第4話 薬学に通じるスキルを取得しましたっ
目が覚める。ちゅんちゅんと小鳥の鳴き声が聞こえる。これが朝チュンか。
目が覚めてもそこはやはり異世界で僕はガッカリする。早く帰ってアニメを見たい。その為には生き抜きここから出なければ。昨日のウサギの件で上から景色を見たがこのジャングルはとても広い。人がいる街とかにはすぐにたどり着かないかもしれない。
そうだな。今日は植物とかを中心に食べてみるか。僕はハンモックから降りてジャングルの中を散策する。すると美味しそうな匂いがしたを早足ででも少し警戒しながら歩く。進んでいくと甘い匂いが周りに漂う。これは果物?遠くを見ると果物の木々が見えてきた。僕はスキル『突風』で一気にかけた。
やはりそこは果物だらけでとても美味しそうだ。それにどれも見たことがない。魔物と同じ反応がする。これはもしや魔力を帯びているのだろうか。たくさんの種類の果物があって僕の世界では異質だが僕は構わずそれを食べた。最初はピンクの四角いやつから。ひと房とって口に運ぶ柔らかな食感と口の中でとろける甘み。これは美味しい。僕ははぁと息を漏らしながらその果物を味わう。他にもたくさんあった。ミニトマトに小さい水玉模様の実はさっぱりしていてほのかに甘い。ルービックキューブみたいに繋がっている赤い果物は柔らかくプリッとしていて美味しい。また、三角みたいな形の青い果物はシャキシャキしてうまい。ここにあるどれもが魔力がたっぷり入っていて美味だった。スキル『悪食』は魔力が好物と書いていたがやはり魔力が入っていないと究極の食べ物を味わうことが出来ない。魔物を食らうのもそのせいだと思う。一通り食べてから僕は一本の気に寄りかかる。果物は大好物であるがこんなに美味しいものは食べたことがない。やっぱり異世界来て良かった。神様に感謝だな。オマケに今日は天気がいい。僕はそのまま眠ってしまった。
次に目が覚めたのはステータス通知が来た時だった。目を開けるとたくさんの通知に驚く。
«スキル『悪食』の消化が完了、のちに発動を続けます»
«スキルの消化の完了により、『猛毒』を取得しました»
«スキルの消化の完了により、『万能薬』を取得しました»
«スキルの消化の完了により、『精神抑制』を取得しました»
«スキルの消化の完了により、『体力回復』を取得しました»
«スキルの消化の完了により、『解毒剤』を取得しました»
«スキルの消化の完了により、『解呪』を取得しました»
«スキルの消化の完了により、『酸耐性』を取得しました»
«スキルの消化の完了により、『酸』を取得しました»
うっわぁ。何これ僕どれだけ果物食べたんだろ。でも結構役立ちそうなのがたくさんある。いっきに8個か。何を食ったらこうなるんだ。このスキルの取得に段々疲れてきたなもう少しゆっくりしてよ。せっかく寝心地よかったのに。
【スキル】猛毒
・自身の唾液が猛毒化する。一滴でも口にすれば即死。発生源は魔力。コストは一滴あたり1。
ふぁっ!?えっこれ僕には大丈夫なの?唾液ってどうやって取り出すんだよ!馬鹿じゃねぇの?あー、でも口移しとかで……。
できるわけねぇだろが!!しかし、即死はやばいな。まぁ、自動的に発動しないならいいか。
【スキル】万能薬
・どんなに病も治すことが出来る。自身の血液が万能薬に出来る一滴でも口にすれば完治。発生源は魔力。コストは一滴あたり1。
逆バージョン来たよ。はは。笑える。にしても薬的なものが多いな。この果物もしかして、貴重なものなのか?一滴で完治って凄すぎ。これは使えるな。
【スキル】精神抑制
・一時的に自身や他の生物の精神を安定させ落ち着かせることが出来る。発生源は魔力。コストは1。
うーん。うつ病の人向けかな。僕には1番使わないかも。
【スキル】体力回復
・発生源は魔力。コストは20回復に10の魔力が必要。
これは役に立ちそうだ。体力が尽きたら終わりだしコストもそれなりにいい。魔力尽きたらどうなるかわからないけど襲われた時はこうして頭を回転させて使うしかないな。そこ尽きることあるかわかんないけど。
【スキル】解毒剤
・どんな毒も治すことが出来る。発生源は魔力。コストは5。
気のせいか段々説明が短くなってきている。しかもここに来てコスト高い!いやさっきのも高かったけどこっちはなんだ。もうちょっと安定性を考えろ!いや、まぁ、僕の魔力的に全然大丈夫なんだけど。
【スキル】解呪
・どんな呪いでも解呪出来る。発生源は魔力。コストは30。
まて!何故に30!?高くなってるぞ。おかしいだろ!いや、でも呪いって結構怖いからコスト高いのか?
