第7話 全裸で農作業
今回は戦いじゃなくて、人助けに行くんだって。
勇者っていろいろやるんだね。
なんでも、町外れの農地で収穫の手が不足してるみたい。
いいじゃない、最近は異世界でも農業とかスローライフが流行ってるんでしょ。
さすがに全裸だと他の人に迷惑がかかるから、今日は着せてくれるんだよね。
ダメ? うん、そうだよね、いちおう聞いてみただけ。
でもさあ、手を使うってことは隠せないってことだよ。コンプライアンスは大丈夫なのかい?
今さら遅い? まあ、そうですよね。
農具を使うのは危険だし、なるべくひとりで荷物運びをすることにしたよ。
役立たず呼ばわりはしゃくだからね、やれることはやるさ。
隅っこで作業していたら女の子がやってきて、どうして服を着ていないのか尋ねてきた。
事情を説明すると、可哀想だから自分が作ってあげるって言うんだ。
正直、泣きそうになったね。
このダメな異世界にも、こんな優しくてまともな人がいるなんて。
お願いしますって答えて、その後の作業はとにかく頑張った。
危うく見えそうになるぐらい、彼女の親切に報いるために働いたよ。
手伝いが終わり、お礼のご飯をご馳走になっていたら、さっきの女の子がやってきた。
もう出来たのかい? と尋ねたら、はいと笑顔で手渡してきた。
受け取ったら見えちゃうだろと周囲に突っ込まれて、みんなで大笑い。
地面に置いてもらい、ありがたく頂いたよ。
その日の帰り道は、まるで羽が生えたようだった。
わあい、全裸に麦わら帽子ー。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます