
「お兄ちゃん小学生みたいだねー」
「ねっ、そうでしょー? 」
「けどお姉ちゃんたちはお兄ちゃんが好きなんでしょ? 」
「そ、そそそそそそうですね」
「じゃあーお姉ちゃんたちもがんばってね! ばいばいっ! 」
「娘が失礼しました……走り去っていったあのお兄さんにもすいませんと伝えておいてください」
「あのダメ男に謝罪なんて不要ですよ。……ご主人様的にも、ただ遊んだだけだと思っているかと」
「そうですよー! チーコちゃんバイバイ! また会いましょうね! 」
「うん、またねー! 」
「いっちゃいましたね。ふふっ、なんだか楽しかったですね」
「こう考えるとハーレムメンバーに一人ロリっ子がいても楽しいかもですね? 」
「いやいやいくらロリっ子を加えるにしても、あの年齢はダメだろう……」
「ダメ男さんのハーレム事情は置いておいて。……拗ねちゃったあの人を追いかけますか」
「……ノアさんって方向音痴でしたよね? しかもここは初めて来る商店街……」
「なっ……! ノアは方向音痴なのか。これはワタシがいつも連れそわないと……! 」
「クレイ様は国王様の護衛があるでしょう……」
「とりあえず、探しましょっか。どうせ迷ってますよ? 泣いてたりして」
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【あとがき】
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