第4話

「もしもし?」


「もしもし!」


「どちら様ですか?」


知らない番号であった。



「俺は柳原龍平といいます。晃の友達で

いろいろな伝手を使ってあなたの番号を知ったんですよね」


若干の恐怖があった。


どこの伝手よ?

内心思った。




「いや、ここはフランクに話させてもらっていいかな?

晃が君と別れてから魂抜けちゃってるんだよね」



魂が抜けてる?

一瞬意味がわからなかった。



「それでさ、魂が浮遊しちゃってて!意味わからないと思うけど!よかったら復縁してくれない?

まあ、俺が言うことじゃないけど」




やっぱり意味がわからない。


魂が浮遊?

復縁?


頭が混乱する柚葉に畳みかけるように龍平は言う



「いやさ、友達として今の晃のこと見てられないんだわ!すげーつらそうでさ」



「知らんがな」と言ってしまえばそこで終わりだろう。



しかし、柚葉は不思議な体験をしたばかりだ。



もしかしたら本当に魂が浮遊してて私にメッセージを送ってた?



うーん、信じがたい。



「少し考えさせてください。私も心の整理がつかないので。」




「うん、いいよ。

よく考えて。じゃあ気持ち決まったら電話ちょうだい。じゃあ」



「じゃあ」



と電話を切ったものの、柚葉は狐につままれたような気持ちであった。




晃が落ち込んでいると言うことはわかった。

それを心配してどの伝手を使ったのかは知らないが龍平という友達が電話してきたのも理解した。



でも魂がどうのこうのは理解できない。



でも私が体験していることは?


晃の身を心配した気持ちは?



でも無事に生きててよかった。



私が今考えなきゃいけないのは晃と復縁するかどうか。



頭の中が混乱する。



晃自身はどう思っているのだろう?



たしかにお互いに喧嘩別れは『未練』が残るような気がする。



どちらかがどちらかを酷く傷つけないと別れらない。



お互いに傷つけあったに違いない。



それでも晃が復縁を望んでいるのなら

『復縁』してもいいのではないか。




しかし、復縁するならもう2度と同じことを繰り返すわけにはいかない。


相当な覚悟が必要である。



とりあえず、まだ答えは出さずにいろいろな角度から考えてみよう。



まずはそこからだ。



柚葉も別れたことを後悔していたので今の状況は渡りに船であった。



しかし、また付き合って同じことを繰り返すのは避けたいと思う気持ちもある。



どうしたらいいのだろう?



と悩むが魂の浮遊ってなんだろう?


どういう状態を言うんだろう?


もっと詳しく聞けばよかった。



もっと詳しく聞いてから答えを出すのでも遅くはない気がしてきた。

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