第21話 ヒモ男、今度は門番のルミシアとデート①

さて、二人とそんな関係になった俺はというと。


「あ、あ〜んっ……」


「あ〜ん♡ おいしいですか? 」


二人に朝ご飯を食べさせられてる。

こいつらかわりばんこにスプーンを差し出してくるせいで、口が休まらない。……休ませてくれない。


まぁ、好きにさせたらいっかぁ。

あ〜楽っ!


1度も食器やスプーンに手をつけることなく完食した俺は、二人が食べ終わるのを待ってから部屋に戻った。


「……スグハ、今日も1日フリーなのか? 」


「いえ、今日はお仕事があります! その……頑張りますので、頭を撫でてくれると……」


こ、この王女サマ、可愛い。

存分に撫でてやると、すげぇ上機嫌になって部屋を出ていった。


スグハは仕事、ミナは洗濯物をしている。ネシアはおもちゃで遊んでいる。俺は……ニート。


こうやって、ごろごろと過ごしてるだけ。

しかしさっき国王のつかいがきた。


なにやらスグハが、闘技場の観戦を近々するからその護衛をして欲しいとここと。


スグハが、というよりは国王や第一王女とかも出席する、王国の催し物みたいなものらしい。


なんでも王国一の最強を決める年に一度の大会だとか。

めんどくさっ!! と口に出そうになったが、それをいち早く察したミナに口を手で抑えられた。


不思議そうにしている仕いの人を帰らせた後、怒られた。


「仮にも護衛なんですから、それくらいは文句言わずに出てください! 」


そういえば第一王女……スグハの姉にあたる人たちと会ったことないし、ちょうどいい機会か。そう納得した。


それで明日その闘技場の下見をしに行くらしい。

毎年やってるんなら、行く必要なくね?


一緒に観戦するだけでいいらしいし、俺が出るわけでもないからいっか。


今まで事件とかが起きたことはないって言ってたし、二人とイチャコラして過ごせばいっか!


コンコンッ


ドアがノックされた。

また仕いの人か?


「はいはい」


普段はミナが出るんだが、洗い物で手が離せないとのことなので、のびをしてからドアに向かう。


ガチャリとドアを開けると、見知った人物がいた。


「ノアさん……今、いい? 」


門番してる時の服とは一転して、水玉模様の半袖の可愛らしい服を着ている。


今日、たしかにルミシアと出かける約束をしていたが、てっきり昼くらいからだと思っていた。


「ちょっと早すぎた……よね? もう少し後に来るね! 」


「別に今からでもいいぞ? 」


「あ、じゃあ……行こ」


なんか普段と様子の違うルミシアに若干戸惑いながらも、二人でのお出かけがスタートした。



「なーお前なんかいつもと違くね? 」


「緊張してるの!! ノアさん、残念なことに顔だけはイケメンだから!! 中身はクズなのにね!! 」


「ひっどいなぁ……」


「……好きにしていいんだよ? ほら、て、手とか、繋いでも……今日だけは許してあげる……よ? 」


じゃあ、お言葉に甘えて……。

繋ぐやいな、そっぽを向かれてしまった。


「王女さまやミナさんとも、こうやってお出かけしたんだよねー? ……ふたりと比べたらルミシアなんて、微妙……だよね」


「馬鹿言うな。お前だって可愛いし、二人に引けを取らないぞ。それにお前にはほかの2人に勝った点がひとつある! 」


「な、なに? 」


そう、それはーーー!!!!


「ケツがデカい!!! これは男の性癖のひとつだっ!!! 」


「街中でなんてこと言うんですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?????? る、ルミシア。それ気にしてたんですよ!!!??? ちょっとみなさんこっちみないでーーーーーーーーーーーー!!!! ノアさん、この店入りますよ! 」


首根っこ捕まえられて、近くの喫茶店にずるずると連れていかれた。


――――――――――――――――――

【あとがき】

「続きが気になる!」「面白い!」「毎日別の女とデート……」と少しでも思って頂けましたら、 広告下からフォローと星を入れていただけますと、幸いです。皆様の応援が、執筆の原動力となります!よろしくお願い致します! 作者のフォローも是非是非お願いします! ――――――――――――――――――

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