第6話 全裸で火山

 そうだと思ったよ。

 何の話って?

 そりゃもうあれよ。次の目的地。

 なんと火山だ。全裸で行く所じゃない。


 ゴツゴツした岩場を超えていくので、例によって靴は履かせてもらえた。

 さすがに危険地帯なので、ヘルメットも貸してくれた。


 やったね、フル装備だ。もう全裸なんかじゃない。

 なんて言うと思ったか。肝心の上と下をくれ。


 文句を言っても始まらないので、頑張って登ったよ。

 すぐ横に溶岩が流れてて、みんな汗だく。

 はは、いい気味だ。


 君たちも脱いだら? と嫌味を言ってやったら、真に受けて四人とも脱ぎやがった。

 何してんだよ。僕たち勇者だよね?

 これじゃもう、ただの変態パーティじゃないか。


 迎え撃つ魔王もこれにはドン引き。

 服を着ろー! って、顔を手で覆いながら叫んでたけど、指の隙間からガン見してたね。

 お決まりってやつだ。


 そんなわけで、可哀想だけど討伐完了。

 んでもって、街に裸の像が五体新設。


 いったいこの街はどこに向かっているのか。

 次に転生とか転移してきちゃった人が気の毒でならない。

 その時までには、絶対に元の世界に帰ると心に誓いました。

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