ケチってなんかないぞ?安定性を僕は求めてるんだ!!
【スキル】酸耐性
・酸の攻撃に耐性がつく。これは取得した時点で常時発動。
なんかまともなの来た。確かにこれはいいかもしれない。耐性は常時発動なのか。いいな。これで後ろからバシャッてやられても大丈夫じゃん。ラッキー。
【スキル】酸
・自身の体のどこからでも酸を放出する。発生源は魔力。コストは10。
酸耐性と来たら今度は酸か。うーん溶かすと食べれないからこれはあんま使えないかな?でも攻撃としては役に立つだろう。コストはもう別にいい。なんかそこら辺はもうどうでもいい気がしてきた。とりあえずかなりのスキルを手に入れたことが嬉しいぞ。もしこの果物が貴重なもので人間には簡単に手に入らないものだとしたら僕はかなりいい食事をしたのでは?
こんなにスキルを取得してるんだ。ステータスも変わっているだろう。
【名前】紺本 紀(こんもと かなめ)
【種族】人間
【性別】女
【年齢】18
【職業】なし
【レベル】13
【称号】なし
【スキル】悪食lv2
突風lv2
光合成
聴覚
脚力lv2
暗視
再生
毒の息
猛毒
万能薬
精神抑制
体力回復
解毒剤
解呪
酸耐性
酸
【HP】697230/697230
【MP】569720431/569720431
【攻撃力】62453
【防御力】54239
【魔力】569720431
【素早さ】46304
【運】192
異常な程までに魔力が蓄えられているな。数えるの面倒。これ結構暴れられるよ?でも1番なのは攻撃力とか防御高いけどスキル頼りな気がする。なんか戦い方とか気にした方がいいのかな?でも脚力だけでも結構役立ってるし。色んなスキルあっても覚えられないぞ。うーんでも運がめっちゃ気になるどういう基準で上がってるんだろう。他のやつもやばいけど運はどこに関連してるんだ?
僕は久しぶりに思考に浸る。こんなふうに考えるのは苦手だがこういうの少しずつ成長していくのを見るのは面白い。気持ちい成長の仕方をしてくれているしね。そうだな。次は果物じゃなくて野菜とかないのかな?
僕は果物の林みたいな所からまた薄暗いジャングルに入っていく。気のせいか?昨日より不気味に感じる。なんか森の主とか怒ってたりする?なんちゃって。でも本当に昨日は動物の気配したのに今は全くしない。どういうこと?
