第5話 私ってお芝居ですか?

今日は休日。菜緒はお母さんと一緒に、街にショッピングに出かけていた。電車を乗り継ぎスーパーに向かう先で新たな出会いがあったりする。


梓「菜緒、これから夕飯のレシピの材料を買って来て」


菜緒「お母さん、私。スープカレーが食べたい」


梓「じゃかましい。スープカレーなんて都市伝説よ。ウチは導入せずにここまで来たからね。カレーや。本格派の30倍辛さのやん」


菜緒「ウチって、おしゃれ系なお料理ないのかな。お年頃だ・よ」


梓「アンタね。スティックパン買ってあげる。せーの」


梓&菜緒「上がるぅ〜」


菜緒「なんか嫌だよ。もう少し思春期の乙女心を知って欲しかったりするぅ〜」


梓「駄目や。菜緒は大きくなったらガチンコ好青年と一泊二日の旅に行くんやろ?させんでぇ〜」


菜緒「はぁ、今時が知りたいです」


ふと通りかかった精肉コーナーで牛肉を買う親戚のおじさんおばさん2人に奈緒は挨拶をするのだった。


菜緒「和美ちゃんのおじさんおばさんこんにちは」


おじさん「あぁ、菜緒ちゃん、梓さんも。」


おばさん「お久しぶり」


梓「お久しぶりですね。あら、今日はどうしたの。お2人様で熱々してらしていいですね」


菜緒「お母さん、変だよ。熱々はおでんだよ。熱燗だよ。どーぞ一杯」


梓「うむ。美味い」


おじさん達「くすくす。面白いですね。相澤さんのお母様は」


梓「いっ、いやですわ。そんな事はございませんわ。恥ずかしいですぅ〜」


おじさん達「今日はウチはステーキですよ。たまにですけどね、奮発しました。」


菜緒「イーー。高級和牛肉5000円。目が目がキラキラアイシャドウ!」


梓「イーー。私達も買おうかしらね。ふほほ。」


おじさん「良かったら是非。今がお買い得みたいですからね」


おばさん「高くないわよ。逆に失礼じゃないの」


菜緒「買おう。買っちゃおう。ウチもそうします」


梓「そっ、そうね。余裕だわよ」


おじさん達「それでは、またね」


菜緒は母と一緒に精肉コーナーのカウンターで、


梓&菜緒「豚バラ肉300グラム。急いでください」


菜緒「あぶねー」


梓「見張っときなよ」


菜緒「お母さん買えたかい?」


梓「おまけももろうたわよ、行くわよ」


菜緒「愛情たっぷりの激辛カレー作ろうと」


梓「・・・。悪い」


菜緒「そんな事ないよ。お母さんが作るカレー。ラー油がいっぱいで美味いからね」


梓「ありがとう、今度はええモン食べさせてあげよう」


菜緒「本当!!」


菜緒は少しだけ水気の多めのカレーを母と一緒に食べたのだった。菜緒は幸せが粗いと大嫌いだと思っている。か弱くなることは支え合っている事で確かめる事が出来ると知っているのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る