第23話 ヒモ男、闘技場へ出発する

「意外です。まさかルミシアちゃんがハーレムに加わるなんて」


あのまま夜中帰ってきた。夜も遅かったのでミナには明日詳しくこの事は話すと伝えたのだが、この時点で大体察したらしく、ニマニマしていた。


そして1晩たち、朝。


「ミナさん! ルミシア自信が一番びっくりしてます。最初の印象最低だったからねー? あ……今もだけど」


「この人顔だけはいいですもんね」


「ですよねー! 顔にステータスがいきすぎて、性格がパラメーター0? 」


二人は意気投合していた。……主に俺への悪口で。


ひっどい言われようだな。

そうは言っても昨日のこいつは可愛かったから許す。


「なにはともあれ、これからよろしくお願いしますー! 」


「こちらこそです。一緒にこのダメ男さんの面倒をみてあげましょう」


その後ルミシアはネシアにも挨拶をしてから、門番の仕事に行った。


かくいう俺も、今日はだるいことに仕事がある。

一応服だけ着替えておいて、ミナに膝枕してもらって過ごしている。


少したって、メイドがやってきた。


「国王様がお呼びです」


もう行くのか……。

ミナの膝枕、至福のひとときだった。


名残惜しそうに見ていると、それに気づいたミナがぽつりと。


「帰ったらまたやってあげますよ」


しゃーなし、頑張ろう。


部屋を出て広間に行くと、国王が居た。

ミナも隣にいて、俺に気づくと手を振ってくれた。


その場に行き、ぺこりとお辞儀する。

二人ともよそ行きの格好だが、国王はやっぱりキラキラとした服で高そうな宝石がじゃらじゃら。


あれぇ?

スグハの姉たち……第一王女と第二王女は今日はこないのかな。


俺の疑問を感じとったのか国王が答えてくれた。


「うむ……二人にもノア殿を紹介したいのだがなにせ忙しくてな……顔を合わせれるのは王国大会当日だろう」


「ふーん。ま、第一王女とかはそりゃ忙しいか」


俺、帝国の人間だからこっちのことはあんまり知らないけど、帝国の王女はあっちに行ったりこっちに行ったりで忙しそうだった。


「ノア殿も早く会いたいだろうが、もう少し待って欲しい」


「別にそんな会いたいってわけじゃないぞ? ただスグハの姉には挨拶しといた方がいいのかなって」


「……あやつらも美少女だ」


「あー早く会いたいぜ! 」


「うー……お姉ちゃんたちに合わせたら、ノア様あっちに行っちゃわないか心配です……」


「いやいや……流石に第一王女とかはもう相手決まってるんじゃないの? 」


「……ごほん。ノア殿、そろそろまいろうか」


あれ、もしかしてこの雰囲気、言っちゃいけない言葉言っちゃったパターン?


お付きの人や他の護衛の人を見るも、直ぐに目線をそらされてしまった。


見慣れたでかい扉が開かれると、そこには馬車があった。

いつもの門番の二人はめちゃめちゃ緊張している。


けど俺を見つけると少し顔がほころんでいた。

国王たちが前を歩いていて、その隙にルミシアの近くにいってケツだけしれっと揉んで、何気なく国王の後ろに戻った。


2つの馬車のうちひとつに国王、お付きの人、護衛の騎士二名が乗り込む。


もうひとつの馬車が俺たちのか。

スグハが足を滑らせないように後ろから支えてやる。ミナも同じように。


そして最後は俺だが、後ろをふりむく。


「ルミシアも一緒にいくか? 座席ひとつ空いてるし」


「えっ……!? で、でもルミシア、門番のお仕事あるから……それに王国大会の下見なんだよね? ルミシアなんかはついていけないよ……」


「国王ーいいよね? ルミシア連れてっても」


「別によいぞ。……ノア殿、もしやルミシアも? 」


「ん? ああ、俺の女になった。ほら、ルミシア、国王も一緒に来ていいって言ってるし行こう」


「は、はい! じゃあお言葉に甘えてー! 国王様もありがとうございます! うぅ、モーンごめんね! 」


「門番はわたしに任せて。あ、けど国王様、今日の分の給料上げてね? 」


モーンちゃん……見た目の割にしっかりしてる。

国王は苦笑いしていたが、モーンちゃんからの圧により了承していた。


「では出発するぞ! ノア殿の馬車は後ろで着いてくるような感じだ」


さて、出発だ。

闘技場、どんな感じなんだろう。


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【あとがき】

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