僕はスキル『聴覚』で遠くの音を聞く。動物達は木の影や巣に隠れて何かに怯えている様子を見つけた。他にも一目散に逃げる鳥。もしかしたら本当にやばい物がいるかもしれない。反対方向を見るとまだ動物達はのんびりと草花を食べている様子だった。なんだ?あっちの方に何かあるのか?とりあえず、あちらは避けてこっちに行こう。僕は警戒しながら歩くが心の底ではあまり怖くなかった。
少し進むと不思議な植物を見つけた。僕が今まで見た植物はあの果物以外に魔力を帯びている樹木は見ていない。それなのにこの樹木は魔力を帯びて、なんか動いている。なんだこれ。蔓のような触手をウネウネと動かし周りにある動物や木々に巻きついたかと思うと何故か木々は枯れ動物はゾンビになった。これはちょっとやばいのに当たったのかもしれない。
僕が戸惑っていると蔓の触手は僕に伸びてきた。
「わわっ」
僕は咄嗟にスキル『突風』で逃げる。それに気づいた蔓はしつこく追いかける。その都度僕は避ける。この際だから他のスキルも試してみようとステータスを開く。
しかし、見てみると攻撃らしいスキルは少ない。『毒の息』『猛毒』『酸』のどれかを使おうと思ったがどれも食べる時に影響が出そうだ。仕方なく僕は『脚力』で樹木に傷を付けながら食べていこうと考えた。考えたら即行動。僕はスキル『脚力』を使い。大量の蔓が僕に襲いかかるのを蹴ってみた。当たりはしなかったが風圧で蔓は消し飛んだ。
「うっそ!まだ半分も出てないのに!?」
僕は戸惑った。このまま樹木に攻撃すれば粉砕して無くなりそうだ。なので、僕は戦い方を変え、またスキル『突風』で樹木の蔓から逃げ続ける。気づくと樹木のほとんどの攻撃が僕だけに集中していた。それだけ僕が美味しそうに見えるのだろうか。まぁ、魔力たくさんあるし、狙って当然か。
僕は少しずつ魔力が減っていくのを感じた。あまり使うことのない頭でスキル『突風』で相手の動きを止めるのはどうだろうかと考えた。
『突風』で全ての蔓をかき集め止めた。
上手くいった。
だが、
「くっそ重い!」
一本一本の蔓は柔らかく丈夫なのだろうがあんなスピードで動いているんだ。重量があると素早く出来ないだろう。だから、僕は軽いと思ったが束にすると、凄く重い。
『突風』だけでは対応出来ない。
しかし、僕は樹木にたくさんの魔力があることを知った。それだけで理性が吹き飛びそうだ。『悪食』は消化されてる。グーグーとお腹がなって力が上手く出ない。けれども目の前に好物があると知ると理性が吹き飛ぶくらいワクワクしている。
自然と僕の口からヨダレが出てくる。それをジュルリと飲み込み、もうスキル『突風』を使えないと考え『脚力』に変換。そして、ダッと前に出た。大量の触手が襲いかかる。僕の攻撃力は六万二千四百五十三。これのほとんどは多分脚力や咀嚼筋にあると思うがそれ以外でも筋力は高まっていると予想した。攻撃力と表示されているのはあくまで総合しての数。どこが強くどこが弱いか分からない。しかし、体を鍛える事でバランスが悪いと怪我をする恐れがある。そこでは僕は考えた。ただ純粋の僕の筋力は少しずつ栄養分として上がっているのではと予想した。最初の咀嚼筋が上がる前は普通の攻撃力として少しずつ上がっていたし今はどれがどれか分からない数字であるが食べれば食べるほど強くなる僕の体は普通より鍛えられているのではないだろうか。
ブチブチブチブチブチブチッ
僕は丈夫なのだろう蔓を握力だけで引きちぎる。引きちぎった蔓を口に運ぶ。ゴムのように硬いが難なく噛みちぎることが出来た。
美味しい。
上手い。
僕の、
「ご馳走♡」
そこからはやはり何も覚えてなかった。気づけばそこは野原になっていてあの化け物みたいな樹木は消えていた。でも、分かる。僕が食べた。全部食べたのだろう。食べたあとにまだ口の中で味が残っている。体中が喜びに満ちている。僕は数分その場に座っていた。
僕は暫くして虫を探していた。当然魔力のある無視だ。普通の虫を見つけて食べてみた。癖のある味で美味しかったがやはり魔力があった方がいい。そのまま歩いていくとなんか黒くまん丸い岩みたいなのを見つけた。
よく見ると表面はテカテカしていて綺麗だ。硬そうではあるが。少し触ってみる。
ズズズズズズッ
すると、ゆっくりと岩が動き出した。
「これって……」
目は真っ赤だが見たんまんま、ダンゴムシだ。当然魔物だろう。魔力が溢れだしている。
「───────っ!」
ダンゴムシがなにか奇声を上げた。僕は咄嗟に耳を塞ぎその場でしゃがみこんでしまった。体が震え鼓膜が破けそうだ。
ダンゴムシは奇声を上げ僕に襲いかかってきた。
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