第6話 私って大胆ですか?
新橋明日香は休日にこっそりと習い事に通い始めていた。お料理教室に母親の付き添いで通い始めたのだった。
まどか「この教室に入ってみた理由は一つよ。あなたの中には女性らしさの言葉が見当たりませんのでよろしくお願い致しますね、明日香」
明日香「なんでよ。私可愛い子で気立ても良い子って言われるやんか。っていうかお母さん講師のイケメンの人ガン見してるし」
まどか「馬鹿ー。それはあなたがざっくばらんで女性受けだけは良いのよ。男性にはからっきし縁がないといけないのよ。この料理教室で女の子としての感性を磨いて、早く花嫁になりなさいよね」
笹塚「皆様、今日は初めてのおふたりです。紹介しますね。新橋まどかさん、明日香さん親子です」
まどか「よろしくです。慣れていないのでお手柔らかにお願い致します。笹塚さん、皆様」
明日香「宜しくお願い」
まどか「しますです。早く言って」
明日香「優しくしてな」
笹塚「ふふ。お綺麗な奥様と可愛いお嬢様ですね。明日香さんは中学生だとか。若いのに偉いね。ただね、僕は厳しいと言われたりすることもあるから、一生懸命にやってね」
明日香「魚さばけるし、ぐるぐる混ぜてご飯にかける。これこそ究極のレシピだと思う」
受講生「あはは」
まどか「やめて。お母さんは真っ赤っ赤。皆様、娘は良い子なんですよ。お料理好きですし」
加藤「あの、宜しくお願いします。私は加藤と言う者ですけど、どんなお料理がお得意ですか?」
笹塚「僕も聞きたいな」
まどか「ウチでは家庭的な和食や中華やイタリアンなどが得意ですね」
明日香「ほっこりじゃかいも塩胡椒で食べてるお母さんを見た」
笹塚「ふふ」
受講生全員「あはは」
まどか「やめて。おやつ代わりよ。そうなんですよ」
明日香「私は笹塚先生に問う。料理はお父さんもするよ。だから、男飯にしいや」
笹塚「男飯いいね。明日香ちゃんご両親好きなんだね。羨ましいよ」
明日香「良い人。好きや」
明野「先生にヘッドロックしないで」
まどか「離れなさい。先生に謝りなさい」
明日香「今日のお題はビーフシチューか?ビーフンにしない?笹塚先生」
まどか「ビーフンじゃないの。もう、先生申し訳ありません」
笹塚「いえいえ。ビーフンはまた今度にしようね。ふふ。さあ、始めましょう。」
それぞれ受講生は慣れた手付きで玉ねぎ、にんじん、ジャガイモと牛肉を切っていく。赤ワインとケチャップがあり、後はデミグラスソースを作る事になっている。
笹塚「デミグラスソースですが、隠し味はそれぞれ考えて見てくださいね」
まどか「多分、ハチミツかチョコレートが良いのよね。大人の味だったら良いわよね。先生コーヒーはどうですか?」
笹塚「良いですね。僕も好きですよ。豆を砕いて溶かしてください。素晴らしいですよ」
まどか「素人ですから。お恥ずかしいです。(好感度アップよ♡)」
明日香「蓮根にする。先生も飲みながら作るでしょ」
笹塚「そうだね。でも、余り言わないでね」
明日香「そうなんや」
乾「あの、それ聞いた事無いけど。常識的に考えてみた方が良いわよ」
明日香「なんだよ。私のが駄目っていうか笹塚先生に気に入られたいんや。私は違うよ」
乾「な〜に。偉そうにしないで欲しいわ」
笹塚「待って。常識に囚われないで考える彼女は非難しないで欲しいな。僕はそのアイデア好きだよ」
乾「ヨーグルト味噌にしたんです。新しいですわ、私の方が」
明日香「甘酒も入れるしな」
笹塚「美味しいかも知れない」
試食会になり、明日香の作ったビーフシチューを食べてみた受講生は一様に動きが止まったのだった。
乾「あら、美味しいじゃない?」
加藤「やるわね、明日香ちゃん」
笹塚「深い味で好きだよ明日香ちゃん」
まどか「やる気になってよかった。できるじゃないあなたは」
明日香「お母さん美味しかったやろ。小魚も入れといたの。カルシュウム万歳や」
明日香達の仲良く食事は終わった。上手くできただけでなく、なぜかしら自分が少し照れ臭くなった様な気がしたのだった。
明日香「笹塚先生」
笹塚「なんだい」
明日香「今度自前のエプロン買ってくるし、似合ってたら褒めてな」
笹塚「待ってるよ、天才」
明日香「なんだよ」
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