第2話 私ってアイドルに向いていますか?

 今日は入学式当日。菜緒は私立愛園学園に中学生として入学したのだ。生きて行く楽しみを探すが校風であるこの学校で楽しみを見つけようと生徒達は期待に胸を踊らせていた。


明日香「先生、今こそハイブリッドマーケティング戦略の始まりよ」


明子&その子「そうよそうよ」


沙也加「もう仲間従えたのかよ」


菜緒「やだなぁ、もう!(良いなー。先生綺麗だし。楽しみだなぁー)」


担任の絵美先生「そうね。マーケティング戦略はどんなビジネスにも必要ですからね。暗礁に乗り上げたなら、指揮権を返してね。ホームルーム初めてだからよね」


多江「真面目に聞きなよ。新橋さん森田ビルの回転扉に挟まった事あるって自慢してました」


絵美先生「国光恵美と言います。良いですか?明日香さんの様に先陣を切る人は必要です。少しだけ落ちつきましょうね。自分好きの生徒さんは居ますか?」


クラスメイト「はーい!」


絵美先生「自分好きは貴方を幸せに導きますよ。先生もまだ自分好きの途中ですが、頑張っていますよ。皆さんも先生と一緒に頑張りましょうね」


美香子「先生。あたいはペットボトル2リットルをガブ飲むのが得意。絶対、激甘おにぎりで出世するんですよ。ハグハグ」


きゆ子「私達は小学校も一緒だったんです。美香子は食べるのが好きな子なんです。私は飲み物が得意分野。冷やし梅茶をどーぞ」


絵美先生「ありがとうね。美香子さん、きゆ子さん。ユニークは楽しみの本懐です。プランのある貴方達に先生からメッセージです」


そう言うと絵美先生は黒板にある言葉を書いたのだ。


絵美先生「分かる人はいますか?読んでみてくださいね。せーの?」


クラスメイト「アイドル」


絵美先生「そうです。皆んなは愛されて、やがて愛していくアイドルになって貰いたいの。それが先生の希望であり、この学校で学んで欲しい気持ちであると言っちゃいますよ」


美香子「あいどるぅ。もうなってるよ。ハグハグ」


明日香「焼きおにぎり12個も食べるアイドルがいるかー」


沙也加「きゆ子ちゃん、月刊エリーゼ隠してなかったっけ」


きゆ子「ビタミンCコーヒー良いですよ♪うわっ!月刊誌返してよ」


博美「可愛い子特集のってるね。如月亜実ちゃん、アイドルの鏡なんだよ」


絵美先生「いつかは皆んなもそうなるかも知れませんね」


菜緒「アイドルかぁ。やっぱり目的無しでは人生難しいですか、先生」


絵美先生「菜緒さんは目的持って生きていますか?」


菜緒「それは、その、わんぱくな顔しか出来ませんし、この目的が絶対とは今はないですぬー」


絵美先生「皆んな、焦らすゆっくり見つけたら良いですよ。菜緒さんは優しい人なんですね」


菜緒「そんな事ないですよ」


菜緒は自分が好きだと思っていた。でも、目的まではまだ見つけられないと気づいてしまったのだ。大人になるのはまだまだ未熟なんだなと感じていた。


明日香「私は自分から自分好きって言えるのじゃ。恥ずかしい気持ちは少しある。でも、素敵だな。あー明日香は素直な天使かな」


沙也加「凹むし。自分は嫌いじゃないけどまだ好きって言えないしな」


博美「可愛い子。私はこの子だと思うよ。実際にアイドルになるのは菜緒ちゃんだと思う。可愛いもん」


菜緒「やだな。ブリ大根好きなのにな。そんなの嫌でしょ。ファンの人達って」


美香子「なんで。あたしはニラレバ」


明子「嫌よ。お餅とかよ普通。アイドルは」


その子「私はバタピー。可愛いし」


沙也加「太るでしょ。そんなのアイドルじゃない。アイドルはポップコーンよ。後、ジンジャエール」


絵美先生「アイドルのファンの人は優しくしてくださると思いますよ。皆は何を食べても良いと思いますよ。アイドルの精神は皆んなそれぞれですが、優しさの中で生きる楽しさを見つけて欲しいと思うんです。皆んな楽しくなりたいですよね?」


クラスメイト「はーい!」


ホームルームは明るく終わり、菜緒はぼんやり考え事をしていた。私の幸せはなんだろうと気づく事が大事で楽しくなりそうだなと思い、教室を後にした。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る